ラグビーワールドカップ (女子)
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女子ラグビーワールドカップ | |
---|---|
![]() 女子ラグビーワールドカップ2025 |
|
スポーツ | ラグビーユニオン |
主催 | ワールドラグビー |
創設 | 1991年 |
チーム数 | 16 |
最新優勝 | ![]() |
最多優勝 | ![]() |
ウェブサイト | https://www.rugbyworldcup.com/2025 |
女子ラグビーワールドカップは、1991年にウェールズで第1回大会が行われ、ワールドラグビーの主催により4年ごとに行われる女子ラグビーの世界一決定戦、世界選手権に当たる。
沿革
1988年以前の女子ラグビーの歴史は「女子ラグビー」を参照。
黎明期
1988年、第1回「女子ヨーロッパラグビーカップ」がフランスのブール=カン=ブレスで開催、フランス、イギリス、イタリア、オランダが参加した[1]。国際アマチュアラグビー連盟(現在のラグビーヨーロッパ)からの公認は得られなかった。
1990年に、ニュージーランドで「1990 Women's World Festival」(1990年世界女子フェスティバル、ラグビー・フェスト)が開催され、初めて結成されたニュージーランド代表のほか、オランダ代表、ソ連代表、アメリカ合衆国代表が出場しトーナメントを行った[2][3][4]。日本の女子チームである レディース全東京A・Bと名古屋レディースも招待された[5][6]。
フランスやニュージーランドでの世界大会の成功により、イギリス女子ラグビー側でも世界大会の開催準備が進む。
第1回大会(1991年)
1991年春、第1回女子ラグビーワールドカップ(1991 Women's Rugby World Cup)が、イギリスのウェールズで開催された[7]。
決勝戦でアメリカ合衆国がイギリスを破り、優勝。大会は商業的には失敗に終わったものの、世論と告知効果では成功を収めた[8]。大会の赤字は、非公式にイングランドラグビー協会によって補填された[9]。
この大会は、女子日本代表として最初の国際試合となる[10][11]。女子日本代表チームは、全額自己負担で、コーチやドクターが帯同せず、選手のみの渡航となった[12]。
第2回大会(1994年)
国際ラグビーフットボール評議会(IRFB、現在のワールドラグビー)は、女子ラグビーワールドカップに対して否定的立場をとった[2]。
一方、女子ラグビーフットボール協会(Rugby Football Union for Women、RFUW)は、新たに結成されたスコットランド女子ラグビー協会の支援を得て、1994年に第2回女子ラグビーワールドカップをスコットランドで開催した[2]。
ニュージーランド、オランダ、イタリア、ドイツが不参加となり、スペインはグループ分けが行われた直後に棄権したため、スコットランド学生チームが代わりに出場した。参加予定だったソ連は崩壊したため、その代わりにロシアとカザフスタンが出場し、日本を含む11か国12チーム(スコットランドは学生チームを含む2チーム出場)で行われた[13][14]。
日本はスウェーデンから1勝を挙げた[15][16]が、4月15日のアメリカ戦では0-121で大敗し、これが女子日本代表チームにとって「最大差敗戦試合」記録となる[16]。
決勝戦でイングランドがアメリカ合衆国を破って優勝。この大会は予選のイングランド対スコットランドの試合に4,000人の観客が、決勝戦には7,000人の観客が来場したことで、経済的成功も収めた[2]。
第3回大会(1998年)
1998年、第3回女子ラグビーワールドカップは、国際ラグビー評議会(IRB、現在のワールドラグビー)公式の大会となった[17]。
書類選考で出場国が決められる際に、日本は「国際試合の資料に乏しい」(「国際試合が少ない」という意味)と指摘され[18][19][20]、出場ができなくなった[18][19]。ワールドラグビーは、当時のことを「出場資格の ”international matches” の解釈に誤解があった」(「4年間海外遠征が無かったことのみを判断材料にし、4年間に2回 海外チームが来日して対戦した実績を見落とした」という意味)と記している[21]。これを受け、以後日本は北米やサモア、ニュージーランドへと積極的に海外遠征をするようになる。
第4回大会(2002年)
