結城合戦とは? わかりやすく解説

結城合戦

読み方:ユウキガッセン(yuukigassen)

室町時代下総国の反幕府勢力反乱事件


結城合戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/04 08:27 UTC 版)

結城合戦

春王・安王の墓と辞世の句碑(岐阜県不破郡垂井町)
戦争:結城合戦
年月日永享12年(1440年) - 嘉吉元年(1441年
場所結城城
結果:幕府軍の勝利
交戦勢力
室町幕府 結城氏
指導者・指揮官
上杉清方
今川範忠
小笠原政康
結城氏朝 
結城持朝 
戦力
- -

結城合戦(ゆうきかっせん)は、永享12年(1440年)に関東地方で起こった室町幕府結城氏ら関東の諸豪族との間の戦いである。

概要

永享7年(1435年)からの鎌倉公方足利持氏と補佐役の関東管領上杉憲実の対立から永享10年(1438年)に永享の乱が発生、持氏は敗れて自殺、鎌倉府は滅亡した。乱後に6代将軍足利義教が実子を鎌倉公方として下向させようとすると、永享12年(1440年)3月に持氏の残党や下総結城氏朝持朝父子などが永享の乱で自殺した持氏の遺児を擁立し、室町幕府に対して反乱を起こす。

幕府方は総大将・上杉清方今川範忠小笠原政康などの諸将や関東の国人などを討伐のために派遣して、永享12年7月29日、氏朝らの立てこもった結城城を包囲した。

嘉吉元年(1441年4月16日、結城氏朝・持朝は敗北し討死し、城は落城した。持氏の遺児のうち、春王丸安王丸は義教の命を受けた長尾実景によって美濃で殺され、永寿王丸(後の足利成氏)は京都に送られた。

ただし、近年の研究では、成氏の幼名は万寿王丸が正しいこと、更に万寿王丸は信濃国大井持光の庇護下のまま少年期を過ごしており、京都に護送されたのは遅れて上杉軍に捕らえられた弟の乙若(後に出家して定尊)であったと考えられている[1]

その後

戦火は鎌倉公方の支配下にあった奥州にも飛び火し、持氏の叔父でありながら永享の乱で幕府側に寝返った篠川公方・足利満直が結城氏を支持する諸将に討たれ、翌年には京都において結城合戦の祝勝会の名目で招かれた将軍・義教が家臣の赤松満祐暗殺された(嘉吉の乱)。義教は次男である義永を次の鎌倉公方に任命するべく工作していたが、自身の死によって挫折することになった[2]

文安3年(1446年)に関東諸将の要請で持氏の遺児・成氏の鎌倉帰還が実現、鎌倉府が復活したが、成氏は後に上杉氏と対立、享徳の乱を起こした。

結城合戦は永享の乱の延長線上の出来事であるが、合戦の規模は永享の乱よりも大きい。結城合戦を描いた『結城合戦絵詞』も存在する。なお、読本南総里見八犬伝』は父親と一緒に結城側で戦った里見義実が、死を決意した父親と別れて落ち延びるところから始まる。

脚注

  1. ^ 長塚孝 著「総論 足利成氏論」、長塚孝 編『足利成氏』戒光祥出版〈シリーズ・中世関東武士の研究 第三三巻〉、2022年、9-10頁。ISBN 978-4-86403-421-0 
  2. ^ 清水克行「まぼろしの鎌倉公方-足利義永-について」『駿台史学』157号、2016年。 

関連作品

軍記物
小説
  • 南原幹雄『天下の旗に叛いて』 (結城氏朝・持朝)
漫画
ボードゲーム
  • 瀬戸利春『武士ライフ2号:結城合戦』

関連項目

外部リンク


結城合戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 23:36 UTC 版)

南総里見八犬伝」の記事における「結城合戦」の解説

八犬伝冒頭配されている合戦永享10年1438年)の永享の乱滅ぼされ鎌倉公方足利持氏遺児・春王丸安王丸を奉じ関東諸将が、永享12年1440年結城氏朝居城結城城拠って室町幕府叛旗翻した。翌嘉吉元年1441年4月16日結城方は敗れ捕らえられた春王丸安王丸も京都連行され途中5月16日将軍足利義教の命により美濃国垂井宿金蓮寺殺害されたというのが史実である。

※この「結城合戦」の解説は、「南総里見八犬伝」の解説の一部です。
「結城合戦」を含む「南総里見八犬伝」の記事については、「南総里見八犬伝」の概要を参照ください。

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