壁外の王家
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「進撃の巨人の登場人物」の記事における「壁外の王家」の解説
ユミル・フリッツ (Ymir Fritz) 声 - 三浦千幸 エルディア人の祖先にして、始祖の巨人。「始祖ユミル」として世界中から認知されている。 約1820年前に「大地の悪魔」と契約、巨人の力を手に入れたと伝えられている。さらに、死後は魂を「九つの巨人」に分けてエルディア帝国を築き上げ、古代の大国マーレを滅ぼし、大陸の支配者となる。マーレ人からは、ユミルの民は他民族の弾圧し、無理やり子供を産ませ、民族浄化を1700年間続けた悪魔だと見なされている一方で、グリシャらエルディア復権派のように、ユミルこそが人々に富をもたらして大陸を発展させたのだと信じている者も存在した。 その実態は、当時のエルディアに両親を殺害され、舌を抜かれ物言わぬ身となった奴隷。ある日、豚を逃がした罪により、当時のフリッツ王(初代)に自由という名の追放を言い渡される。フリッツ王の刺客達に狩りのように追われる最中、大樹の洞に落ちたところに脊髄のような何かと接触して巨人化を果たす。以降、その力でエルディア領地の拡大、敵国マーレの制圧などを奴隷のように従いながら遂行しエルディアに貢献。エルディア領地の拡大を機にその働きの褒美としてフリッツ王に娶られ3人の娘を授かる。しかし、巨人の力を手にした13年後、投降した敵とフリッツ王との謁見の最中、敵が隠し持っていた投げ槍から身を挺してフリッツ王を守って致命傷を負う。娘達にその安否を心配される中、フリッツ王が最期まで自身を奴隷としか見ていなかったことに絶望し、巨人の力で回復することなく息絶える。その亡骸は、巨人の力を継承させようとしたフリッツ王によって切り刻まれて娘達に喰われ、以降は奴隷時代の姿で「始祖の巨人」の中で「自分の意志を持たない奴隷」として王家の命令に従い、巨人を作り続ける。その為、フリッツ王の子孫である王家の命令には忠実で、例え王家の人間以外が始祖の巨人を継承した場合も、王家の人間を優先する。 その約二千年後、「道」に辿り着いたエレンとジークの前に現れ、当初は継承者であるエレンの命令よりも王家であるジークの「すべてのユミルの民から生殖能力を奪え」という命令を実行しようとする。しかしエレンの「お前は奴隷でも神でもないただの人だ」という自身を人として認めてくれた言葉に涙を流し、「この世を終わらせる」というエレンの願いに応え、地ならしを発動させ、その結末を傍観する。 実はフリッツ王の事を心から愛しており、その愛情から王家に忠実であった一方で、自らを愛の苦しみから救ってくれる人間を長年待ち続けていた。エレン曰く、それがミカサである。最終的にはエレンを討ったミカサの決断を見て、苦しみから解放され、エルディア人から巨人の力を消し去った。 フリッツ王 (Fritz) 声 - 津田英三 初代フリッツ王。本名不明。 豚を逃したユミルに自由という名の追放を言い渡し、刺客を送る。しかし、ユミルが巨人の力を手に入れるとその力で領地拡大と敵国の制圧を謀る。エルディア領地拡大の褒美としてユミルを娶り3人の娘を授かるが、ユミルのことは最後まで「我が奴隷ユミル」と奴隷としか見ていなかった。ユミルの死後、巨人の力を存続するために3人の娘に切り刻んだユミルの遺体を口にさせ、死に際には娘達にユミルの血の存続を遺言とし、後生においてもエルディアが地上を支配し永久に君臨し続けることを願った。 マリア (Maria)、ローゼ (Rose)、シーナ (Sina) 初代フリッツ王とユミルの三人娘。 母ユミルとの仲は良好だったようで彼女が目の前で致命傷を負わされた時には涙を浮かべている。ユミルの死後、父である初代王の命令で切り刻まれたユミルの遺体を口にする。初代王の遺言である、ユミルの血による子孫繁栄と巨人の継承を聞き届け、彼女達の代から「脊椎」による巨人の継承が始まった。 パラディ島の三重の壁は彼女らの名を冠しており、ウォール教では「女神」として信仰の対象となっている。 カール・フリッツ (Karl Fritz) 145代目エルディア王にして、壁内人類を築き上げた初代レイス王。 グリシャがマーレの収容区にいた時代より約80年前の「始祖の巨人」の継承者だが、エルディアの均衡を保つ王家の役目を放棄し、「巨人大戦」の勃発を招いたとされる。国民と共に辺境のパラディ島に都を移し、三重の壁を築きその中に籠った。その際、壁外に対し「今後我々に干渉するなら、壁に潜む幾千万の巨人が地上のすべてを平らにならすだろう」と言い残している。 実際には「不戦の契り」により王族による「座標」の行使を封印しており、滅されても運命として受け入れる覚悟をしている。その行いにエレン・クルーガーやグリシャは王として民を守る責務を放棄したと非難しているが、ハンジは長年に及ぶエルディア国の巨人による統治と干渉に疲れ、巨人大戦を機に壁内での緩やかな生活を選んだと、同じ壁内に住む者として心中を察している。 ダイナ・フリッツ (Dina Fritz) 声 - 岸本望 かつて巨人大戦末期にパラディ島に逃れることを拒み、大陸に留まった王家の一族の末裔の女性。グリシャの前妻で、ジークの実母。 145代目フリッツ王とダイナの家は折り合いがつかず決別し、彼女の一族はエルディアが復権する日を待って収容区に潜伏していた。その残った末裔もダイナが最後の1人である。 「フクロウ」の手引きによって「エルディア復権派」と合流し、翌年にグリシャと結ばれジークを産む。しかし、その活動により自身と祖父母に危険が及ぶことを知ったジークがマーレ治安当局に告発し、グリシャと「エルディア復権派」全員とともに捕らえられる。 グリシャは、ダイナが王家の末裔であるとわかれば命は助かるだろうと考えてそのことを隠さず尋問で話したが、尋問を担当したのが自身もマーレへの復讐を誓うクルーガーだったため、「生かされていても、生涯を通じて始祖の巨人の器となる望まぬ子を産ませ続けられるだけ」と判断され、その情報は握りつぶされ「楽園送り」となる。パラディ島ではグリシャに「巨人になってもあなたを探し出す」と告げたのち、彼の目の前で巨人化させられ、壁の外を彷徨い続ける。 エレンの母親であるカルラと知人のハンネスを捕食した巨人の正体。無垢の巨人として長年パラディ島を徘徊し、超大型巨人がシガンシナ区の扉を破壊したのと同時に壁内に侵入する。エレンが彼女に触れたことで「座標」の力を行使され、多数の巨人達に襲われて死亡した。この一件でエレンは、王家以外の人間が「始祖の巨人」を継承した場合、その継承者は王家の人間だった巨人と接触する事で真価を発揮できるという可能性に辿り着く。
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