岩木川の河川開発とは? わかりやすく解説

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岩木川の河川開発

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/09 01:35 UTC 版)

津軽ダム」の記事における「岩木川の河川開発」の解説

青森県最大河川である岩木川は、津軽平野の「母なる川」として流域住民の生活欠かせない河川である。しかし白神山地急峻な地形上流域とすることから河川勾配は急で、大雨融雪により発生した洪水一挙に勾配緩やかな津軽平野流れ込む加えて十三湖河口部はしばし河口閉塞起こすため、行き場失った河水十三湖岩木川下流滞留し浸水被害増加させていた。このため1917年大正6年)より当時河川行政管轄していた内務省岩木川改修計画立案し、主に下流部中心とした堤防整備十三湖河口開削とした河川改修国直事業として進めていたが、1935年昭和10年)に発生した洪水改修計画定めた岩木川河口部における計画高水流量毎秒1,670立方メートル超過する流量となり、津軽平野多大な被害与えたこのため翌年1936年昭和11年)に計画改定し、計画高水流量毎秒2,500立方メートル高直しした上で河川改修再度取り掛かるが、財政面工期時間的な制約などが問題となり進捗遅れていた。その一方で岩木川天候によっては容易に水不足に陥り易く一大穀倉地帯あり、か青森県特産品であるリンゴ栽培盛んな津軽平野では廻堰大溜池津軽富士見湖)をはじめ多くため池建設されていたが、農業用水安定的な確保には至らず流域住民はより安定した農業用水供給望んでいた。さらに当時青森県他県比べて電力需給バランス悪く電力他県発電所から融通をしてもらうという状態だったことから、灌漑水力発電といった利水についても開発必要性生じていた。 当時日本における河川行政は、東京帝国大学教授内務省土木試験所長だった物部長穂河水統制事業提唱し従来利水目的建設が行われていたダム事業治水・利水双方利用し総合的な河川開発を行うべきと主張内務省内務技監青山士(あきら)が1935年国策として採用したことから相模川神奈川県)、錦川山口県)、綾川香川県)などで多目的ダムによる河川開発実施され始めた青森県はこれに先立ち1934年昭和9年)、治水水力発電目的として岩木川最大支流平川二次支流である浅瀬石(あせいし)川上流部に日本最初多目的ダム事業である浅瀬石川河水統制事業沖浦ダム建設着手十和田湖莫大な貯水量を利用して三本木原台地農地開発水力発電目的とした奥入瀬川河水統制事業と共に河川総合開発先駆けとして1945年昭和20年)に完成させた。戦後連年発生する水害食糧不足発電設備障害端を発する停電頻発日本復興に負の影響を及ぼすことを懸念した内閣経済安定本部により、1951年昭和26年)に物部河水統制事業拡充し河川総合開発事業制度化岩木川水系対象河川となり多目的ダム計画スタート。さらに1950年昭和25年制定国土総合開発法に基づき、より広域かつ強力な河川開発行い地域発展促進する目的特定地域総合開発計画日本22地域計画された。青森県下でも岩木川水系奥入瀬川水系対象とされ1957年昭和32年)に十和田岩木川特定地域総合開発計画閣議決定され、岩木川治水津軽平野三本木原台地灌漑、両河川水力発電開発などが計画盛り込まれた。 こうした中で岩木川水系河川開発の要として計画・建設されたのが目屋ダムであり、1960年昭和35年)に完成した

※この「岩木川の河川開発」の解説は、「津軽ダム」の解説の一部です。
「岩木川の河川開発」を含む「津軽ダム」の記事については、「津軽ダム」の概要を参照ください。

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