列車におけるダルマストーブとは? わかりやすく解説

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列車におけるダルマストーブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 02:56 UTC 版)

ダルマストーブ」の記事における「列車におけるダルマストーブ」の解説

1880年明治13年)の札幌 - 手宮間の官営幌内鉄道開通時から客車暖房には石炭ストーブ使用されたが、1900年明治33年)頃からは寸胴形が普及してきた。 明治時代中期から日本でも先進諸国倣い蒸気機関車高温蒸気一部客車配管供給する蒸気暖房導入始まった。だが、古い客車にまで暖房配管行き渡らせるのは容易でなく、また客車世代交代進んでからも、北海道地方路線等では客車貨車を1本の列車つないで運行する混合列車」が少なくなく、貨車には暖房配管装備されない一方で、必ずしも機関車直後客車限定して繋げることはできなかった。従って、機関車との連結状況とは無関係に個々客車独立して暖房可能なストーブ暖房が、主にローカル線多用されることになった。 「ダルマストーブ」は大正期北海道内地方線区使用されていた丸形ストーブ1922年大正11年)に灰取り用の引き出し大きくしたうえ、底を平らにして使用したもので、以来これは北海道内線区急速に普及した。これは外形300 mm球形で、下に火格子と灰取り引き出し正面焚き口背面排煙口、上部乗客が物を載せられない(スルメを焼くなどの行為を防ぐ)ように球状のままで下に脚があった。その形状から「たこストーブ」「地球ストーブ」「ほおずきストーブ」とも呼ばれた二軸客車には車内に1個、ボギー客車では客室内前後に2個、その部分座ぶとん(4名分クッション背もたれ背後隣席共用のため残される)を外して設置された(このような客車では、車端部ペンキ書きされる定員は夏と冬の2段書き込みになっており、冬は定員減った)。石炭補給灰落としは「十能」と「デレッキ」(北海道方言火かき棒の意味)を持った車掌が行い、乗客直接、手を触れないようになっていた。 この球形の「ダルマストーブ」は、扱い手間がかかることや車内全体均一に暖房できない弱点もあって、列車客貨分離による客車蒸気暖房普及旅客列車気動車化(エンジン廃熱温風暖房器で暖房できる)等によって実用されなくなり国鉄定期列車では1972年昭和47年3月石北本線最後に、また不定期列車では1974年昭和49年3月深名線臨時混合列車最後に姿を消した最後まで使用されたのは夕張市三菱大夕張鉄道で、1976年昭和51年)の春に姿を消した。同線ではその後廃線まで「フジキ式」と呼ばれる石炭ストーブ客車暖房用いられた。 なお、1984年昭和59年2月まで走っていた釧網本線混合列車連結されていた郵便荷物車には末期までダルマストーブ付いていた。これは、牽引機蒸気発生装置搭載していないタイプDE10形であり、機関車客車の間に貨車連結される場合多かったことによる同列車に組成されていた一般客用旅客車には軽油燃焼式温気暖房装置装備された)。 近年観光資源としての意味合い敢えて復活事例出ている。JR北海道の「流氷ノロッコ号」、「冬の湿原号」や、JR東日本の「風っ子ストーブ列車」(こちらは大柄な形)などのイベント列車ダルマストーブ復活し観光客喜ばれている。車内ではスルメ等の乾物販売され、それらをストーブの上焼いて食べることができる。 JR線以外では津軽鉄道冬場毎年11月中旬から翌年3月まで)にストーブ列車運行されている。もともとは通学時間帯客車列車牽引するディーゼル機関車蒸気発生装置搭載されていないための措置だったが、現在ではほぼ全て観光目的乗車となっており(乗客からストーブ列車料金徴収するため、地元客はもっぱら一般車両乗車)、ストーブの上では酒のつまみ用のスルメや餅・干物焼いて食べることができる。なお、焼肉等、生ものを焼くことは禁止されている。 観光鉄道では嵯峨野観光鉄道2015年3月西日本では初となるストーブ列車試験運行開始し同年12月10日本格運行開始した全車指定席ではあるが、ストーブ周辺の席は自由に座ることができる。

※この「列車におけるダルマストーブ」の解説は、「ダルマストーブ」の解説の一部です。
「列車におけるダルマストーブ」を含む「ダルマストーブ」の記事については、「ダルマストーブ」の概要を参照ください。

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