2002年、第4回女子ラグビーワールドカップをスペインで開催。決勝でニュージーランドがイングランドを19対9で破り、2度目の優勝を果たした。女子日本代表は、日本ラグビーフットボール協会の日本代表チームとして「桜のエンブレム」がジャージに付く[22]。
第5回大会(2006年)
女子ラグビーワールドカップ2006は、カナダのエドモントンで開催され、北米で開催された初の主要国際ラグビーユニオン大会となった。ニュージーランドが3連覇を果たした[23]。
第6回大会(2010年)
女子ラグビーワールドカップ2010の開催に関心を示し立候補した国は、過去最多の4か国(イングランド、ドイツ、カザフスタン、南アフリカ共和国)となり、イングランドで開催。決勝戦はロンドンのトゥイッケナム・ストゥープで行われた[24][25]。
第7回大会(2014年)
女子ラグビーワールドカップ2014は、カザフスタン、アメリカ合衆国、ニュージーランド、サモアが立候補したが[26]、紆余曲折の末にフランスでの開催となった[27][28]。
第8回大会(2017年)
女子ラグビーワールドカップ2017は、アイルランドラグビー協会のエリアで開催となり、試合は、アイルランド共和国のダブリンと、北アイルランドのベルファストを会場にして行われた。
前年の2016年リオデジャネイロオリンピックおよび翌2018年に開催されるラグビーワールドカップセブンズとの相乗効果を高めるために、例年より1年前倒しでの開催となった。以降、この2017年を基準に4年周期開催となり、男子ワールドカップの中間年に実施することが決まった。
2019年8月21日、ワールドラグビーは、ラグビーワールドカップ女子大会(Women’s Rugby World Cup)について、性別に関する記述「Women's」を取り除くことを発表した[29][30]。これにより、ワールドカップは男子大会・女子大会のいずれも、「ラグビーワールドカップ」という名称となる。2021年ニュージーランドでの女子大会(実際は2022年に延期開催)は「ラグビーワールドカップ2021」(Rugby World Cup 2021)となり[31]、続いてフランスで開催の男子大会は「ラグビーワールドカップ2023」(Rugby World Cup 2023)となる。しかし、この試みは2023年男子大会までで打ち切られた[32]。
第9回大会(2021年→2022年)
ラグビーワールドカップ2021は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、2022年に開催された[33][34]。
第10回大会(2025年)
2023年の男子大会終了後、大会名において「Women's」「Men's」の名称を復活させた。これにより「Women's RWC 2025」「Men's RWC 2027」などの表記が公開された[32]。
女子ラグビーワールドカップ2025では、6つの地域すべてから出場国を選出し、出場国は12から16に増やした。ロゴが一新され、それまでの「U」をデザイン化したものから[35][36]、ラグビーボール型の楕円内に「RWC」の文字を入れたものになった[37][38]。また、トロフィーも新しくなった[39]。
第11回大会(2029年)
ワールドラグビーは、法人企業「ラグビーワールドカップリミテッド(RWCL)」を作り、ワールドカップの運営管理を行う[40][41]。オーストラリアで開催される2027年男子大会と2029年女子大会では、ワールドラグビーとオーストラリア協会との合弁企業を作り、運営される予定[42]。
歴代開催国・優勝国
各大会の結果
回数 開催年 |
開催国 | 決勝戦 | 3位決定戦 | 参加数 | 備考 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
優勝 | 得点 | 準優勝 | 3位 | 得点 | 4位 | ||||
第1回 (1991年) |
![]() |
![]() アメリカ合衆国 |
19-6 | ![]() イングランド |
![]() フランス |
同率3位 [注釈 1] |
![]() ニュージーランド |
12 | |
第2回 (1994年) |
![]() |
![]() イングランド |
38-23 | ![]() アメリカ合衆国 |
![]() フランス |
27-0 | ![]() ウェールズ |
12 | |
第3回 (1998年) |
![]() |
![]() ニュージーランド |
44-12 | ![]() アメリカ合衆国 |
