地鎭祭とは? わかりやすく解説

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じちん‐さい〔ヂチン‐〕【地鎮祭】

読み方:じちんさい

土木・建築などの起工に先だち、その土地の神祭り工事の無事を祈る儀式。とこしずめの祭り。土(つち)祭り地祭り。地祝い


じちんさい 【地鎮祭】

日本で、土木・建築などで基礎工事をする前に、その土地の神仏・菩薩祭って工事の無事を祈る祭儀。地祝。土祭地祭地鎮式。神式が多いが仏式もある。仏教では地鎮法とも。

地鎮祭(じちんさい)

地祭じまつり)ともいい、土木建築を行う際に、その土地治めている神の了承を得るために、神霊鎮める祭祀

地鎮祭

読み方じちんさい

建物建てるとき、基礎工事始め前にその土地氏神祭り工事の無事を祈願する儀式のことです。その意味は神に土地借りることを願うためだとされています。また「とこしずめのまつり」ともいいます

新築(地鎮祭)

贈答慣習

新築(地鎮祭)地鎮祭は家を新築する前に地元氏神様に依頼して神官招いてお祓い受けますが、その敷地清め土地神様を鎮めて貰い完成まで無事故住まいする家族繁栄祈願して貰う儀式です。
本来は式終了後祝宴催しますが、昨今では祝宴開かず事前に出席人数分の酒瓶料理折詰用意しておき、御祝儀あわせて持ち帰って貰うのが一般的です。
用意しない場合御祝儀加えて酒肴料包みます丁寧な場合は、御車料も付けることもあります
また近隣方に工事着工お知らせ工事中ご迷惑への謝意込めて粗品贈ります
「地鎮祭」を行う時に注連縄張って四隅青竹立てるのは、その内側を清浄域とし て神社以外祭儀を行う場所に神様お招きするためのもので、その竹のことを「忌み竹」また「斎竹と言います
地鎮祭を行う時は、その中央神籬(ひもろぎに麻と 紙垂付けたもの)を飾りたてた祭壇お供えをして神様依代(よりしろ)とし、神主祝詞奏上によって地鎮祭儀執り行われ出席者により玉串奉奠が行われます

工事関係者へのご祝儀

御祝儀加えて酒瓶料理折詰(又は酒肴料)とお車代添えます

神官への謝礼

祭祀祈祷への御礼加えて御膳料お車代添えます

ご近所へのご挨拶

近隣方に工事着工お知らせ工事中ご迷惑への謝意込めて粗品贈ります

ひとくちMEMO

酒・肴料理折詰)を出す場合は、御祝儀少額にして別途御車料を付ける。

ご贈答のマナー

贈答様式 贈り 献辞表書き 慶弔用品
神官への謝礼 建築依頼主 御祭祀料
御神饌料
御祈祷料
金封
白花結び
赤白あわび結び
神官へのお車代 依頼主 御車 のし袋御車料字入
工事関係者への祝儀 建築依頼主 御祝儀 金封】赤白花結び/赤白あわび結び
御膳料 のし袋花結び
御車 のし袋御車料字入
近所への挨拶 依頼主 御挨拶
粗品
のし紙花結び

使用例(のし紙/金封/のし袋の様式)

のし紙/金封/のし袋様式 使い方
のし袋:使用例 のし袋:使用例


地鎮祭

作者川井

収載図書フーコー短編小説傑作選 5(上)
出版社フーコー
刊行年月2000.9


地鎮祭


地鎮祭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/15 15:28 UTC 版)

地鎮祭、東京にて
農家が中心となって行われる地鎮祭におけるの例

地鎮祭(じちんさい、とこしずめのまつり[1])とは、土木工事や建築工事の起工にあたって、工事の無事を祈願するための儀式[1]。建築工事にあっては建築儀礼の一種である[1]

形式としては神式仏式がある[注釈 1]。現代では神式で執り行われることが多く、古来、地祭(じまつり)[1][3]、鎮祭(しずめまつり)[1]、宮地鎮謝(みやじかまむるまつり)[1]、地曳祭(じひきさい)[1]などとも称された儀式である。仏式では地鎮式や安全祈願祭と呼ばれることもある。

日本以外では韓国台湾でも地鎮祭に似たお祓いをすることがある。

歴史

最も古い記録では『日本書紀』の持統天皇5年10月甲子条や持統天皇6年5月丁亥条に「鎮祭」の記述がある[4][5]。なお、『古語拾遺』(807年)では神武天皇が橿原に都を設けた際に坐摩神(いかすりのかみ)が祀られたとする記述があり、「坐摩」は大宮地(おおみやどころ)の霊であるとしていることから古くから宮殿の起工にあたって地鎮式が執り行われたとみられる[3]

儀式で五色幣を中央・東西南北の角に立てるのは中国の陰陽五行説の影響とされる[3]。この陰陽思想の公的な請来は、推古10年(602年)に百済から観勒によってもたらされたとされる[4]

近代の神仏分離前には、神仏はより混在した状況にあり、祭主もより多様であった[4]

平安時代になると陰陽師に代わって密教僧による地鎮が盛行したとされるが、そうではなく密教の安鎮法と陰陽道の土公祭の双方が鎌倉時代までみられるとする研究もある[4]

神式

地鎮祭の流れ

地鎮祭の祭壇。右上の看板には「地鎮祭次第/一 神事/修祓(一同起立)/降神之儀(一同起立)/献饌/祝詞奏上(一同起立)/切麻散米/鍬入之儀/玉串奉奠/撤饌/昇神之儀(一同起立)/一 神酒拝戴/神官退下」とある。手前右下には盛り砂がある。東京都中野区にて撮影。

