円熟期―実力と人気を兼ね備えた俳優として
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「チョン・ジェヨン」の記事における「円熟期―実力と人気を兼ね備えた俳優として」の解説
映画『黒く濁る村』(2010年)によって、チョン・ジェヨンは韓国映画の主演俳優として押しも押されもせぬ地位を築いている。この映画で彼はかつて刑事であったものの、信仰深い祈祷師のもとで理想の村興しを手伝い村長となり、その村の権力を一手に握った人物を演じている。また、刑事時代から70代までの30年以上の歳月を演じ、最終的には祈祷師の死後に葬儀のために村にやって来た彼の息子によって善人の仮面を剥がされ、どす黒い闇の部分を顕わにしていく過程を鬼気迫る勢いで表現している。インタビューによれば、カン・ウソク監督は原作を読んだときから、主演はチョン・ジェヨンをおいて他にないと直感したという。そして、チョン・ジェヨンが完全に老人になっていなければ意味がないと考えて、高級車1台分の金額を費やしたかつらを準備し特殊メイクを施したという。善と悪の交錯する複雑な人物の長年の軌跡を追ったチョン・ジェヨンの演技は絶賛を浴び、その年の韓国国内の映画祭の主演男優賞を総なめにしている。愛情深い妻に支えられて俳優生活を続けてきた彼は、第31回 青龍映画賞の授賞式で妻に対する謝辞を述べている。妻の名前の読み方は北朝鮮の最高指導者金正恩と同じであるようで、「北朝鮮のキム・ジョンウンではなく、私の妻キム・ジョンウンに受賞の栄光を捧げる」とユーモアたっぷりに語っている。 映画『殺人の告白』(2012年)に関連するインタビュー(2012年11月)によれば、実力と人気を兼ね備えた俳優として、沢山の仕事のオファーを受けるチョン・ジェヨンの、出演作品の選択基準は、監督のキャリアや依頼された役柄の性格や個性よりも、面白いストーリーかどうかであるという。その作品が売れるかどうかについては気にしていない。映画のジャンルにもこだわりはなく、これまでもスリラー、アクション、コメディ等の様々な分野の映画に出演している。彼にとって重要なのは演じることであり、「演技をしなければ何をしながら生きていくのか。上手にやれなくてもやらなくては!」と考えている。さらに、彼は俳優を理論的に何かを確立する必要がない職業と捉えており、固定観念を捨てて速く吸収し敏感に変化することを重視している。その意味ではアクションも身体ではなく、感情でするものと捉えており、日頃は特に運動はしていない。アクション自体は撮影時に教えてもらい練習しながら行うが、アクションにおいても大事なことは感情の吐露であると考えている。 映画『今は正しくあの時は間違い』(2015年)によって、チョン・ジェヨンの評価は国際的なものとなっている。第68回ロカルノ国際映画祭では彼自身が主演男優賞を受賞するとともに、国際コンペティション部門のグランプリである『金豹賞』を獲得している。この映画祭で韓国俳優が主演男優賞を獲得するのは初めてであるという。第9回アジア太平洋映画賞(Asia Pacific Screen Awards)でも主演男優賞を獲得している。 チョン・ジェヨンが私生活を語ることはあまりないが、家庭生活は円満である。仕事を休むときには考え事も休み、暇なときには何もせず、家でテレビや映画を見ることを楽しむという。また、2014年4月の時点で11歳と15歳のふたりの息子がいることを公表している。公表された年齢はおそらく韓国流に数え年で示されていると思われる。
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