![]() イングランド |
31-15 | ![]() カナダ |
16 | |
第4回 (2002年) |
![]() |
![]() ニュージーランド |
19-9 | ![]() イングランド |
![]() フランス |
41-7 | ![]() カナダ |
16 | |
第5回 (2006年) |
![]() |
![]() ニュージーランド |
25-17 | ![]() イングランド |
![]() フランス |
17-8 | ![]() カナダ |
12 | |
第6回 (2010年) |
![]() |
![]() ニュージーランド |
13-10 | ![]() イングランド |
![]() オーストラリア |
22-8 | ![]() フランス |
12 | |
第7回 (2014年) |
![]() |
![]() イングランド |
21-9 | ![]() カナダ |
![]() フランス |
25-18 | ![]() アイルランド |
12 | |
第8回 (2017年) |
![]() |
![]() ニュージーランド |
41-32 | ![]() イングランド |
![]() フランス |
31-23 | ![]() アメリカ合衆国 |
12 | |
第9回 (2021年) |
![]() |
![]() ニュージーランド |
34-31 | ![]() イングランド |
![]() フランス |
36-0 | ![]() カナダ |
12 | |
第10回 (2025年) |
![]() |
16 | |||||||
第11回 (2029年) |
![]() |
16 | |||||||
第12回 (2033年) |
![]() |
16 |
トロフィー

現在のトロフィーは3代目となる。
第1回大会(1991年)のトロフィーは、大会組織委員会のマネージャーであるスー・ドリントンが、ロンドンの商業地区ハットン・ガーデンのアンティークショップで1,000ポンド(当時のレートで25万7000円)強で購入した、1924年に製造された純銀製のものが使われた。第2回大会(1994年)でも使用された後、しばらくして行方不明となった[43]。
第3回大会(1998年)から2代目トロフィーとなる。2021年、ヘレン・エイムズ(Helen Ames)の実家の屋根裏部屋で、1代目トロフィーが発見された[43]。
第10回大会(2025年)から、6地域協会すべてからチームが参加することを記念して、3代目トロフィーとなる。純銀製で24金メッキが施されている[44]。
脚注
注釈
- ^ 3位決定戦が行われ、フランスが勝利した。ただしこの試合は当初の計画にはない。この試合の結果は大会のいかなる公式記録にもなく、またニュージーランド協会の国際戦記録にもない。
出典
- ^ (フランス語) Coupe d'Europe de rugby féminin à Bourg en Bresse | INA 2025年7月28日閲覧。
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- ^ “England awaits era-defining tournament as new Women’s Rugby World Cup trophy unveiled and further tickets released” (英語). Rugby World Cup 2025 England (2025年5月14日). 2025年5月16日閲覧。
- ^ world.rugby. “ラグビーワールドカップ2019試合会場視察を実施中 | ラグビーワールドカップ”. www.rugbyworldcup.com. 2024年2月5日閲覧。
- ^ ASCII. “迫るラグビーワールドカップ2019 日本に何を残すのか”. 週刊アスキー. 2023年2月6日閲覧。
- ^ world.rugby. “サー・ロッド・エディントン、ラグビーワールドカップ2027大会と2029大会の独立理事長に就任 | ラグビーワールドカップ”. www.rugbyworldcup.com. 2024年2月5日閲覧。
- ^ a b worldrugby.org. “The story of the inaugural women’s Rugby World Cup trophy | ワールドラグビー”. www.world.rugby. 2025年8月27日閲覧。
