属国論の展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 07:40 UTC 版)
銀行員時代、アメリカ勤務を通して得た多くのアメリカ人・イギリス人の友人たちと10年以上にわたり議論を繰り返した結果、日本の学問・思想が、学問・思想における世界的普遍価値から大きく外れたものであり、しかも日本の学者・思想家が自らの利権を守るためそれを密教と化して、日本国民に大きな事実を隠してきたことを知ったと主張する。そのため、日本の一般民衆は、自分ですら自分が何を考えているかわからない無意識の状態になっており、その結果、日本では、政治家が育たず、国家戦略なき国家となり下がり、意識的・無意識的に、イギリス、アメリカ等その時代時代の覇権国のコントロールを受けていると主張する。 1994年に総合法令から『政治を哲学する本』(後に後掲『決然たる政治学への道』に改題)で、アメリカこそが世界の覇権国であり、日本や韓国、台湾、フィリピンを含め西欧諸国、エジプトなどのアフリカ諸国ですらその属国の一つにすぎないとする属国論を提唱し、日本は、アメリカに政治、金融経済、学問・思想のすべての面で完全に敗北しており、その現実を直視することによって初めて日本固有の民族的価値を守ることができると主張した。その上で、学問・思想における世界的普遍価値に基づけば、日本は天皇を主君とする前近代的な王制国家であることは明白であると説明し、明治維新について、理想に燃える下級武士が単独で近代革命を成し遂げたと説明する司馬遼太郎によるいわゆる司馬史観を否定し、イギリスが当時覇権を争っていたロシア帝国の勢力拡大を防ぐため、岩倉具視、坂本龍馬らのスパイを育成・使役することによって親イギリス政府を作るという世界戦略の一環であったと主張している。
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