拡がるファン層
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 23:25 UTC 版)
ブームは他の分野の読者層をも取り込む形で拡がりを見せる。1972年(昭和47年)から1976年(昭和51年)まで連載された萩尾望都の少女漫画『ポーの一族』は、全編を通して随所にマザーグースの詩の一節を用いたことで知られている(cf. ポーの一族#作品中のマザーグース)。小学館『別冊少女コミック』の1973年(昭和48年)1月号から連載が始まった「メリーベルと銀のばら」でハンプティ・ダンプティを扱ったのが嚆矢になっている。また、マザーグースを引用した1939年の作品であるアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』がハヤカワ・ミステリ文庫(現・ハヤカワ文庫HM)の創刊第1弾として日本に紹介されたのは、1976年(昭和51年)4月のことであった。これら異なる分野ながらいずれも大いに人気を博した作品に重要な位置付けで取り上げられたことも、谷川俊太郎の訳業に始まるブームを後押ししたと見られている。 推理小説でいう「マザーグース・ミステリー」の、マザーグースの童謡さながらに一人また一人と殺されてゆく設定は、手毬唄の歌詞に沿って行われる童謡殺人を描く横溝正史の金田一耕助シリーズ『悪魔の手毬唄』(1957年〈昭和32年〉- 1959年〈昭和34年〉)などにも影響を与えた。
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