拡がる交友とは? わかりやすく解説

拡がる交友

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:46 UTC 版)

梶井基次郎」の記事における「拡がる交友」の解説

1921年大正10年1月、基次郎は「江戸カフェー」で同志社大学猛者渡辺と出くわし、喧嘩売られる気がしてびくびくし矢野繁を先にかせよう考えた自身弱小卑劣さ反省し草稿書いた(のち習作卑怯者」などになる)。3月京都公会堂エルマンヴァイオリン演奏聴いた次郎は、公演終了後、車で立ち去ろうとするエルマン駆け寄り握手してもらい感涙した。 春休み紀州湯崎温泉(現・白浜温泉)に湯治行き、偶然再会した同級生田中太郎誘われ移動した旅館有田屋」で、西欧絵画芸術趣味29歳未亡人多田はなと、その取り巻き学生らと知り合った。基次郎は、その旅館の同じ二階にいた結核療養休学中の京都帝国大学医学部学生近藤直人と特に親しくなった。 この4歳年上近藤直人に基次郎敬愛の念を持ち続け生涯友人となった近藤の手紙で、自分を〈貧乏なディレッタント〉と称していた基次郎は、社会的な功利低俗とみなし、精神享楽第一とするダンディズム発露をみせ、〈偉大〉であることに憧れた4月紀州湯崎温泉から和歌山県和歌山市近藤直人実家医院開業)に立ち寄り大阪実家帰った次郎は、父親が、家で経営していた玉突き屋の従業員豊田ゲーム係の娘)に手をつけて産ませた赤ん坊八重子異母妹)の存在知り衝撃受けた青年期自己嫌悪や、俗悪への反発憂鬱悩みに、新たな苦悩加わった八重子梶井家が引き取り、母・ヒサ育てて入籍することが決まっていた。 4月中旬、年学制改革により2年進級した次郎実家からの汽車通学となり、同じく実家通学高槻駅から乗車する大宅壮一弁論部)と車中出会った。基次郎汽車内で同志社女子専門学校(現・同志社女子大学英文科女学生一目惚れをし、エリザベス・バレット・ブラウニングキーツ詩集破いて女学生の膝に叩き付け後日、「読んでくださいましたか」と問い、「知りません!」と拒絶された。 この時期中谷孝雄平林英子同棲始めていた京都新一条(現・左京区吉田中達町)の下宿に基次郎は度々訪れ英子讃美歌教えていたが、例の車内失恋した経験元にして書いた小説中谷妙子捧ぐ」を見せ行った。ちょうどそこに中谷同級大宅壮一来て一読するが、ほとんど問題にされなかったために英子にあげた。その後英子はその原稿紛失してしまい、基次郎の幻の処女作となった講演会活躍していた大宅文学談義をしに、よく中谷下宿来ていた。 6月、再び学校程近い上京区吉田中大路町(現・左京区)に下宿中谷孝雄郷里父親息子様子を見に来るため、平林英子3日間ほど基次郎下宿身を隠した中谷は父の手前、体裁取り繕うために、基次郎所有田邊元西田幾多郎哲学書を借りて自分本棚並べた。基次郎の本はそのまま中谷本棚置かれその後2人遊蕩費のため質屋流れた夏休み7月下旬、基次郎矢野繁と旅行出た東京小山田嘉一と会った後、夜船伊豆大島渡り藤森成吉(『若き日の悩み』を書いた作家)と同じ宿「三原館」に1週間ほど泊った8月には阪神間海水浴場香櫨園泳ぎに行くなど、基次郎健康的になったようであった9月から平林英子中谷孝雄から離れて信州の郷里に帰ったため、基次郎中谷2人で夜飲み歩き中谷下戸和菓子を飲む)、たまに中谷劇研究会の仲間津守萬夫伴った9月下旬、父・宗太郎安田鉄工所突如退職したこの前後の時期に、経営者安田善次郎暴漢朝日平吾刺殺され事件があった。宗太郎退職金でさらに玉突き屋2軒を開店し、1軒の経営異母弟・順三に任せた。しかし、父は再び別の従業員若い女浮気をし、店の経営状態も徐々に悪くなっていった

※この「拡がる交友」の解説は、「梶井基次郎」の解説の一部です。
「拡がる交友」を含む「梶井基次郎」の記事については、「梶井基次郎」の概要を参照ください。

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