属名と種小名とは? わかりやすく解説

属名と種小名

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 14:20 UTC 版)

学名」の記事における「属名と種小名」の解説

詳細は「en:Binomial nomenclature」を参照 種名初め部分である属名とは、分類上の位置が近い種をまとめて取り扱う分類単位である属の名称で、同じ属に分類されている全ての種で共通の名前である。 第2の部分ある種小名は、属名結合させることによりその種に固有のものとなる。例えば、タイリクオオカミコヨーテは同じイヌ属 Canis分類されている別種なので、学名それぞれ Canis lupusCanis latrans となる。なお、これ(たとえば lupus)を「種小名 specific name」というのは、属名と種小名を合わせた種名 species name, name of a species」(たとえば Canis lupus)と区別するためである。 種小名は属が異なれば同一の物が認められるため種小名だけでは種を表すことにはならず、種を表す場合には属名(または後述のような属名頭文字)との併記必須である。種小名大文字開始禁則としている動物命名規約においては種小名亜種小名も)が文頭にくることにより大文字記述されてしまうことを回避するためにも、種小名単独文頭配置することを避けるように特別に勧告なされている。 属名と種小名とで同じものを用いること(反復名、トートニム、tautonym)は国際藻類・菌類・植物命名規約では認められていないが、国際動物命名規約では許容されているため、動物ではこれが存在するアメリカバイソン Bison bison など。トートニム参照)。 種小名種形容語)がラテン語の文法則っている場合は、文法的に名詞または形容詞動詞分詞形を用いることになる。名詞名詞化した形容詞を含む。)ならば語形としては属格または同格の形をとることになり、属格場合は2名法による学名○○○ ×××」は全体として×××○○○」という意味をもつ(例は次の段落)。同格の時は主格同格形を取り○○○即ち×××の意味となる(地の文ラテン語ではない場合多く言語学名自身格変化させないので、同格主格形を取ることとなるが地の文ラテン語場合属名の格・数に合わせる。但し同格名詞には不活用形認められており、いわゆる種小名ラテン語の文法則ってない場合一つである。)例え先の Canis lupusラテン語属名種小名の意味名詞単数主格形である。この場合当然性が異なって構わない種小名形容詞ならば「×××○○○」といった意味となる。例えシャガ種名 Iris japonicajaponica は「日本の、日本産の」を意味する形容詞で、種名は「日本イリス」というほどの意味この際種小名形容詞はその性と数を属名名詞一致させなければならない。この japonicaIris同じく女性単数形で、男性名詞属名には japonicus、中性名詞なら japonicum となり、いずれも同じ「日本の」意味になる。また、分詞形の場合、「×××する○○○」といった意味になる。例えば、ヘテロ乳酸菌学名 Lactobacillus fructivorans の fructivorans は「果物むさぼり食う」という意味の分詞形容詞で、種名は「果糖代謝する乳酸菌」というほどの意味になる。この場合も性を一致させる必要があるライチョウ Lagopus muta は性が一致してないよう見えるが、属名ギリシャ語由来であり女性名詞だったことから、従来Lagopus mutus から修正された。 なお、献名など人名種小名につける場合もあるが、この場合属格の形をとることになり、「○○○ ×××」は全体として×××○○○」という意味をもつ。例えシュンラン Cymbidium goeringii種小名 goeringii は、採集ゲーリングの名をラテン語化した goeringius の語尾男性名詞属格の -i にしたもので、種名は「ゲーリングシンビジウム」というほどの意味概ねこの語尾が -i ならその人名は男性、-ae なら女性考えて良い属名種小名は、地の文明確に区別できる異な字体表記なければならない欧文では一般にイタリック体(斜字体)が使用されることが多い。イタリック体による表記難し場合は、下線を引くことでも代用できる属名最初の1文字のみ大文字表記し、種小名は(植物の例外規則を別として)すべて小文字表記する学名表記長いため、文章中で最初1回だけはつづりをすべて書き、どの属のことを指すか明確であれば2回目以降登場するときは、属名頭文字ピリオド短縮してC. lupus のように表記してもよい

※この「属名と種小名」の解説は、「学名」の解説の一部です。
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