八犬士
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八犬士 | |
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ジャンル | 漫画 |
漫画:八犬士 | |
作者 | 滝沢馬琴、岡村賢二 |
出版社 | 日本文芸社 |
掲載誌 | 別冊漫画ゴラク |
発表期間 | 2005年2月 - 2006年2月 |
巻数 | 全2巻 |
話数 | 全26話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『八犬士』(はっけんし)とは、岡村賢二による日本の漫画作品である。『別冊漫画ゴラク』(日本文芸社)で2005年2月から2006年2月にかけて連載された。
江戸時代に書かれた滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』を基にしたフィクション作品である。全26話。単行本は全2巻。コンビニコミック本では上下2巻刊行された。
概要
八犬士のひとり犬塚信乃を主人公とした作品で、物語の流れはおおむね馬琴の『八犬伝』(以下、原作。南総里見八犬伝#物語の内容参照)に沿っているといえる。ただし、本作で描かれたのは、大塚から芳流閣を経て行徳古那屋に至る信乃ら犬士の物語と、ヽ大の口から語られる里見家と珠の因縁(原作の発端部)である。このため八犬士すべてが物語に登場することなく連載が終わってしまった。
結城合戦で犬塚番作が宝刀村雨丸を預かる場面をプロローグとし、その34年後、1475年(文明7年)から犬塚信乃を追う形で物語が進む。本編の開始時点で、信乃は大塚村で父ととも暮らし、幼馴染の荘助・浜路と平和に過ごしているが、やがて信乃は村雨丸をめぐる苛烈な運命に翻弄されていく。
芳流閣直前までを収録した単行本2巻(2005年9月掲載分まで、16話)の発行後、連載が終了した。2012年に発行されたコンビニコミック(Gコミックス)版『八犬士スペシャル』では単行本未収録部分も収録されている。
主な登場人物
- 犬塚信乃(いぬづか しの)
- 主人公。二刀流の使い手。番作の息子で、宝刀・村雨丸に運命を翻弄される[1]。
- 足利成氏(あしかが しげうじ)
- 古河公方。
- 犬塚番作(いぬづか ばんさく)
- 信乃の父。父と共に結城合戦で戦い、宝刀の村雨丸を預かる[1]。
- 蟇六(ひきろく)
- 武蔵豊島郡大塚村の村長。本来なら番作の領地だったが、村長の座を掠め取る[2]。
- 亀篠(かめささ)
- 蟇六の女房。番作の姉。夫と組んで悪事を企む[2]。
- 浜路(はまじ)
- 蟇六の養女。信乃と荘助の幼馴染で、信乃を一途に想っている[1]。
- 犬川荘助(いぬかわそうすけ)
- 信乃と浜路の幼馴染。槍の使い手で蟇六の下男[1]。
- 八房(やつふさ)
- 伏姫の愛犬。白い毛並みに八つの牡丹の斑点がある[2]。
- 里見義実(さとみ よしざね)
- 安房滝田城主。名君で伏姫の父[2]。
- 伏姫(ふせひめ)
- 里見義実の娘[2]。
- 玉梓(たまずさ)
- 稀代の妖婦。安房半国の領主・神余光弘を殺害し、所領を奪う[2]。
単行本
- 『八犬士』 全2巻(日本文芸社 ニチブン・コミックス、2005年)
- 『八犬伝スペシャル』全2巻(日本文芸社 Gコミックス、2012年)
脚注
八犬士
