動物種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 22:04 UTC 版)
「エバーグレーズの外来種の一覧」の記事における「動物種」の解説
外来動物はたいてい帰化植物ほど深い影響を及ぼしているとはいえないが、多くの例でより強く注目を惹き、この地域内には多くの外来種が存在するのだと言うことを絶えず思い起こさせるものとなっている。ホームステッド空軍基地近くで、野生生物学の学者や建設作業員らは、こともあろうに、運河で日光浴しているイグアナがメガネカイマンに襲われる現場を目撃した。 フロリダ在来の昆虫は約12,500種おり、その大半はカリブ地方やアメリカ合衆国南東部からこの地域に自然に飛んできたものだった。これに加えて約1,000種が外来種として識別されている。昆虫は毎年約10億ドルの損失をフロリダの構造物や農業に与えている。南フロリダに入って来る商品の物量が多いので、それと共に入って来る昆虫を制御することは不可能に近い。輸入される柑橘類が害虫の主要な通り道になっている。生物学的作用素として21種の昆虫が輸入され放出された。これは外来種植物の増加を防止し、他の昆虫の影響を抑えるためである。マダガスカルゴキブリ(Gromphadorhina portentosa)やヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)のような種はペットとして、あるいは魚の餌として販売され、その後裏庭に放された。同様に、イガイ類、二枚貝、巻き貝など水生の無脊椎動物は、船底や船腹に固着して入り、土地の水域に移ってきている。アクアリウムの売買で愛好家に供給された外来種もまた、水路に投棄されたり、逃げられたりしている。 昆虫やその他節足動物を除外して、2009年時点では192種の外来動物種がフロリダで生息している。魚類は50種以上が導入された。早くに記録されている種としては、ベロネソックス・ベリザヌス(Belonesox belizanus)やアストロノータス(Astronotus ocellatus)がある。エバーグレーズの多くの地域が毎年乾燥し、長い旱魃期間があることもあるのだが、南フロリダ中にある運河の広大なネットワークにより、多くの種が自然状態よりも容易に拡散することができる。原生種数や生息域に対する外来種の全体的な影響はほとんど分かっていない。 フロリダ州魚類野生生物保存委員会が、最も侵略的である動物を特定することに集中するタスクフォースを立ち上げた。この機関は、ビルマニシキヘビ、アフリカニシキヘビ(Python sebae)、アメジストニシキヘビ(Morelia amethystinus)、アミメニシキヘビ(Python reticulatus)、オオアナコンダ(Eunectes murinus)、ナイルオオトカゲ(Varanus niloticus)について「危惧される爬虫類」のリストを作成した。フロリダ州は動物の所有者に年間100ドルの許可料支払いを求め、またマイクロチップの埋め込みも求めている。これら捕食動物は、その恐ろしい大きさと攻撃的な性格故にリストに含められている。しかしこのリストが作られる前にエバーグレーズにいた動物は、野生のままに生息している。2012年、アメリカ合衆国、特に南フロリダの多くの外来蛇類と戦うために、アメリカ合衆国内務省はレイシー法の枠に、ビルマニシキヘビ、アフリカニシキヘビの2種(北と南)、キイロアナコンダ(Eunectes notaeus)の4種を加え、アメリカ合衆国内への輸入を違法とした。外来の鳥類はそれほど注目されていない。それらもペットの取引や脱出によってフロリダにもたらされた。取り扱い業者が検疫制限を避けるために放鳥したか、熱帯低気圧が襲ってきたときに損傷を受けた籠や人工的な生息域から逃げ出したかである。しかし、通常は固有種でない鳥類の多くが個体数の多い地域に近く住むものであり、個体数を増やした鳥類もあれば、不明な理由で減らした鳥類もある。 哺乳類では南フロリダの外来種として50種以上が記録されており、その内少なくとも19種は自活している。野生化哺乳類でエバーグレーズとその周辺を生息域とするものとして、犬、豚、猫がある。アメリカ合衆国の他の地域に在来の野生動物でも、ココノオビアルマジロ(Dasypus novemcinctus Linnaeus)、コヨーテ(Canis latrans)、ジャガランディ(Herpailurus yaguarondi)といったものが定着してきた。 フロリダ州は外来動物を野生に放つことを禁じる法を制定してきた。人々が動物を捨てないようにさせるために、地方政府は幾つかの場所で「外来種アムネスティ・デイ」を開催し始めた。これは、蛇、トカゲ、両生類、鳥類、哺乳類(犬、猫、フェレットを除く)のような伝統的ではないようなペットを飼いたくないあるいは世話できないという所有者が、外来種の違法投棄の罪で告発されることなく、動物を捨てることができるようにしたものである。フロリダ州魚類野生生物保存委員会は、野生生物管理地域内で特定の狩猟シーズンに狩猟者が「危惧される爬虫類」を捕獲することを認めている。また即座に去勢したり、肉や革を売ることも認めている。
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