- ^ worldrugby.org. “新たなトロフィーのお披露目、追加チケットのリリース、イングランドは時代を画す女子ラグビーワールドカップ大会の開催準備を整える | ワールドラグビー”. www.world.rugby. 2025年8月27日閲覧。
関連項目
- WXV - 女子15人制ラグビー世界大会
- SVNS (女子) - 女子7人制ラグビー世界大会
- ワールドラグビー セブンズ・チャレンジャーシリーズ 2020年-2025年開催
外部リンク
女子ラグビー・ワールドカップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 09:54 UTC 版)
「ラグビー女子日本代表」の記事における「女子ラグビー・ワールドカップ」の解説
1991年の第1回、次いで1994年の第2回女子W杯に招待されて出場し、第2回大会でスウェーデンから1勝を挙げたが、1998年の第3回大会には「最近のテストマッチの実績が乏しい」として招待されなかった。 1994年と1998年の間には外国チームを招待し、アメリカ北太平洋沿岸代表のロガーズ(Loggers)を1996年11月16日から同29日まで迎えた。このときの招待チームの地元シアトルで1998年「北米チャレンジカップ」North American Challenge Cupが開かれると、ロガーズの選手の出迎えとアテンドを受けて9月1日から同8日まで日本代表として参加している。またニュージーランドの現地リバティーフィールズ(クライストチャーチ)と縁ができ、2001年8月16日から同21日に現地に出向くことに結びついた。対戦相手の強豪カンタベリーの胸を借り、大差で敗れている(89-0)。 第4回大会も当初は書類選考のみで出場国を決定することになっていたが、2000年11月に、日本・香港・サモアの3ヵ国でアジア・太平洋地区予選を行い上位2ヵ国に出場権を与えること、同年7月に日本がサモアを12-10で破った試合を予選として扱うことが決定された。この時点で日本の出場権獲得は決定的になったが、12月には香港にも62-0で勝ち、これで正式に出場が決まった。本大会は2002年5月にバルセロナで開催され、日本はオランダを37-3で破って男子より先にW杯2勝目を上げ、出場16ヵ国中14位となった。 その直前の2002年4月に女子ラグビー連盟が日本ラグビーフットボール協会(JRFU)に正式加盟したことで、日本の女子ラグビーは公式に認められた存在となった。この年は3月25日から同30日にカナダを訪問、ブリティシュコロンビア州において現地のチームと対戦し、JRFU加盟後の同年4月16日から同22日にかけて前述のニュージーランドからカンタベリー(Canterbury)を招待して桜のエンブレムをまとい、国際試合に臨んでいる。 2006年に本大会が開催された第5回W杯では出場枠が16から12に減らされ、日本はアジアで実績最上位のカザフスタンと出場権を争うことになった。アジア予選は2005年6月にタイで行われたが、日本は初戦で香港に78-0で勝つも、決勝でカザフスタンに3-19で敗れ、本大会出場権を逃した。 2010年の第6回W杯もカザフスタンの壁を破ることができず、2大会連続で出場権を得られなかった。 2014年の第7回W杯は雪辱を期したカザフスタンに敗退、3度目の足止めとなった。 2017年の第8回W杯はカザフスタンが予選不参加だったこともありアジア・オセアニア予選を1位で突破して、4大会ぶり4回目のW杯出場を果たした。 2021年の第9回W杯はニュージーランドで開催を予定した。前年のアジア最終予選は香港を会場に、当初、2020年3月18日開幕と発表された。日本、カザフスタン、香港の総当たり戦から勝ち上がるとワールドカップ本戦へ、また準優勝で敗者復活戦への出場権が得られるはずであった。しかしながら、いったんは同年5月8日開始に延期を決め(2月中旬)、ラグビーフットボール世界連盟は5月11日付で本戦を2022年に持ち越すと発表するに至った。なお2022年の実施にあたり、観客の利便性を重んじて全対戦カードを週末に集中させ、選手の体調管理に配慮し最低5日間の休養日を設けたことにより、開催期間は従来の35日から43日に延びる。これは大会の方式を改訂、1日に行う試合数を3試合に増やして試合数の消化に対応するという。
※この「女子ラグビー・ワールドカップ」の解説は、「ラグビー女子日本代表」の解説の一部です。
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