ビブリオマニアとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > ビブリオマニアの意味・解説 

ビブリオマニア【bibliomania】

読み方:びぶりおまにあ

蔵書狂愛書狂


ビブリオマニア

作者シャルル・ノディエ

収載図書愛書狂
出版社白水社
刊行年月1995.10


ビブリオマニア〔英〕(bibliomania)

読み方:びぶりおまにあ

  1. 〔隠〕愛書狂蔵書狂
隠語大辞典は、明治以降の隠語解説文献や辞典、関係記事などをオリジナルのまま収録しているため、不適切な項目が含れていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

ビブリオマニア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/05 23:19 UTC 版)

ビブリオマニア (bibliomania) は、強迫神性障害の一種で、社会生活もしくは当人の健康に悪影響を及ぼすほどの書籍収集ないし強迫的ホーディングをおこなうもの。

心理学的に健全な書籍の愛好であり、心療的な病ではないビブリオフィリアとは異なる[要出典]

日本語では、「蔵書癖」、「書籍狂[1]、「蔵書狂」、「愛書狂[2]などとも称される。

概要

ビブリオマニアは、書籍に関わる異常な振る舞いのひとつであり、収集家当人にとって役に立たない書籍や、本物の収集家が大きな価値を見出さないような書籍を収集することが特徴となっている。同じ本の同じ版を何冊も買ったり、実際に使用したり楽しんだりできる範囲を超えて書籍をため込むことが、ビブリオマニアにしばしば見られる徴候となっている[3]。ただし、ビブリオマニアは、アメリカ精神医学会が DSM-IV で規定する精神病としては認知されていない [4]

ビブリオマニアという言葉を生み出したのは、マンチェスター王立病院英語版の医師だったジョン・フェリアー英語版だった[5]1809年にフェリアーは、ビブリオマニアであった友人リチャード・ヒーバーに捧げた詩の中で、この言葉を生み出した[6]。19世紀初頭には、定期刊行物に掲載される記事や詩など、一般的な言説の場面で、強迫的な書籍収集家を指して「ビブリオマニア」という表現が用いられた。

1809年には、トマス・フログノール・ディブディン英語版師が『Bibliomania; or Book Madness』を出版し、文学評論家のフィリップ・コネル (Philip Connell) は同書について「一連の奇妙な取り止めのない対話が集められ、全体として一種の劇的に組み立てられた病理の記録となっており、豊富に示された図版も含まれ、第二版では書誌や書籍収集の歴史に関する膨大な量の脚注が付されている」と述べている。ディブディンの著作で示されたビブリオマニアの「徴候」には、「アンカット本、上質紙ないしベラム(犢皮紙)のページ、唯一無二の本、初版本、ブラックレターの書籍、図版入りの本、別冊本、発禁ないし禁制本などへの執着」が含まれている[7]

19世紀後半になると、書籍収集や著名な収集家は好事家として頻繁に言及されるようになっていった[8]

フェリアーやディブディンに続いて、ホルブルック・ジャクソン英語版は『The Anatomy of Bibliomania』という書籍を発表した[9]

ビブリオマニアとされる人物

  • スティーヴン・ブラムバーグ - 530万ドル相当の書籍を盗んだとして有罪となった人物。
  • 初代準男爵トーマス・フィリップス[10]1792年1872年)- 重症のビブリオマニアであった。死去の時点で収集した書籍や手稿は16万点に及び、死去から百年以上にわたって競売が続けられた。
  • リチャード・ヒーバー1773年 - 1833年) - イングランドの書籍収集家。収集のために領地の大部分を抵当に入れ、最盛期にはイングランド、フランス、オランダ等に書庫を有し14万6827冊、加えて多数のパンフレットを蔵書として所有した。
  • W・F・ウィッチャー師 (Rev. W.F. Whitcher)[11] - 19世紀のメソジスト牧師で、稀覯本を盗んでは製本し直し、しばしば地元の古書店から珍しいものを「発見」したのだと主張した。

