初版本(1812・15年版)での記述
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 07:59 UTC 版)
「白雪姫」の記事における「初版本(1812・15年版)での記述」の解説
「血のように赤い」は白雪姫のどの身体的特徴と合致するのか表されていない。 黒檀の木のように黒いのは瞳(冒頭ではどの身体的特徴と合致するのか表されていないが、王子が登場する直前に瞳であることが記されている)。 髪の色が明確ではない。 小人たちは(仮死状態の)白雪姫の体を水やワインで洗っていない。 小人たちは白雪姫が入れられたガラスの棺を、自分達の住む小屋の中に安置し、交代で見張っている。 王子は小人たちの住む小屋に泊めてもらうために訪れているが、なぜ泊まろうとしたのかその理由は不明。 ガラスの棺に入れられた白雪姫を王子は棺ごと金で買おうとした。 小人たちに売るのを拒否されると、王子は白雪姫の遺体を譲ってくれるよう懇願しているが、お礼をするとは言っていない。 ガラスの棺の白雪姫を王子は城に運び入れ、四六時中白雪姫を見つめていた。 棺から離れなければならない時は、王子は白雪姫を見られないことに悲しみ、棺が横にないと食事も喉を通らない程だった。 召使たちはいつも白雪姫の入った棺を運ばされるので腹を立てていた。 そのうちの一人が怒りに任せて白雪姫の背中を殴ると、喉につかえていた林檎の芯が飛び出し、白雪姫は生き返った。 最後に真っ赤に焼けた鉄の上履きを履かされ、火傷を負いながら死ぬまで踊らされたのは、実の母親たる王妃。 比較民話研究会の岩瀬ひさみの研究では、白雪姫の類話には小人が登場する物が少なく、グリム童話の初版本及び第七版を除けば後述のウィーンのものとされる話と、アイスランドの2話、スイスの1話(後述)のみである。また、エーレンベルク稿やルートヴィヒ・ベヒシュタイン(ドイツ語版)の白雪姫、そして「もうひとりのグリム」ことアルベルト・ルートヴィヒ・グリム(ドイツ語版)の白雪姫、ヨハン・カール・アウグスト・ムゼーウスのリヒルディスにも小人が登場する。さらには小人の数を7人と限定するとグリム童話のエーレンベルク稿、初版本、第七版、ウィーンの類話、ベヒシュタインの白雪姫、A・L・グリムの白雪姫しか該当するものがない。 一方、類話には主人公を匿う者として盗賊や山賊が登場する物が多い。たとえば、コルシカ島の類話「アンジウリーナ」では、母親に頼まれてその娘のアンジウリーナを殺すために攫う山賊が登場する(話では結局さらうだけで、殺さずに自分達の隠れ家に連れて行って匿っている)。 なお、類話の中でもかなり古いタイプと見られる話では、娘を見たら必ず殺してしまう十二人の悪い盗賊が登場する。また、Johannes Bolte、Georg Polivka 共著『Anmerkungen Zu den Kinder-und Hausmärchen der Brüder Grimm.(グリム童話註解)』には、自分たちの棲む洞穴にやって来る少女を手当たり次第に殺してしまう七人の小人が登場するウィーンの話とされる類話が収載されている。 さらには、スイスでの類話「まま娘」では、変装した継母に毒が仕掛けられたコルセットで締め上げられて殺されかけた継娘が、匿ってくれている小人の「今度、留守番中に誰かを家に入れたら、フライパンで焼いてしまうぞ」という忠告を守れず、再び変装した継母に毒りんごで殺されかけたために、継娘をフライパンで焼くべきか否かを十二人の小人たちが多数決で決めることにするエピソードがある。
※この「初版本(1812・15年版)での記述」の解説は、「白雪姫」の解説の一部です。
「初版本(1812・15年版)での記述」を含む「白雪姫」の記事については、「白雪姫」の概要を参照ください。
- 初版本での記述のページへのリンク