伊豆討入りとは? わかりやすく解説

伊豆討入り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 00:39 UTC 版)

北条早雲」の記事における「伊豆討入り」の解説

堀越公方足利政知の子茶々丸11代将軍足利義澄の異母兄)を殺害しようとしたが堀越御所から命からがら逃げ切る。がその後宗瑞に自害追いやられる。宗瑞率い伊勢氏伊豆奪った事件は、旧勢力滅び新興勢力勃興する下克上嚆矢とされ、荒廃した京都捨てて関東沃野に志を立てたとされてきたが、中央の政治連動した動き取っていることが近年の研究分かってきた。 享徳の乱鎌倉公方足利成氏幕府に叛き、将軍の命を受けた今川氏鎌倉攻めて占領。成氏は古河城逃れて古河公方呼ばれる反対勢力となり、幕府方関東管領山内上杉家激しく戦った享徳の乱)。将軍義政は成氏に代わる鎌倉公方として異母兄の政知を送るが、成氏方の力が強く鎌倉に入ることもできず伊豆北条本拠に留まって堀越公方呼ばれるようになった文明14年1483年)に成氏と上杉氏との和睦成立、政知の存在宙に浮いてしまい、伊豆一国のみを支配する存在となった。 政知には長男茶々丸以外に、正室円満院との間に清晃(のちの足利義澄)と潤童子もうけていた。清晃は出家して京にいたが、政知は勢力挽回のために日野富子管領細川政元連携してこの清晃を将軍擁立しようと図っていたとの噂があったと長享元年興福寺別当尋尊日記残っている。なお、この計画氏親と宗瑞が関与してたとする説もある。 延徳3年1491年)に政知が没すると、茶々丸円満院と潤童子殺害して堀越公方継いだ延徳3年1491年5月までは「伊勢新九郎」の文書残っているが、明応4年1495年)の史料では「早雲庵宗瑞」と法名になっており、この間出家したと見られる。この時代武士の出家には政治的な味があることが多く、清晃の母の円満院横死理由とする見方または伊豆乱入に伴う幕府奉公衆からの退任意味するとする見方などがある。 明応2年1493年4月管領細川政元明応の政変起こして10代将軍義材(後に義稙改名)を追放。清晃を室町殿実質上の将軍)に擁立した。清晃は還俗して義遐を名乗る(後に義澄と改名)。権力の座就いた義遐は母と弟の敵討ち幕府官僚経歴持ち茶々丸近隣に城を持つ宗瑞へ命じたとされる。これを受けて同年夏か秋頃伊豆堀越御所茶々丸攻撃し伊豆豪族である鈴木繁宗松下三郎右衛門尉らがいち早く参じた。この事件を伊豆討入りといい、この時期東国戦国期始まった考えられている。 後世軍記物では、この伊豆討入りに際して、自ら修善寺湯治称して密偵となって入り伊豆世情調べたとしている。また、討入りは、伊豆国の兵の多く山内上杉家動員され上野国合戦出て手薄になったのを好機とした。自らの手200人と氏親頼んで借りた300人の合わせて500人が、10艘の船に乗って清水浦を出港駿河湾渡って西伊豆海岸上陸すると、住民海賊襲来恐れて家財道具持って山へ逃げた。宗瑞の兵は一挙に堀越御所急襲して火を放ち茶々丸山中逃げ自害追い込まれた」と書かれているこの他伊豆国韮山城(現伊豆の国市)を新たな居城として伊豆国統治始めた高札立てて味方参じれば本領安堵する約束し一方で参じなければ作物荒らして住居破壊する布告したまた、兵の乱暴狼藉厳重に禁止し病人看護するなど善政施し茶々丸悪政苦しんでいた伊豆小領主領民はたちまち従った。そして、それまで煩瑣で重い税制廃して四公六民租税定め領民歓喜し伊豆一国30日平定された」と言われる軍記物語などでは自害したと言われる茶々丸史書においては堀越御所から逃亡しており、武田氏関戸氏、狩野氏土肥氏らに擁せられて、数年にわたり伊勢氏抵抗した。宗瑞は伊豆の国人を味方につけながら茶々丸方を徐々に追い込み明応7年1498年8月南伊にあった根城下田市)を落として5年かかってようやく伊豆平定した。なお、同年8月25日明応の大地震津波伊豆駿河両国大被害受けており、震災で深根城一帯甚大な被害受けて抵抗不可能になった茶々丸動員可能な少数の手勢で討ち取ったとみられており、この際茶々丸擁していた城主関戸吉信らを皆殺しにして力を示したとされる(ただし、茶々丸死去地を甲斐国とし、深根城皆殺し別の出来事とする見方もある)。 伊豆平定する一方で、宗瑞は今川氏武将として明応3年1494年)頃から今川氏の兵を指揮して遠江侵攻中遠まで制圧している。宗瑞は氏親連携して領国拡大していく。

※この「伊豆討入り」の解説は、「北条早雲」の解説の一部です。
「伊豆討入り」を含む「北条早雲」の記事については、「北条早雲」の概要を参照ください。

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