世界戦略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 09:27 UTC 版)
ユーラシア大陸のリムランドは今後の紛争地帯の候補地である。これはハートランドへの入り口になっており、満州、華中、インド半島、イラク、黒海、ポーランドなどの回廊地帯が列挙できる。ユーラシア大陸での紛争には、リムランドに向かって圧力をかけるハートランドから来る勢力との紛争、リムランド内部での紛争、そして外側の三日月地帯からリムランドに向かう勢力による紛争の三つの形態がある。それを防遏するためにはアメリカ合衆国がユーラシアに接近して包囲の態勢を構築し、勢力均衡を確保しなければならない。 またエアパワーの発展によりアメリカからユーラシアへのアクセスという新しい地政学的な視点が必要となった。エアパワーとは航空機と航空基地の総合であり、地形の影響を受けない交通手段である。そうなると従来では障害として存在していた北極海も通過可能な領域となるため、アメリカとユーラシアにとって北極の重要性が高まることになる。ここでの重要性は経済よりもむしろ軍事の観点から見たものである。ただしエアパワーの力量には限度があり、輸送力や攻撃力は限定的である。そのために伝統的なシーパワーの重要性が失われることにはならない。 第二次世界大戦が終結してからはユーラシア大陸での勢力均衡の維持が問題となる。アメリカの国益にとってリムランド統一を阻止する国家との協力が必要であり、またロシアやイギリスなどの大国にとってもヨーロッパやアジアで強大な国家が台頭することは安全保障の問題となる。したがってアメリカ、イギリス、ロシアの参加国はそれぞれの国土の地理的特性を生かしながら連携しながら安全保障政策をとることが最も利益となる。
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