付加機能・特殊仕様について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 14:03 UTC 版)
「ヘルメット」の記事における「付加機能・特殊仕様について」の解説
側溝 …帽体の下辺を取り巻くように返しを設け、雨水が首筋に入ることを防止している。欧米型では一部製品を除き、基本機能と言ってよいが、側溝に溜まった水は前方に流れ出るため、身体前面にある書類・製品・機材等を濡らすリスクをはらむ。特に、屋外に設置された機器を取り扱う場合は水分が機器内部へ流入する恐れがあるため、側溝付きの保護帽は使用すべきでない。 通気孔 …1991年に出された「保護帽検定に於ける通気孔の指針」では孔の位置・数・面積に制限があり、主に側面に設けざるを得なかったが、帽体を二重構造にして多量の通気を可能とした製品も1990年代末期に登場。暫くは知る人ぞ知る製品であったが、2000年代中ごろにはデザインを見直し、大ヒットした製品も生まれた。ただし、検定方の都合上、通気孔付の製品は電気用に使用することができない。現在では、殆どのメーカーが二重構造タイプもラインナップに掲げている。 透明のひさし …ひさし(鍔)の部分を透明にし、視界の確保と安全性の両立を狙っている。同時にスタイリッシュな印象も与えるためか、業界問わず2000年代末期より採用事例が漸増している。 シールド面 …ヘッドバンドと帽体の間に、保護眼鏡の代替となるポリカーボネート製の面体が収納されており、手で引き出して使用する。シールド面を内蔵した製品は炭鉱向けに細々造られる時代が長らく続いたが、平成に入るとその他の作業現場にも僅かずつ普及をはじめていった。もっとも消防士の使用する「防火帽」では一般的な制式機能である。製品質量は通常のタイプよりも増すものの、保護眼鏡と比較すると利便性(着脱時間の短縮・携帯性)が向上するほか、保護眼鏡自体の携帯忘れ・不使用・破損も防止できる効果がある。ただし、気体やミストの流入までは防止できないため、ゴーグルの代替とはならない。現在では使用をすすめるゼネコンや現場も現れており、2000年代後半より採用事例が漸増している。また、面体を着色して眩しさの低減を図った製品や、大型の帽体を使用し、首筋まで覆えるサイズの面を収納した製品も存在する。 減容 …複数のパーツに分割された帽体を組み立てて使用する製品であり、非使用時の収納スペースを節減できることが特徴となっている。長らく研究開発が続けられてきたが、2000年代後半に防災備蓄用として発売され、その携帯性から現在では出張工事にも用いられている。内装は通常の保護帽より簡易的な傾向にあり、フィット感も劣る場合が多いが、検定については、飛来・落下物用だけでも取得して堅牢性をアピールしていた初期を経て、多くの作業に対応可能な墜落時保護用も取得する時代へと変移している。使用時は本来の形状になるまで押し込む、収納時はレバーでラチェットを解除する操作が多く用いられている。 カードホルダー …帽体側面にキャッシュカードサイズのものが入るスペースを設けた製品があり、本人確認等に使用されている。 遮熱塗装 …2000年代後半に登場。条件によっては摂氏10度以上の温度低減効果があり、また帽体色自体も淡いほど温度上昇は低く抑えられる。 送風機能 …帽体に後付けする送風ファンが市販されているが、これを内蔵している製品も存在する。 軟質材料 …帽体を構成する部品の一部に軟質の材料を使用し、衝撃吸収効果の向上を狙った製品が存在する。 専用カバー …仕上がった壁面への傷を防止するため、保護帽に被せて使うカバーが市販されているが、内装工事用に特化した製品では帽体にあった専用品が付属している場合もある。 交換部品によるカラー変更 …ひさし部分や、通気孔カバーを交換しての帽体カラー変更を行える製品が存在する。 発光体内蔵 …LEDを帽体後部に埋め込み、視認性向上を図った製品が存在する。 スケルトン …帽体全体を透明な樹脂で成型した製品が数型式存在する。 特殊サイズ …大型(概ね頭周56〜65cm)サイズの製品は、幾つかのメーカーの主力型式グループ内に用意されている。小型(概ね頭周47〜56cm)サイズは、2000年代後半に子ども向けの防災用品として数社から相次ぎ発売されたが、現在では工場見学用や、小柄な女性向けにも使用されている。 女性向け …前項のような、通常品よりも小型の帽体を使用したうえ後頭部に切り欠きを設け、束ねた髪を帽体外へ出し易くした製品が存在する。各種スポーツ用においては以前よりこのような工夫がなされた製品が存在するが、保護帽としては2016年が初登場である。 軽量帽体 …材質や加工法を工夫して一層の軽量化を図ったFRP帽体や、カーボンクロスを用いた製品も登場しており、300gを切る質量を実現している。 軽量ライナー …発泡スチロールの代わりに、同等の衝撃吸収性を持つ中空の角柱をハンモックと一体成型した製品や、帽体内部にメッシュ地を張り巡らせて満遍なく衝撃吸収することを狙った製品も存在する。
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