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犬塚 信乃(いぬづか しの)(声:根谷美智子) 「孝」の犬士である本作の主人公。16歳・女。犬塚番作と聖女・伏姫の子。「息子が欲しかった」という父の願いと、「かわゆい男の子が大好き」という母の欲望のため、男として育てられる。美少女だが、伏姫の神がかり的な力の影響で、周りからは男としか思われない。妖術で犬にされた父親から破邪の剣「村雨」を授かり、妖怪退治の旅に出ることとなる。剣の腕は中々だが、料理の腕は壊滅的。 船虫の策略で妖怪化したときは「鬼」となり、火を噴き続けた。 犬川 荘助(いぬかわ そうすけ)(声:草尾毅) 最初に信乃の仲間となった「義」の犬士。名槍「雪篠の槍」の使い手(体内に大量に収納してある。骨董屋曰く「一文の価値もない」)。玉梓の子だったが、伏姫の術により人間に。その後犬川家のおばあさんに預けられる。長い間妖怪退治の旅を続けていたため、おばあさんには死んだと思われていた。アタマは非常に悪く、がさつでお調子者だが、犬士としての使命感が異常に強く仲間思いのところもある。女装が得意(だと本人は思い込んでいる)。軟体動物のような異常にやわらかい体を持ち、刃物や矢で刺されたりしても平気。その上なんでも飲み込めるため、体内に様々な荷物を収納しており、犬士たちの荷物袋がわりにもなっている。必殺技「天地空破斬」はかなりの威力を持ち、連発も可能。 船虫の策略で妖怪化したときは羽が生えてひたすら背景を飛び回ってた。 犬山 道節(いぬやま どうせつ)(声:堀内賢雄) 自称忍者だが、どう見てもサイボーグである「忠」の犬士。マスクを絶対に取ろうとしないなど謎が多い。他の犬士達と一緒に行動はせず、主に土の中から神出鬼没に現れる。妹の浜路が好きなシスコン。信乃と浜路の仲は認めていない。肩の大砲「火遁一号」は一撃必殺の威力を誇る。 犬飼 現八(いぬかい げんぱち)(声:山口勝平) ナルシシストで、夕日を背に登場することにこだわっている、「信」の犬士。夕日が出ているところならどんな離れた場所にでも現れることができる。敵である船虫に一目惚れし、普段は船虫へのストーキングなどをしているらしい。信乃ら犬士達に出会うまでは岡っ引をしていた。 犬田 小文吾(いぬた こぶんご)(声:置鮎龍太郎) 力持ちで極端に純粋な性格を持つ「悌」の犬士。毛野に惚れるが、男だとわかった後でも想いを引きずっており、毛野にいいようにおもちゃにされている。 船虫の策略で妖怪化したときは「鬼」となり、怪力で誰これ構わず抱きついて再起不能にした。 犬坂 毛野(いぬざか けの)(声:高山みなみ) 「智」の犬士。芸人の一座で育ち、女形としての修行を受けており絶世の美女に見えるが、れっきとした男。色仕掛けが得意だが戦闘能力も意外とある。舞で魔の力を払うこともできる。特にキレると犬士最強という説も。信乃を女だと気付いている唯一の人物。これは彼が魔の力を払う力をもっているためだと思われる。普段は優しいが顔に傷をつけると怒りが頂点に達し、その状況になったときはあまりの悲惨さにコマが伏せられた。 船虫の策略で妖怪化したときは「ゴーゴン」となり、目を見たものすべてを石像にした。 犬村 大角(いぬむら だいかく)(声:石田彰) 「礼」の犬士。強力な術が使えるが、病魔に冒されており術を使うと必ず吐血して倒れる。既婚。 里見義道の城の護衛に当たったときは彼のクローンを大量に生産することにより、前述の「病魔により1回しか術を使えない」という弱点をカバーした。 船虫の策略で妖怪化したときは、病魔に侵された身体が妖怪化に耐えられず頭から血を噴出して倒れた (唯一妖怪化しなかった)。 犬江 親兵衛(いぬえ しんべえ)(声:大谷育江) 「仁」の犬士。初登場時はまだ赤ん坊で、重度のショタコンでもある伏姫に預けられ、後に犬士達の戦列に加わる予定。小文吾の妹の息子で、小文吾とは伯父と甥の関係になる。 信乃が見た夢では、十四、五歳ぐらいの少年として登場し、船虫のスカートめくりをするスケベなキャラとなっていた。そのときの武器は「弓矢」であった。
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