各型の特徴
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「フォッケウルフ Ta152」の記事における「各型の特徴」の解説
Ta152A 野原 (2006)によれば、通常型。田中ら (2006)によれば、Jumo213Aを搭載し機首と内翼に20 mm機関砲を計4門搭載しさらに外翼に30 mm機関砲を搭載するA-1、および外翼にも20 mm機関砲を装備し計6門としたA-2と言う重武装型。フラッペ&ローラン(1999)によれば欠番。高々度用のタイプを優先するため、1943年7月5日に開発は放棄されたという。野原 (2009)によれば、武装は機首に20 mm機関砲、内翼に20 mm機関砲を、計4門および30 mmモーターカノンを装備するが、そもそもFw190D-9と比較して、性能上のメリットがほとんどなかったため、C型に切り替えされたとされる。エンジンもFw190D-9と同一である。 Ta152B フラッペ&ローラン (1999)によれば、モーターカノンにMK 10830mm砲を、さらに両翼内翼に1門ずつを備えたものであったという。野原 (1999)によれば、30 mmモーターカノンに、両翼に30 mm機関砲と20 mm機関砲合計4門と、さらに主翼下のガンポッドと言う重武装が計画されていたとある。これは地上攻撃機型であったが、迎撃戦闘機型を優先する必要から1944年中頃に開発は中止されている。なお、飯山 (2004)によれば中高度駆逐機または護衛戦闘機型とされている。敗戦直前には押し寄せるソ連陸軍に対抗する必要性から再度、30 mm機関砲3門の仕様でTa152C-3にJumo213E-2とMW50を搭載するかたちでB-5/R11が試作され、原型機は1945年3月または4月に完成したが、実戦型の生産には至らなかった。Jumo213J(2,240馬力)と4翅プロペラを装備したB-7も計画されていた。 Ta152C 主翼を切り詰めた中・低高度向けまたは地上攻撃型のBシリーズから、エンジンをDB603E(離昇出力1,800馬力)またはDB603LA(離昇出力1,800馬力)へと変更されたタイプ。これに伴い空気取り入れ口は機首右から左へ移設された。与圧キャビンは搭載されていない。武装は機首と内翼に計4門の20 mm機関砲、さらに30 mmモーターカノンも装備。高度10,000 m付近で730 km/hを発揮した。 長谷川 (2007)によれば、C-1からC-4までが、野原 (2006) / (2009)によればC-1からC-11までが計画または発注されており、1945年3月以降量産が行われる予定だったが、生産は原型機3機とC-1型が少数のみ(野原 (2006) / (2009)によれば17機)。飯山 (2004)によれば、実戦で使用されたと言う説は無いと言う説が多い。また、野原 (2009)では、JG301にC-1/R11が2機のみ配備はされたものの、出撃は行われなかったようだとしている。 Ta152H-0 Hシリーズはアスペクト比の高い主翼を持つ、高々度向け機体。最優先で開発された。H-0は翼内燃料タンクを装備しない先行型。 エンジンはJumo213Eを搭載。前述したが、Fw190D-9にも搭載されたものがJumo213Aで、これは1段2速過給器で離昇1750馬力、高度6,000 mで1,500馬力、高度9,800 mで1,020馬力と言うものであった。Jumo213E型は過給器を2段3速に改め、圧縮比を6.5から8.5と大幅に引き上げ、離昇出力は1,750馬力と従来のままだが高々度性能は大きく向上し、高度9,800 mで1,420馬力を発揮した。なおJumo213はDB603に比べ排気量は小さいが、回転数で馬力を稼いでいる。 Ta152H-1 Hシリーズの本格量産機。翼内燃料タンクを装備。エンジンはJumo213EB。Jumo213EにGM-1出力増加装置を付加したもので緊急出力2,000馬力または2,170馬力を発揮。無線機を改良したH-2のほか、偵察機型のH-10/H-11/H-12も計画されていた。 Ta152E 計画のみ。戦闘偵察機型で、Jumo213Eを搭載。E-0/E-1型はC型と同じ切り詰めた主翼を、E-2型はH型と同じ主翼を持った。偵察には他の型を流用すれば済むと言うことで1945年2月に開発は中止された。 Ta152S 練習機で、タンデム状に複座化されている。C型ベースのもの、H型ベースのものの2種類があり、1945年4月から生産の予定があったようだが、生産されたと言う記録はない。
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