再生ファンドと少数株主の対立とは? わかりやすく解説

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再生ファンドと少数株主の対立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 04:44 UTC 版)

カネボウ (1887-2008)」の記事における「再生ファンドと少数株主の対立」の解説

2005年5月12日東京証券取引所一連の粉飾決算上場廃止基準該当するとし、カネボウの上廃止決定する産業再生機構および経済産業省中心に東証上場継続求める声もあったが、市場信頼性維持するため上場廃止決定した大阪証券取引所は、遅れて5月24日上場廃止決定した上場廃止日は2005年6月13日上場最終日6月10日である。 上場廃止直前産業再生機構片山執行役員は、受け皿企業に対してTOB実施条件にすると発言し大幅下落していたカネボウ復調兆し見せる。上場最終日における最終取引価格360円だった。再生機構は、増減資などの資本整理事業整理の後、入札実施し花王および国内3ファンドアドバンテッジパートナーズ有限責任事業組合株式会社MKSパートナーズユニゾン・キャピタル株式会社連合支援企業決定カネボウおよびカネボウ化粧品を同ファンド売却するが、売却価格を「守秘義務に当たる」として公表しなかった(後の同機構によるダイエー再生では、丸紅への売却価格公表されている)。 2006年2月16日臨時株主総会にて、中嶋会長を除く経営陣ファンド出身者への交代決定その際一般株主からTOBについて質問されるが、直前までトリニティ・インベストメント代表取締役だったファンド出身小森新社長は、「トリニティ社のTOB価格知らない」と回答する2006年2月21日カネボウ化粧品所有するカネボウが3ファンド出資受け皿会社トリニティ・インベスティメント株式会社譲渡され同社カネボウ筆頭株主となる。同日同社が他株主に対してTOB実施するTOB価格上場廃止時の360円か大きくかけ離れたもので、また多く一般株主にとって想定外162円だった。被TOB側のカネボウは、その5日前株主総会で「知らない」といったにもかかわらず即日「妥当な株価である」と評価するまた、このTOB一般株主郵送され文書では「この公開買付応募しない場合産業再生特別措置法に基づく金銭交換スクイーズアウト)によっての買取となり、162円である保証はない」等と脅迫に近い文言並び、何も情報持たない多く株主TOB応じざるを得ない解釈した人も多かったTOB価格についてファンド側は「DCF法市場株価基準法等を勘案し結果162円であると結論出したTOB公告記した。しかし、買付期間終了2006年3月28日7日前である3月21日に、ファンド市場株価基準法を実際に用いなかったという内容などを含む公告訂正行った市場株価から考えると市場株価基準法を用いていないことは明白だったため、ファンドに対して虚偽記載に当たるとの指摘があったためではないかといわれている。しかし、訂正公告が買付期間終了直前だったことや、一般株主への郵送での公告訂正通知を行わなかったことから、「意図的に隠したではないか」という批判多く出たTOB価格決定については、トリニティ社は第三者機関である国内証券会社みずほ証券に現資産および将来業績予測などの算定依頼した。このみずほ証券カネボウ所有していることが判明し、「第三者とはいえないのではないかとの指摘なされた。またTOB発表数日前には、「(TOB価格は)知らない」といったカネボウ側は、このTOB価格について「独自に第三者依頼した算定結果考慮すると妥当」と取締役会にて即時賛同示しているなど、疑惑をもたれかねない不審動き見せる。 2006年3月18日ファンド側が示したTOB個人株主有志応じず、株主としてカネボウ再上場求めていく方針討議。「カネボウ個人株主権利を守る会」を発足させるその後TOB成立する。しかしファンド側の予想大幅に下回りファンド側は議決権85%程度しか占めることができなかった。 2006年4月に、主要3事業ファンド企業への営業譲渡発表される反対する株主には買取請求が可能であることが通知された。ただし、買取請求受付期間が2週間ほどと短かったこと、公告掲載場所が限定的だったこと(カネボウWEBサイトだけ。法的に問題なし)から、多く株主買い取り請求が可能であることを知らず買取請求期間が終了してしまった。 2006年4月21日、「個人株主権利を守る会」有志が、東京地裁営業譲渡差し止め仮処分申し立て申請4月28日、同申請却下される5月1日東京高裁即時抗告7月28日仮処分申し立て却下される2006年12月4日、「カネボウ個人株主権利を守る会」を中心とする個人株主は、2006年5月営業譲渡にかかわる免責債務承認及び自社株式の担保化について、「カネボウの全株主利益確保するという取締役忠実義務違反しカネボウ損害与えた」として、中嶋会長小森社長経営陣会社法特別背任罪東京地検刑事告発した。東京地検特捜部2006年12月11日、この刑事告発受理した2006年12月13日、「カネボウ個人株主権利を守る会」を中心とする個人株主は、中嶋会長小森社長以下カネボウ取締役5名に対して営業譲渡債権の未回収425億円あまりを連帯してカネボウ返済することを求め株主代表訴訟東京地裁起こした2006年12月27日カネボウ発表した2007年度3月期中間決算において、先の主要3事業営業譲渡に伴う営業譲渡代金債権について、貸倒引当金計上していることが明らかになった。これは、監査法人である監査法人トーマツ指摘よるものとされており、カネボウ自身さしたる根拠もなく、文書中で「本営譲渡代金問題なく回収できる考えている」と述べている。しかし、通常貸倒引当金計上対象債権回収不能貸倒れ)になるリスク軽減目的に、その損失見越して行われる会計処理であり、監査法人は、本債権回収不能になることをカネボウ側が視野入れている可能性指摘をしたと推測される。このことにより、カネボウと3ファンド間での営業譲渡について、既に告発されている営業譲渡債権に絡むカネボウ取締役らの不法性が指摘される根拠となる可能性があり、今後司法動向注目される2007年9月28日、旧カネボウの主要三事業の営業譲渡反対する株主株式買取価格請求事件において、鑑定人より鑑定結果提出される価格は、トリニティ・3ファンド側がTOB買取請求提示した価格である162円を大幅に上回る323円とされた(後に、明らかなミス訂正により360円に改められた)。同鑑定では、価格決定原告側主張するDCF法採用したとされている。一方トリニティ・3ファンド側も、TOB価格決定するにおいてDCF法採用したとしているが、両者価格には大きな隔たりがあり、TOB価格の決定において、DCF法パラメータ株価低くなるように意図的な操作加えた可能性があり、TOB適法性疑念が深まることになった2008年3月14日先の東京地裁での「株式買取価格決定申請事件」ついて、裁判長は「1360円」の鑑定結果追認する決定をした、しかし旧カネボウ側・株主ともにこの決定不服として東京高裁即時抗告行ったが、2010年5月26日東京高裁双方抗告却下株主側による最高裁への特別抗告却下されて、買取価格360円と確定した

※この「再生ファンドと少数株主の対立」の解説は、「カネボウ (1887-2008)」の解説の一部です。
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