地所の購入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/14 17:19 UTC 版)
ハリエット・ビーチャー・ストウ(1811年-1896年)が1867年にフロリダ州に移転した時までに、既に1851年から1852年の間に連作として出版していた『アンクル・トムの小屋』を著すことで国際的に名声を得ていた。この小説はストウの奴隷制度廃止論を支持する見解を詳述し、アメリカ合衆国における奴隷制度を非難することに非常に大きな影響力を発揮した。ストウが奴隷制度に反対したのは、そのキリスト教徒としての信仰に基づいた道徳観から来ていた。ストウは長老派教会牧師のライマン・ビーチャーの娘として成長した。兄弟の中で7人がカルヴァン主義あるいは会衆派教会の牧師となり、ストウ自身も牧師と結婚した。 1860年、エイブラハム・リンカーン大統領が南北戦争を予測して志願兵を招集したとき、ストウの息子のフレデリック・"フレッド"・ウィリアム・ストウがマサチューセッツ第1歩兵連隊に入隊した。フレッドは甘やかされて育ち、16歳の時にはアルコールで問題を起こしていた。しかし軍隊に入って中尉に昇進した。1863年のゲティスバーグの戦いで頭に負傷した後、頭痛が激しかったので、軍隊を辞めざるを得なかった。アルコール依存が悪化し、当時は広く入手できたオピエートや麻薬を自由に使ってさらに複雑なものになっていた可能性がある。 1866年、フレッドは戦中に北軍兵としてフロリダで任務について時間を過ごしてきていたコネチカット州の若い農夫2人と出逢った。彼らから、そこの土地は豊富にあって安く、解放されたばかりの黒人が低賃金で働いてくれるということを聞いた。フレッドが母のハリエットと父のカルビン・エリス・ストウにこの情報を伝えると、両親はそれが息子のリハビリを速めてくれる絶好の機会だと考えた。US$10,000(2015年時点の$169,310と同等)で、ストウはジャクソンビルの南、オレンジパークの近くに綿花プランテーションを購入し、ローレルグローブと名付けた。そのプランテーションは当初奴隷貿易業者のゼファニア・キングスリーが1803年に設立したものであり、そのアフリカ人の妻アンナ・マヂジン・ジェイが1811年まで一部管理していたものだった。 ストウはフレッドが傷と薬物濫用から快復しながら荘園を管理してくれると期待していた。奴隷制度廃止運動家としての概念を拡張し、弟のチャールズ・ビーチャーに宛ててその動きにおける潜在的な役割を次のような手紙で伝えていた。 私の計画は...如何なる意味においても単なる世の中にある事業ではない。長年、この地でキリストの仕事をより直接の形でやりたいと願ってきた。私の心は私が嘆願しようとした言葉でその信念が貧しい人々と共にあり、今や無知で従順な人々と共にある。誰が彼らを掴むにしてもまさに形成過程の状態にある。汚職政治家は既にその計画に合わせて資本が許す限り彼らに投資を始めており、彼らの貧しい頭をあらゆる種類の変化で埋めようとしている。フロリダ州は他のどこよりも注力するに足る州である。移民が多くその方向をしっかりと定めているが、単なる世間の移民であり、金を作るだけでそれ以上の期待は無い。 ストウの息子であるチャールズ・ストウが後に、母はジャガイモの栽培から物書きまで、やることの全てに高い目的を探していたと記していた。ストウはセントジョンズ川沿いに一連の教会を設立するという考えが、元奴隷を訓練する最良の方法であると記し、「私は長くこの仕事に携わっており、私の中に燃える私の心なくしてそれを考えられない」とも記した。フロリダ州はまだ人口が少なく開発されていなかった。ジョージア州やアラバマ州に比べてほんの僅かな人口しかなかった。オカラより南では1平方マイルあたりほぼ2人 (0.8人/km2) しか住んでいなかった。 フロリダの教育体系は南北戦争の終戦で混乱していた。1866年、A・E・キンという北部人が、解放された黒人の子供のための自由人の学校よりも白人の子供のための学校が少ないと言っていた。1860年、黒人の子供のための公式学校は無く、奴隷はいかなる教育も禁じられていた。これと同時に、白人の子供のためには97の公立学校と40の私立学校があり、その中には公的資金を得ているものもあった。1865年5月、フロリダ州の総人口は154,000人であり、推計でその47%が黒人、そのほとんど全てが元奴隷だった。人種間で教育程度の違いが明らかであり、解放された黒人はその機会を増やすには、あるいは少なくとも隷属に耐えていた状態から逃げ出すために、教育が重要だと見ていた。
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