初版の発行に至るまでとは? わかりやすく解説

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初版の発行に至るまで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/02 23:56 UTC 版)

オックスフォード現代英英辞典」の記事における「初版の発行に至るまで」の解説

1923年大正12年)に英国から招聘され大正末期から昭和初期にかけて日本英語教育携わり、大分で英語を教えていたホーンビーは、自身英語教師として授業経験から、語学教える際に確実な原則必要性感じていた。当時東京にあった英語教授研究所所長ハロルド・E・パーマーは、1931年昭和6年)にホーンビー東京招き、同研究所語彙発達英語版に関する研究従事させた。この成果により、1942年昭和17年4月開拓社から Idiomatic and Syntactic Dictionary (いわば慣用語句法文章構成法的な英英辞典)が出版された。出版前年ホーンビー何とかしてこの新刊の未製本予定原稿ブリティッシュ・カウンシルのB・アイファー・エヴァンズ(英語版)に送り戦争中にも屈することなく勇気ある手柄立てた。アイファー・エヴァンズはホーンビー仕事与え1942年ホーンビー英国帰国してカウンシル加わりイラン配属された。 辞書予定稿ハンフリー・S・ミルフォード英語版)(当時オックスフォード大学専属出版者で、実質的にオックスフォード大学出版局業務執行取締役だった人物)のもとに届けられた。その辞書は、非英語話者のために編集され実際に海外で英語を教えたホーンビー確固たる経験基づいていたので、ミルフォード即座に、この辞書には大学出版局書籍目録やっかいな隙間埋められる可能性があることを見抜いた。たとえば、綴り字文法音声学用法については、生まれながらにして英語を話す人向けの辞書よりもはるかに広範囲わたって説明してあった。販売促進のために辞書大学出版局証印押されたことで、より威厳のあるオックスフォード英語辞典 (OED) に脅されるか当惑するかもしれない読者層に対してオックスフォード辞典ブランドを取ることができた。 しかし、第二次世界大戦指令経済体制敷かれ英国すべての出版社では当時経営上の問題生じていた。あらゆる物が供給不足で、ミルフォードはどうにか紙と布を入手しようとしてブリティッシュ・カウンシル助け求めたミルフォード大学出版局海外事業手掛けていたE・C・パーンウェルにその件を付託した1904年以後ずっとそうであったように、相当な援助なしに出版局経営することは、その頃ミルフォードにとってあまりに具合悪いことであったホーンビー日本中国を除く全世界におけるこの辞典対す権利携えてやってきた。当時出版局事務局長であったケネス・シサム(フランス語版)は、この辞典に関して事務局好意的な報告をした。ミルフォードもその当時交戦状態にあった日本との関係を巧妙に利用してブリティッシュ・カウンシル対し助成金交付迫った。 1,500ページ以上を数え、同版の発行部数10,000部に及ぶこの辞典の製作には、約10トンの紙が必要とされた。ミルフォードは「イギリス文化および海外との貿易直接利害関係にあるところ、とりわけポンド圏において」この紙を入手するために特別公表申請したミルフォード初版刷り始めるために十分な紙の在庫保有していたが、これは全て必要不可欠な再刷」用に充てられた用紙で、万一乱丁落丁本があった場合新品取り替えられることを保証するための措置であったミルフォードの姪、エレノア・M・ブッカー当時インド省勤務していたため、彼は姪を通じて紙の供給働きかけた。 最終的に1943年から1948年にかけて初版出来上がり出版されると、たちまち成功収めた今日では、世界中の英語を学ぶ人々の間で最もよく使われる英英辞典一つになった

※この「初版の発行に至るまで」の解説は、「オックスフォード現代英英辞典」の解説の一部です。
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