国際汽船の設立と苦難とは? わかりやすく解説

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国際汽船の設立と苦難

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 02:37 UTC 版)

国際汽船」の記事における「国際汽船の設立と苦難」の解説

大正8年7月1日国際汽船設立され神戸市海岸通にある川崎汽船本社内に事務所設けられ8月1日から営業開始した初代代表取締役社長には、川崎汽船社長川崎正蔵養嗣子である川崎芳太郎就任し取締役会長には金子就任した社名の「国際」は「大い海外雄飛しようとする企図」で命名され社旗ロイド100A1(英語版)の資格意味する「A1」を染め抜いたのだった設立際し船舶出資に関しては、債務悩み株式交付に不安を覚え一部出資船主配慮して、船価350円を現物出資現金払い折半する形がとられ、現金払いのうちの125円は日本興業銀行第一銀行十五銀行および浪華銀行発行する社債手取金、50円大蔵省預金部からの融資資金それぞれまかない大蔵省からの融資額は2500万円達した。あくまで一角とはいえ政府からの出資あおいだという事情から、一応は国策会社として見られていた。その他の株主に関しては、川崎汽船記録では以下のとおりである。 国際汽船発起人提供船舶および引受引受株主代表する会社船舶トン数引受橋本喜造橋本汽船25,400 101,600 渡邊嘉一石川島造船所)5,000 20,000 松方幸次郎川崎造船所275,100 1,027,640 川崎芳太郎川崎汽船72,760 金子直吉鈴木商店84,400 337,600 中山太郎日本汽船17,300 69,200 内田信也横浜鉄工所17,800 71,200 山下亀三郎浦賀船渠22,500 90,000 浅野総一郎浅野造船所52,500 210,000500,000 2,000,000 川崎造船所および川崎汽船からの約27総トンもの船舶をはじめ、多く社外船主からの提供を受けた国際汽船は、創立から1年経った1920年大正9年)には60隻・324000総トンもの船隊揃え日本郵船103隻・494000総トン大阪商船133隻・40総トンに続く日本第3位船主浮上した。しかし、第一次世界大戦終結後の不況が、国際汽船経営致命的な打撃もたらした。もともと予想営業収入高めに設定しており、一切債権償還しても余裕があると予想していたが、実際に用船料暴落と船価の乱高下により8000万円越え負債抱え込んでしまった。早くも日本郵船大阪商船および東洋汽船との合同話が浮上し債権整理政府からの助成ままならずおまけに出方次第日本周辺船舶市場影響与えであろう日本第3位大船腹を抱え込んで国際汽船二進も三進もいかなくなるかに見えた大正9年初代社長川崎芳太郎病気のため引退し松方川崎造船所社長のまま国際汽船川崎汽船社長兼任することとなった松方は3社合計103隻・79総トン巨大船腹生かし方について思うところがあった。このころヨーロッパ方面での船腹需要急増しこの様子を見た松方手中にあった大船腹をヨーロッパに回すことを決断する1921年大正10年5月松方鈴木商店総代理店とする「Kライン」をロンドンにおいて発足させる。「Kライン」は大西洋舞台ヨーロッパ南北アメリカオーストラリアおよび極東の間に、日本介さないいわゆる三国航路」を開設し定期航路不定期航路双方メリット生かす臨機応変配船行った後年には日本への航路開設したが、これは所属船修理回航兼ねてのものだった。しかし、「Kライン」がいくら欧米実績をあげても国際汽船経営そのものにはあまり反映されず、事態苦しくなるばかりであった1923年大正12年)に資本金1億円から8千万円に減資し、1925年大正14年)には金利軽減され経営改善兆し見えようになったが、その間勢力伸ばしてきた債権団の指導によって、国際汽船国策会社としての一面大幅に後退した

※この「国際汽船の設立と苦難」の解説は、「国際汽船」の解説の一部です。
「国際汽船の設立と苦難」を含む「国際汽船」の記事については、「国際汽船」の概要を参照ください。

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