各型及び発展型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 09:06 UTC 版)
「H&K HK416」の記事における「各型及び発展型」の解説
HKM4(試作型) 試作及び開発モデル。ハンドガードはM4カービンと同じく前後のリングにより固定する方式の、レイルがないタイプものが用いられており、ガスブロック(フロントサイト基部)の上部と左右に短いレイルが装備されている(下部にはM4と同じスリングスイベルと着剣装置が備えられている)。 当初はM4のロアレシーバーにハンドガードを除く新造のアッパーアセンブリを組み合わせて製作された。ハンドガード、グリップ及び銃床はAR-15系列用の様々なものが使われており、固定式の銃床を持つモデルも存在している。 HKM4 初期モデル。排莢口ダストカバーがなく、アッパーレシーバー上のレール装着位置が低い。初期生産型では試作型と同じM4タイプのハンドガードとレイル付きガスブロック仕様になっており、中期以降はナイツアーマメント社のRASに似た4面レイル付きのフリーフロートバレル方式のハンドガードとなっている。HKM4D 公的機関向けモデル。「D」は“Defense”の略。 H&K社のアメリカ現地子会社であるHeckler and Koch Defense USA社の製品としてアメリカの軍・政府機関に販売・納入されたものに付けられた名称。刻印以外はHKM4と同一である。 HK416 2005年より生産された主力モデル。排莢口にダストカバーが付き、ハンドガードはH&K社オリジナルのFFRS型(後部で一本のネジのみでレシーバーに固定する方式の、上下左右4面にレイルが装備されたもの)に統一された。 HKM4からHK416A2型まではオリジナルのセレクターはアンビタイプ(左右両用型)ではないが、独自にアンビタイプのセレクターに交換されているものが多数見受けられる。 HK416D 公的機関向けモデル。「D」は“Defense”の略。 HK416のうち、H&K社のアメリカ現地子会社であるHeckler and Koch Defense USA社により生産、販売・納入されているものに付けられている名称。刻印以外はHK416と同一である。 ロアレシーバー右面の刻印は「Heckler & Koch GmbH|Made in Germany|Heckler & Koch|Defense Inc.|Sterling VA」(2008年まで)及び「Heckler & Koch GmbH|Made in Germany|Heckler & Koch|Defence Inc.|Ashburn VA」(2008年より)。 H&K Defense USA社がアメリカで生産したものは「Heckler & Koch GmbH|Made in Germany」の部分が省かれており、刻印は「Heckler & Koch|Defence Inc.|Ashburn VA」のみとなっている。「HK416D」と呼称されている場合、後述のUmarex社製.22口径レプリカモデルである「H&K 416 .22 LR」を指していることがあるため、注意が必要である。 HK416SF HK416Dの販売網にて、全自動火器の装備を認められない法的執行機関向けにセミオートのみの「SF」(“SF”とはSingle Fire.の略)モデルが少数生産されて導入された、とされており、セレクターにフルオートの位置のないロアレシーバーを持つモデルの写真が存在する。 MR223/556の発売以降は、全自動射撃機能を必要としない公的機関にはそれらが供給されており、HK416Dのセミオートのみのモデルは確認されていない。 サブタイプ これらサブタイプ名称は公式のモデル区分には通常は用いられておらず、“サブタイプ名称”というよりは“細かな仕様の名称”に近い。後述のHK416A5以外は単に「HK416」とのみ表記されることが通例である。 また、HKM4/HK416の各型はフルセットだけではなくアッパーレシーバーとそれに組み込まれた銃身及び作動機構、そしてハンドガード(HK416)がセットになったコンバージョンキットの状態でSOPMOD(Special Operations Peculiar Modification:特殊作戦用装備)として供給され、既存のM4カービンを始めとしたAR-15系列の銃と結合させて用いられており、「上半分だけがHKM4/HK416」という特殊なモデルが多数存在している。これらは言わば使用部隊や隊員による「ワンオフモデル」のため、派生型として正確に把握することは困難である。 HK416A1 改良型。フロントヘビーであるとの評価に対応するために銃身部を軽量化し、ファイアリングピンセイフティが装備された。 HK416A2 “OTB(Over The Beach:上陸作戦の意)モデル”と呼ばれる、-A1型に水際での使用に対応した改修を施した改良型。バッファチューブとボルトキャリアに水抜き穴があり、機関部内に水が侵入した場合に素早く排水できるようになっている。 上記の特徴に加え、銃身基部に僅かな突起が設けられており、銃身内に水が入ったまま発砲した場合に規定値以上の腔圧が加わることによる作動不良と破損に備えている。 HK416A3 -A2型を基にノルウェー軍の要求に合わせて開発されたモデル(HK416N)の仕様を取り入れた改良型。コッキングしていない状態でもセレクターをセイフティ位置にできることが最大の変更点となる。-N型にあったガスレギュレーターは採用されていない。 HK416A4 -A3型のトリガーシステムをMR556に採用された2段階式のものに変更した改良型。 銃身長によるモデル分類(サブタイプA4まで) D10RS 10.4インチ銃身モデルの製品名。H&K社による製品通称は“Compact Model”。 D14.5RS 14.5インチ銃身モデルの製品名。H&K社による製品通称は“Carbine Model”。 D16.5RS 16.5インチ銃身モデルの製品名。H&K社による製品通称は“AssaultRifle Model”。 D20RS 20インチ銃身モデルの製品名。H&K社による製品通称は“Fullsized Rifle Model”。 HK416A5 2012年に行われた米軍次期カービン計画(ICC:Individual Carbine Competition)に応募するために開発された全面改修型。-A4型を基にG28マークスマンライフルの特徴を取り入れて改修されたモデル。 ガスブロック先端にガスレギュレーターが装備され、ハンドガードの固定用ネジは独自規格のものから一般的なものに変更されている。ロアレシーバーはセレクター、マガジンキャッチ及びボルトリリースが全てアンビタイプとなった。ボルトキャッチはボタンが大型のものとなり、周囲にL字型のガードが追加されている。トリガーガードは手袋を填めていても引き金を引きやすいように下方に湾曲した形状のものに変更された。弾倉装着部がM4カービンに準拠したものになった他、弾倉は同社のHK417やG36同様に、半透明プラスチック製の弾丸が見えるタイプのものがラインナップに加えられている。本体色のバリエーションとしてタンに似たRAL-8000(英名:green brown)と呼ばれる色が追加された。 なお、HK416A5からは、銃身長により「- @@"」(@@には銃身長のインチ数が入る)の名称が付けられるだけとなり、銃身長によるモデル分類は基本的になされていない。- 11" コンパクトモデル。11インチ(279 mm)銃身を装備。 - 14.5" カービンモデル。14.5インチ(368 mm)銃身を装備。 - 16.5" アサルトライフルモデル。16.5インチ(419.1 mm)銃身を装備。 - 20" フルサイズライフルモデル。20インチ(508 mm)銃身装備。銃身長に合わせ、ハンドガードは従来のロングタイプよりさらに長いものが用意されている。 G38 ドイツ連邦軍は2014年にはHK416A5- 16.5"を公式に採用し、“G38”の名称を指定した。また、14.5インチバレル型が“G38K”、11インチバレル型が“G38C”としてドイツ連邦共和国の政府機関に採用された。
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