大本営の対応とは? わかりやすく解説

大本営の対応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 02:16 UTC 版)

アッツ島の戦い」の記事における「大本営の対応」の解説

5月12日午前中大本営海軍部では第一部作戦)・第三部情報)・特務班(通信諜報関係者あつまり太平洋方面情況判断おこなった大本営陸軍部では、北方軍作戦参謀安藤尚志陸軍大佐が、参謀次長秦彦三郎陸軍中将作戦部綾部橘樹陸軍少将作戦課長服部卓四郎陸軍大佐と共に北部太平洋方面情況今後作戦について検討していた。同日午後大本営陸海軍部はアメリカ軍アッツ島上陸報告を受け、アッツ島確保方針打ち出したアッツ島への増援部隊は、第七師団師団長鯉登行一陸軍中将)から抽出する予定であった。翌13日陸海軍部はアッツ島増援部隊おくりこむことで一致していたが、連合艦隊微妙な態度であった5月14日海軍部はアッツ島への緊急輸送につき「(一)落下傘部隊 (二)潜水艦輸送 (三)駆逐艦輸送」の具体研究進めた午後4時より行われた宮中大本営戦況交換会で、アッツ島守備隊善戦しているが至急増援部隊をおくる必要があることを再確認した。大型運貨筒準備はじまった水上機母艦日進により5月28日29日アッツ島予定)。日本陸軍一部では、落下傘部隊潜水艦によるアムチトカ島奇襲「テ」号作戦研究すすめられた。落下傘部隊だけによる奇襲は「ヒ」号作戦呼称された。 5月16日から17日にかけての大本営陸海軍合同研究会は、徐々に悲観的な空気包まれていった旧式戦艦扶桑山城)と第五艦隊各艦および落下傘部隊アムチトカ島攻略する「テ」号作戦検討されたが、もはや時機逸しており成算疑問視された。 5月18日大本営は「熱田奪回可能性薄し」とアッツ島放棄内定した当時参謀次長秦彦三郎中将は「陸海軍反撃作戦考えたが、若松只一第三部長から船を潰すから成り立たぬという意見があり、さらに海軍尻込みしたので反撃中止になった」と回想している。 5月19日昭和天皇第五艦隊出撃促し連合艦隊状況についても下問した。大本営北海守備隊如何にして撤退させるかの検討入ったキスカ島については潜水艦主力とし駆逐艦巡洋艦併用する方向であったが、アッツ島に関しては「熱田湾ハ水深三米程ニテ潜水艦ハ入レナイ、「ボート一隻モナシ、午前三時以後ハ絶エズ哨戒駆逐艦動キツツアリ(現地日出0122、日没1652)。ココハ最後玉砕ヤムナシト云フ案モアル。五月末集メ得ル潜水艦全部デ十隻、海軍全部四〇隻、ソノ三分之一ガ行動可能」であった5月20日昭和天皇大本営臨御した。大本営陸海軍部は、中央協定を結ぶ。アッツ島守備部隊機会見て潜水艦により撤退キスカ島守備部隊潜水艦駆逐艦輸送船による逐次撤退定められた。大本営陸軍部20日大陸命第793号と大陸指第1517号等の発令をもって中央協定示達した。大本営海軍部はアッツ島守備隊について、一部だけでも潜水艦収容する方針示した5月28日午前中大本営陸海軍部は宮中戦況交換をおこなう。午後大本営陸海軍部と連合艦隊参謀あつまり戦局全般研究会開かれた5月30日大本営アッツ島守備隊全滅発表し初めて「玉砕」の表現使ったそれまでフロリダ諸島の戦いなどで前線守備隊全滅することはあったがそのようなことが実際に国民知らされたのはアッツ島の戦い初めてであり、また山本五十六元帥戦死公表直後だったため(5月21日午後3時大本営発表)、日本国民大きな衝撃与えた吉川英治朝日新聞に「悲涙誓え邁進の心」との談話をよせている。 大本営は「山崎大佐は常に勇猛沈着難局対処して11団の増援を望まず」と報道したが、実際に上記のとおり5月16日補給増援要請行っており、虚偽発表であった。この件に関し北海守備隊の峯木司令官東條英機陸軍大臣富永恭次陸軍次官から「アッツ山崎大佐何等救援請求をしなかったが、司令官(峯木)が執拗に兵力増援もとめたのはけしからん」として叱られたという。またアッツ島海軍部隊指揮していた第五艦隊参謀江本少佐も、たびたびアッツ島への緊急輸送増援必要性訴えている。 同年8月29日朝日新聞朝刊アッツ島戦死者名簿掲載したこのような名簿掲載されたのは、最初で最後だった。同年9月29日アッツ島守備隊将兵2600名の合同慰霊祭が、札幌市中島公園行われた

※この「大本営の対応」の解説は、「アッツ島の戦い」の解説の一部です。
「大本営の対応」を含む「アッツ島の戦い」の記事については、「アッツ島の戦い」の概要を参照ください。

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