文明の衰退と再建について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 04:35 UTC 版)
「ウィリアム・ダラント」の記事における「文明の衰退と再建について」の解説
哲学者、歴史学者のオスヴァルト・シュペングラーと同様に、文明の衰退を、宗教とセクト的知性主義の闘争が積み上げられたものと見ており、慣習と道徳の不安定な制度を転倒させていた。 宗教と社会の間のある緊張感があらゆる文明の高い位置にある。宗教は嫌な目を見て混乱させられた人々にとって魔法の助けを提供することで始まっている。政治家や芸術にとって都合よく見える道徳と信念の統合を人々に与えることで、高まっている。過去の敗れた側で自殺的に戦うことで終わっている。知識が成長するか連続的に変わる中で、神話や神学と衝突し、幾何的なくつろぎで変化する。聖職者が芸術を支配し、文書が苛立たせる足かせあるいは憎むべき障害として感じられ、知性の歴史が「科学と宗教の間の摩擦」という性格をとる。最初の神学者の手にあった制度が、法や罰、教育と道徳、結婚と離婚と同様に、教会の支配から脱し、セクト的になり、恐らくは冒涜となる。知的階級は古代の神学を放棄し、幾らかの躊躇い後に、それに道徳律が和する。文学と哲学は教権に反対するものとなる。解放の運動は理性の熱狂的な崇拝に高まり、快楽主義の混乱に陥る。人生自体は慰めるような信仰を奪われ、意識的な貧窮と疲れた富に似た重荷となる。結局、社会とその宗教は、肉体と魂と同様に共に落ちていき協調的な死に至る。一方で抑圧された中で別の神話が生まれ、人間の希望に新しい形態を与え、人間の努力に新しい勇気を与え、数世紀の混沌の後に、別の文明を築き上げる。 ダラントの死後20年以上経って、ダラントの「偉大な文明はそれ自体の内部で自壊するまでは征服されない」という言葉が2006年のメル・ギブソンが監督た映画『アポカリプト』のオープニングに使われた。
※この「文明の衰退と再建について」の解説は、「ウィリアム・ダラント」の解説の一部です。
「文明の衰退と再建について」を含む「ウィリアム・ダラント」の記事については、「ウィリアム・ダラント」の概要を参照ください。
- 文明の衰退と再建についてのページへのリンク