円熟した作品とその評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 07:50 UTC 版)
「ガロファロ」の記事における「円熟した作品とその評価」の解説
ガロファロはとてもくだけた精細装飾を組み合わせて、聖なる作品を作った。作品のいくつかはラファエロと相似(時にはかなり)しているものの、方法論でははっきりと区別するに足る、鮮やかな色を使った、古風な様式だった。しかし、ガロファロの作品が感覚・方法とも小綺麗な狭さから脱することは滅多になかった。 ガロファロのけっして成功とは言えない作品でも、その冷たく陶器のように堅い質感の中には、ヴェネツィア派の彩色の痕跡を残す調和が保持されている。若い頃の作品でいうと、パラッツォ・シアッラにある『猪狩り』がその良い例である。後の作品では、ローマのパラッツォ・コロンナ(en:Palazzo Colonna)にある『騎士の行進』など、オランダの画家・カイプ(父:ヤーコプ・カイプ、子:アルベルト・カイプ)をイタリア風にした風情がある。カイプに較べて、よりロマンチックで洗練されている。 ガロファロの初期の作品には、先述した『猪狩り』の他に、ヴェネツィア美術アカデミーに、傑作の一つ『群衆の中の4人の聖者と聖母』(1518年)がある。ミラノのブレラ美術館にある『ピエタ』(1527年)はますます様式化されていく処理の仕方を見ることができる。モデナ・ギャラリーの『聖母』(1532年)はうっとりするような作品である。他にも、フェラーラの図書館に『信仰の勝利』がある。 また、ガロファロは、ジョルジョ・ヴァザーリの『画家・彫刻家・建築家列伝』に紹介された画家の一人である。
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