脚注

  1. ^ weblio 英和辞典・和英辞典 bibliomania
  2. ^ goo 辞書 ビブリオマニア【bibliomania】
  3. ^ Hooked and Booked” (英語). Psychology Today. 2017年5月25日閲覧。
  4. ^ Agrawal, Mukta (2015年9月9日). “A Detailed Study About Bibliomania”. InlifeHealthCare. 2019年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月25日閲覧。
  5. ^ Kendall, Joshua. The man who made lists: love, death, madness, and the creation of Roget's Thesaurus, Penguin Group, USA, 2008, p. 154.
  6. ^ Ferriar, John (1809). The Bibliomania, An Epistle to Richard Heber, Esq.. London: T. Cadell and W. Davies, in the Strand; J. Haddock, Warrington. p. 1. https://archive.org/details/bibliomaniaanep00ferrgoog. "The Bibliomania: An Epistle to Richard Heber." 
  7. ^ Connell, Philip (Summer 2000). “Bibliomania: Book Collecting, Cultural Politics, and the Rise of Literary Heritage in Romantic Britain”. Representations 71: 24–47. doi:10.1525/rep.2000.71.1.01p00764. 
  8. ^ “LITERATURE.”. The Australasian (Victoria, Australia) LIV (1415): p. 45. (13 May 1893). http://nla.gov.au/nla.news-article138654887 18 November 2017閲覧。 
  9. ^ Jackson, Halbrook (1930), The Anatomy of bibliomania (1st ed.), The Soncino Press, http://trove.nla.gov.au/work/8604238 18 November 2017閲覧。 , also Jackson, Holbrook (1932), The anatomy of bibliomania (3rd ed., rev ed.), Soncino Press, http://trove.nla.gov.au/work/8604238 18 November 2017閲覧。 
  10. ^ Book Collecting: A.N.L. Munby: A Balanced View
  11. ^ “A Book Thief.; A Providence Preacher's Strange Transactions In Rare Volumes”. The New York Times. (1881年7月28日). https://www.nytimes.com/1881/07/28/archives/a-book-thief-a-providence-preachers-strange-transactions-in-rare.html 2010年4月26日閲覧。 

関連項目

関連文献

映像外部リンク
Booknotes interview with Nicholas Basbanes on A Gentle Madness, October 15, 1995, C-SPAN
  • Basbanes, Nicholas A. (1995). A Gentle Madness: Bibliophiles, Bibliomanes, and the Eternal Passion for Books. Henry Holt and Company, Inc. 
  • Bartlett, Allison Hoover (2009). The Man Who Loved Books Too Much: The True Story of a Thief, a Detective, and a World of Literary Obsession. New York: Riverhead Trade 
  • Richard de Bury (1902). The Love of Books: "The Philobiblon" translated by E. C. Thomas. London: Alexander Moring
  • Andrew Lang (1881). The Library.London: Macmillan & Co.
  • McDade, Travis (2006). The Book Thief. Westport, CT: Praeger. ISBN 0-275-99331-0 

外部リンク


ビブリオマニア(本のホーディング)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 04:37 UTC 版)

強迫的ホーディング」の記事における「ビブリオマニア(本のホーディング)」の解説

詳細は「ビブリオマニア」を参照ビブリオフィリア」も参照 書物愛する者をビブリオフィリア愛書家)というが、ビブリオマニア(愛書狂)は、本の収集ホーディングが、社会的関係や健康を損なうほどになった疾患である。いくつかの精神疾患には本に関連したものがあり、bibliophagyや書籍窃盗愛好者(bibliokleptomania)などがある。ビブリオマニアは、従来書籍収集家よりも、収集価値本質的価値のない本を収集することが特徴である。同じ本を版数ごとに複数収集し利用娯楽供すことができる範囲超えて収集するのが、彼らに多く見られる症状である。

※この「ビブリオマニア(本のホーディング)」の解説は、「強迫的ホーディング」の解説の一部です。
「ビブリオマニア(本のホーディング)」を含む「強迫的ホーディング」の記事については、「強迫的ホーディング」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ビブリオマニア」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ビブリオマニア」の関連用語

ビブリオマニアのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ビブリオマニアのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
皓星社皓星社
Copyright (C) 2025 株式会社皓星社 All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのビブリオマニア (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの強迫的ホーディング (改訂履歴)、ビブリオフィリア (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS