挿絵画家とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 日本語表現辞典 > 挿絵画家の意味・解説 

挿絵画家

読み方:さしえがか
別表記:挿し絵画家

書籍新聞などで、文章の間に挿入される挿絵」を描く専門の人。兼業挿絵を描くイラストレーター画家などとは区別されることが多い。

さしえ‐がか〔さしヱグワカ〕【挿(し)絵画家】

読み方:さしえがか

挿し絵を描くことを専門とする画家また、挿し絵多く描く画家


挿絵

(挿絵画家 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 08:23 UTC 版)

挿絵(さしえ、挿し絵とも表記する)は、イラストレーションの一種で、雑誌新聞あるいは書籍など文字主体の媒体において、読者の理解を助けるため等の目的で入れられるのこと。挿画(そうが)ともいう。雑誌や書籍の見開きにわたる大きなものから、雑誌の片隅に使われる小さなものまである。正確に説明すれば、挿絵は、本、雑誌、新聞の間にさまざまな大きさで挿入された主に白黒の版画をさして言う。[1]特に小さなものはカットとも呼ばれる。文章の傍らにあるものだけだとする考え方と、それに口絵を含むとする考え方がある。

画家イラストレーター漫画家などが担当するが、 専門の挿絵画家も存在する。

日本文学においては、そもそも源氏物語絵巻などの文学作品を視覚化した絵画が多く制作されている。また、江戸時代には草双紙合巻狂歌本などに浮世絵師などによる白黒の挿絵が描かれていた。現代では、特に児童文学など低年齢層向けの書物や、図解なしでは理解の困難な専門書などに見られるが、識字率の急激に上昇している社会では一般書物にも多く用いられる傾向にある。たとえば19世紀イギリスの新聞、雑誌掲載の小説(「パンチ」「ストランド・マガジン」など参照)では、ディケンズアーサー・コナン・ドイルなどの例を挙げるまでもなく、また18〜19世紀日本の黄表紙読本等においても挿絵が多用されており、演劇絵画文学の境界は非常に流動的なものだったとする研究もある。ライトノベルにおいては、とくに挿絵が不可分のものとなっている。アニメ化・ゲーム化される際の登場人物の造形イメージを共通させるなど挿絵に依存する比率は極めて高い。

日本における挿絵の確立と歴史

なにをもって挿絵の始まりとするかは諸説あるが、国立国会図書館が2017年に催した「挿絵の世界展」では1875年11月29日、絵入新聞社の発行した「東京平仮名絵入新聞」における「岩田八十八の話」に添えられた絵だとしている。それまでにも錦絵の中に文章を入れた錦絵新聞は存在したが、主にならず、文章を助ける絵としてはこれが初出。

以降、新聞小説の挿絵として浮世絵師が起用され、中でも月岡芳年、月岡を師に持つ水野年方が新聞小説挿絵のジャンルを確立させた[2]。2人の作品は水野が所蔵していた「芳年新聞小説挿絵集」として国会図書館所蔵に所蔵されている。

その後、小説に挿絵は必要か否かを尾崎紅葉が提起。1900年代に入ると木版から写真製版へとなる印刷技術の変化により、洋画家の進出を容易にし、「白樺」が1911年2巻2号でオーブリー・クレセント・ビアズリーを起用。多くの挿絵画家が影響を受け「ビアズリーの衝撃」と呼ばれた。1920年代後半に入ると、雑誌の普及により中原淳一蕗谷虹児など挿絵画家を専業とするものが現れる。

戦後は岩村専太郎志村立美小林秀恒らが活躍。紙芝居を経て生まれた絵物語というジャンルが発展すると小松崎茂山川惣治が活躍。SFというジャンルを活気付けた。

1964年にはデザイナー出身の和田誠横尾忠則宇野亜喜良が参入し、イラストレーションという言葉が生まれた。70年代から80年代にはコバルト文庫角川スニーカー文庫といった表紙にイラストを多用した若者向けノベルが誕生。前述のライトノベルの草分けとなっていった。

こま絵

こま絵とは、書籍や雑誌、新聞などに本文とは直接関係しない絵柄を描いた小さな絵のこと[3]。一般的には挿絵の一種として扱われる。

誌面の雰囲気作りや、空いたスペース調整用に挿入される。例えば「見開き1頁」と定められたエッセイ欄などで、文章の長短により空白が出た場合になどに用いる。挿絵と異なるところは、近接する「文章」とは直接関係がないところで、文章の説明などの意味はない。従って、このようなこま絵の挿入は、事前に画家が「静物」「花」「風景」などの無難な絵柄を描いておき、編集者が適宜使用するものであり、文章を書いた執筆者の側でもどのようなものになるかは関与しない程度のものということになる。

「コマ絵」、「齣絵」、「小間絵」と表記されることもある。漫画等の画面中に罫線で「コマ」を区切って絵を描く形式の作品において、一つのコマを指して言う「コマ絵」とは異なる。

脚注

  1. ^ 『木版口絵総覧』5頁。
  2. ^ 国立国会図書館編「平成29年度企画展示・挿絵の世界」4頁
  3. ^ 世田谷文学館編 『生誕120年 詩人画家・竹久夢二展』 2004年、p.17

参考文献

  • 尾崎秀樹 『さしえの50年』 平凡社、1987年、ISBN 4-582-65121-6
  • 山田奈々子 『木版口絵総覧』 文生書院、2005年

関連項目


挿絵画家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/03 21:43 UTC 版)

令女界」の記事における「挿絵画家」の解説

蕗谷虹児 - 『令女界』の看板スターだった。代表作の詩『花嫁人形』は本誌大正13年2月号)に掲載された。大正14年(1925)に虹児がパリ留学すると、虹児のパリ通信掲載された。昭和12年自画伝『乙女妻』を1年間連載竹久夢二 須藤しげる 元義雄 この項目は、文学関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者求めています(プロジェクト:ライトノベルPortal:文学)。項目が小説家作家場合には {{Writer-stub}} を、文学作品以外の本・雑誌場合には {{Book-stub}} を貼り付けてください

※この「挿絵画家」の解説は、「令女界」の解説の一部です。
「挿絵画家」を含む「令女界」の記事については、「令女界」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「挿絵画家」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「挿絵画家」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「挿絵画家」の関連用語

1
パリッシュ‐ブルー デジタル大辞泉
94% |||||

2
高畠華宵 デジタル大辞泉
94% |||||





7
イラストレーター デジタル大辞泉
56% |||||

8
ウィンパー デジタル大辞泉
56% |||||

9
ベルコール デジタル大辞泉
56% |||||

10
中一弥 デジタル大辞泉
56% |||||

挿絵画家のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



挿絵画家のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
実用日本語表現辞典実用日本語表現辞典
Copyright © 2025実用日本語表現辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの挿絵 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの令女界 (改訂履歴)、ストランド・マガジン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS