名称と標章とは? わかりやすく解説

名称と標章

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 16:09 UTC 版)

赤十字社」の記事における「名称と標章」の解説

新しい共通マーク赤水晶 (Red Crystal) 赤十字 (Red Cross) イスラム教国赤新月 (Red Crescent) イラン赤獅子太陽(Red Lion with Sun) イスラエルダビデの赤盾(Red Star of David) ダビデの赤盾と赤水晶(Red Crystal with Star) 多くの国では、識別マーク白地に赤い十字模した赤十字(Red Cross)のマーク採用している。この赤十字マーク1863年赤十字規約制定され時にはすでに決定しており、創立当初から各国において使用されいたものの、当時団体名各国まちまちであり、赤十字社という名前は使用されていなかった。しかし団体規模大きくなるにつれて統一した名称が必要となっていったことを受け、1867年からオランダ救護社が通称としてマークの名前を団体名として使用していたため、赤十字社各国救護社の正式名称とすることが提案され1872年スペイン皮切りに1870年代には各国救護社が赤十字社改称していった呼称については「赤十字社」が一般的だが、中華人民共和国では「紅十字会」(赤は中国語では「紅」)、また朝鮮民主主義人民共和国では「赤十字会」と呼んでいる。イスラム諸国では、「十字キリスト教意味し十字軍連想する」として嫌われたため、白地赤色三日月識別マークとし、「赤新月社」(せきしんげつしゃ)と呼んでいる。 このマークデュナン母国スイスの国旗赤地に白い十字の色を反転したものとされており、ジュネーブ条約にも「スイス敬意を表するため、スイス連邦国旗配色転倒して作成した白地赤十字紋章」との一文があるが、1863年赤十字創立時記録にはルイ・アッピアが団体構成員の目印として白い腕章提案し、おそらくアンリ・デュフール思われる人物がそれに赤い十字マーク付け加えることを提案したのみで、スイス国旗についての記載存在しないスイス国旗赤十字の関係についての初めての記載1870年ギュスターブ・モアニエ発言初出である。この一文挿入されたのは、初期加盟国のひとつであるオスマン帝国行動原因である。オスマン帝国1865年ジュネーブ条約加盟したが、自国兵士大半占めイスラム教徒キリスト教の印である十字架の印を用いるのは不適当であるとして、1876年新たに赤い三日月模した赤新月(Red Crescent)のマーク制定し以後オスマン帝国救護部隊には赤十字代わり赤新月使用させるスイス政府通告行ったオスマンのこの動きによってペルシャタイ王国といった国々新し標章制定動き強まり世界同一マーク使用することを重視する赤十字国際委員会との対立深まった1906年にはジュネーブ条約改定され、この時に上記の「スイス敬意を表するため、スイス連邦国旗配色転倒して作成した白地赤十字紋章」との一文初めジュネーブ条約挿入された。これは、赤十字マークキリスト教とはなんの関係もなく、スイス敬意表したものだと強調することで、非キリスト教国、特にイスラム教国に対して赤十字マーク使用促す意図があった。ただしオスマン帝国はこれを承認せず、翌年赤新月マーク使用条件として加入した。やがて第一次世界大戦後いくつかのイスラム教国新独立国誕生すると、それらの国々赤新月自国団体マーク定めた。(インドネシアイスラム教徒が多い国であるが例外的に赤十字社」である。またパキスタンマレーシアバングラデシュなどは設立当初は「赤十字社であったが、のちに「赤新月社」に変更した)。また、イランの「赤獅子太陽」(Red Lion with Sun)も公認された。ただし赤十字社はこうした異なマーク採用には非常に否定的なスタンス貫いており、第二次世界大戦後ユダヤ教国教とするイスラエル独立しマーゲン・ダビド公社(=ダビデの赤盾社)が設立され時に、彼らのマークとして提唱された「ダビデの赤盾」(Red Star of David)を赤十字社マークとして認定することを拒否しており、「ダビデの赤盾」は今まで承認されことはない。なお、赤獅子太陽は現在使用されていない(条約上は有効である)。 赤十字赤新月の他にも種々の標章乱立し混乱を招くことから、赤十字赤新月代わる共通の(=第三の)標章採用提案された。これには加盟国合意に基づくジュネーブ条約改訂要する為に議論紛糾したが、2005年12月8日赤十字赤新月国際会議総会において、全会一致原則総会では異例である投票による賛成多数により、赤の菱形象った宗教的に中立第三標章赤水晶」(Red Crystal)が採択された。これは、ジュネーブ諸条約第三追加議定書英語版)として、署名開放され2007年1月14日発効した。「赤水晶」の標章の意味法的効力従来赤十字赤新月と完全に同一である。 「赤水晶」(Red Crystal)を用いることで、イスラエルの赤盾社は国際赤十字への加盟出来事となり、赤十字国際委員会同社正式に承認した。ただし、「ダビデの赤盾」の標章は、イスラエル国内国境紛争中のウエストバンク東エルサレム地域を除く)のみで用いる「表示標章」であり、ジュネーブ条約の「保護標章」としては認められていない同様に国内での宗教勢力バランスから赤十字赤新月標章併用したいと主張しているエリトリア等の国や地域でも、赤水晶」を使用することで国際赤十字への加盟期待している。また、この「赤水晶」の標章単独用いる以外に、国際活動を行う際にホストとなる国の了承があれば、中の白地部分に独自のマーク入れて構わない。 なお、「赤十字マーク対するかなり強硬な統一標章維持姿勢とは異なり赤十字赤新月赤水晶の各標章において、その標章明確な形状指定されていない色調においても同様である。これは、もし明確な形状・色調を定めてしまった場合、その標章から少しでも外れたものが赤十字標章みなされ攻撃受けてしまうことを防ぐためである。また、標章使用できるのは法律定められ組織団体限られる

※この「名称と標章」の解説は、「赤十字社」の解説の一部です。
「名称と標章」を含む「赤十字社」の記事については、「赤十字社」の概要を参照ください。

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