祭場は南面した場所に設け、四方に斎竹(いみたけ)を立てる注連縄を張る[3]

昔は竜柱(祝い柱)を建て、丑寅(北東)と未申(西南)の方向にそれぞれ矢を立てて普請の安全を祈ったという[6]

神式の一般的な地鎮祭の流れは次の通りである。

手水(てみず、ちょうず)
神事の会場に入る前に、手を洗い、口を漱ぎ、心身を浄める(その後に着席)[3]
修祓(しゅばつ)
神職が祓詞を奏上した後、祭場、神饌、玉串、斎主、祭員、建主、工事関係者、その他参列者を祓い清める[3]
降神(こうしん)の儀
神職が降神詞を唱えてから「オ…」と声を発して警蹕(けいひつ)を行い、低頭した参列者に降臨を告げる[3]
献饌(けんせん)の儀
神職が神饌(米、酒、餅、海魚、川魚、海菜、野菜、果物、菓子、塩、水など)を供える[3]。神前に神酒を供えておき、その瓶子の蓋を取って献饌の儀とすることもある[3]
祝詞奏上(のりとそうじょう)
神職が土地や建物の長久、工事の安全、建主の発展などを祈る祝詞を奏上する[3]
散供(さんく)の儀
東北、東南、南西、西北の順に土地の四隅を祓い清め、米、塩、切幣そして清酒を大地に直接供える[3]
草刈初(くさかりそめ)の儀
忌鎌(いみかま)を使って草を刈る儀式で主に建主が行う[3]
穿初(うがちぞめ)の儀
忌鍬(いみくわ)を使って鍬を入れる儀式で主に工事関係者が行う[3]
鎮物(しずめもの)埋納
敷地中央に鎮物を行うが、通常は地鎮祭では所作のみで工事のときに埋納する[3]
玉串拝礼(たまぐしはいれい)
斎主、祭員に建主、工事関係者、参列員等の順に玉串を奉り拝礼する[3]
撤饌(てっせん)の儀
神職が神饌を下げる(瓶子に蓋をして撤饌の儀とすることもある)[3]
昇神(しょうしん)
斎主が昇神詞を唱えるとともに、警蹕(けいひつ)を行い神を送る[3]
直会(なおらい)
席を改めて直会を行う[3]

出雲屋敷地鎮祭

出雲大社では、土地の最高神である大国主大神を仰ぎ、土地の平安堅固を祈る地鎮祭を「出雲屋敷地鎮祭」[7]として、特別な神事を行う。出雲大社の御土である「御神土」「鎮め物」を屋敷に埋め[7]、中央、四方の柱に御札を貼る、それを五柱御札[7]という。それにより大国主大神の御支配される屋敷となる。そして、鬼門、たたり、方位、障りはすべて無くなり[7]、いよいよ繁栄するようになるという。神事は出雲大社伝統の儀式法にて行う。※神語三唱や御神土埋納、四拍手など特殊性がある。出雲屋敷後、年々多少の初穂を献納する出雲年貢を行う地域がある[8]。本来は出雲の氏子のみを対象に行っていた祭礼[7]。現在では、他県から訪れるものも対象としている[7]

仏式

仏教では、地鎮法、鎮宅法(じちん、ちんたく・ほう)、安鎮法(あんちんほう、安鎮国家不動法の略)、地天供(じてんく)、あるいは俗に地祭り、地堅めの法などともいう。[要出典]

脚注

注釈

  1. ^ 熊本県玉名市の蓮華院の南大門の落慶の式典では、神式地鎮式と仏式地鎮式が続けて行われた[2]

出典

  1. ^ a b c d e f g あるじでえ No.30”. 世田谷区教育委員会. 2024年1月15日閲覧。
  2. ^ 南大門地鎮祭にご参加ください”. 蓮華院. 2024年1月15日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 茂木貞純. “地鎮祭の歴史とその意義”. 一般社団法人 建設コンサルタンツ協会. 2024年1月15日閲覧。
  4. ^ a b c d 見留武士「古代地鎮の執行者について」『佛教大学大学院紀要』第36号、佛教大学大学院、2008年3月、49-64頁。 
  5. ^ 小池寛. “地鎮の起源と都の地鎮”. 公益財団法人 京都府埋蔵文化財調査研究センター. 2024年1月15日閲覧。
  6. ^ 『渋川市誌, 第 4 巻』渋川市, 1984, p106
  7. ^ a b c d e f 小池 2015, p. 187.
  8. ^ 『出雲大社教布教師養成講習会』発行出雲大社教教務本庁平成元年9月1日全218頁中230頁

参考文献

  • 小池康寿『日本人なら知っておきたい正しい家相の本』プレジデント社、2015年11月。ISBN 9784833421492 

関連項目


地鎮祭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/21 04:50 UTC 版)

シャングリ・ラ (池上永一の小説)」の記事における「地鎮祭」の解説

アトラスが層を増す際に必ず執り行われる建設開始時にロボット故障作業員事故が相次ぎ、タルシャンの進言により行われることになった実態は、地上から攫ってきた少女干支方位に従って人柱として捧げる。地鎮祭のアナウンス流れると、公社幹部社員どんなに重要な会議途中でも地鎮祭を優先しなければならない。地鎮祭を目撃した社員精神病んだり、辞職者が相次ぐ。地鎮祭の実体口外無用なので、守秘義務守れなさそうな人は暗殺部隊暗殺される

※この「地鎮祭」の解説は、「シャングリ・ラ (池上永一の小説)」の解説の一部です。
「地鎮祭」を含む「シャングリ・ラ (池上永一の小説)」の記事については、「シャングリ・ラ (池上永一の小説)」の概要を参照ください。

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