他の格闘家との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 14:02 UTC 版)
マンソン・ギブソン ギブソンとのタイトルマッチの翌日、日本での2連戦目を控えていたギブソンがシーザージムに来たため、ギブソンとジムの応接室で話を行った。話の最中にバックブローやバックキックの仕方をギブソンから何気なく聞くと、意外にもマンソンは手取り足取り教えてくれた。体を小さく畳んで腕を完全に曲げておいて体を小さな円に収め、その状態で回転を始めてから肘を相手の横に出し、そこから一気に体を広げ、曲げた状態の腕を伸ばすようにする、と平は教わった。マンソンのそれはゴムのような衝撃を与えるものであり、当たってからさらにもう1回殴られるような衝撃があった。「体が臭い方が組んだときに嫌がって投げをやりづらいだろう」という考えからギブソンは試合前ずっと風呂に入らなかったことも明かしている。 総合格闘家時代の平は相変わらずシュートボクシングのチャンピオンを務めていたギブソンと再会しており、そのとき友人の結婚式でバーベキューをして楽しんでビールで随分と酔っぱらった。ギブソンは別れ際に真面目な顔で「みんな、俺のことをキックボクシングやってると思ってるんだろうけど、それは違うんだよ。俺がやってるのは、カンフーなんだ」と話した。 前田日明 スーパータイガージムでインストラクターになるべくスパーリングを繰り返していたある日、前田から技術を教わった。当時は寝技でガードポジションといった概念はなく、スパーリングは亀の状態から始まった。それを崩して、四つん這いだった相手を仰向けに挿せて、上から関節技を狙う。これが教わった内容である。前田から教わった動きを上手く行うため、平はヒンズースクワットやプッシュアップなど自重を使ったトレーニングを行い、バランスとスタミナを付けた。トランプを使い、4種類の運動と組み合わせて、引いたトランプの順番に出た数と種類に対応したトレーニングも行い、様々な個所の筋肉を一遍に鍛えた。ある時前田がアマチュアレスリングの強豪選手に謙虚な姿勢で技を教わっていた様子を平は見ており、そのため平も物怖じせず前田に質問をすることなどができた。 格闘技オリンピックで綺麗に勝った際、前田は「お前なあ、あんなに綺麗な勝ち方しやがって。あれじゃ、リングスの立場無いぞ」とゴンタ顔で凄んだが、平はそのゴンタ顔を「お前、よく頑張ったな」と解釈した。2000年にプロレス転向を志し、平はリングスの有明大会の時に前田に「プロレスをやります」と報告したが、前田は怪訝そうに「平、俺な、今、情けないぞ」と言った。それから少しして前田から「毎回世界のトップを近くで見ておけ」とリングスでレフェリーをやるように勧められ、これが平のレフェリー生活の始まりであった。やがてプロレスデビューが決まった平は、前田に対して前田のキャプチュードを流用したワザを前田の公認で「新キャプチュード」と名付けて使えるようにしてほしいと頼み、さらに、ダブルアームからブリッジして固める技を流用した技を「新キャプチュード」と名付けて使えるようにして欲しいとも頼んだ。前田は軽く了承したが、この怖いもの知らずの振る舞いにスタッフは完全に凍りつき、スタッフの1人であった和田良覚などはとなりで逃げるタイミングを失って気を失いかけていた。平は後日、リングスのスタッフからこの日の緊迫感を教えてもらった。 佐山聡 スーパータイガージムのインストラクターになった平に対しては佐山は「レスリングは頭で考える。自分の体に適したレスリングをすること」「レスリングで大切なのはバランスとタイミングと、てこ」「力と身体の柔らかさを鍛える」「関節技は短く攻める」「最大の武器はコンディション」と言ったことを教えていた。 ヤン・ロムルダー ロムルダーとの試合後、平はスイスに行ったときにロムルダーから電話を貰い、拙い英語で訛りのある英語を使うロムルダーと電話している。ロムルダーからは格闘技論を教わっている。 カーリー・グレイシー カーリーは武者修行にやってきた当時の平とスパーリングして、バランスとスピードに優れるが技術は全然ない、と嫌みのない笑顔で評していた。カーリーは相手の下になった時に焦らず防御すること、上になったからといってできることはパンチとチョーク、腕を狙うこと程度であること、ガードポジションで膝を締めれば相手との距離を稼いでパンチを防げるうえに相手にはパンチが届かないことを悟らせないで済むことなどを平に教えた。自分の頭を相手の頭の下からくっつけることで相手の頭突きを防ぐこと、その状態で相手の片手を持って自分の頭を相手の空いている手の反対側の置くこと、そうして相手が強いパンチを打とうと頭に重心をかけたところでスイープを放って返すこともカーリーから教わった技術である。 息を切らさないようなペースでの有酸素運動、グレイシー・ダイエットなども教わっている。食生活では自分の住んでいるところのもの、住んでいる季節ものを食べ、日本食を中心にすることを指導された。大根は怪我の治りを早くする、よく噛んで食べることが重要である、体に悪いものを食べたら水をたくさん飲んで悪いものを排出する、とったことも教わっている。路上での戦闘ではマウントポジションはご法度で、靴の硬いところで相手を蹴飛ばすべきだ、複数人との喧嘩では弱い者から狙って、倒した者を盾にしたり壁を後ろにすることが重要だ、それでも喧嘩は怪我の恐れがあるからやらないに越したことはない、ともカーリーは平に教えている。 アンディ・フグ フグからは、ケガは練習で治すこと、できないことにチャレンジすることなどを教わった 一方で、フグからは焦らずがむしゃらにならないようにとアドバイスされた。フグと親しく、フグのセコンドも務めていた平であったが、フグと最後に会ったのは病院であり、フグは危篤で話もできない状態であった。平がフグにありがとうもさよならも言えないままフグはこの世を去ったが、平は試合をすることで何かが変化するのではないかと思っていた。そうして行った試合が港太郎との試合であった。その試合に向けての練習していくうちに心配事が浮かぶ平であったが、平はそんな中である夢を見た。夢の中では、広い草原のようなところに大きな木の下でゆったりとした椅子に座ったフグがおり、布団の中でフグに試合を迎えて緊張しているからと助けを求めていた平に対して「平、ここは休む場所なんだ」と笑顔で言った。平は夢の中で「みんな、アンディはこっちに来てもすぐ頑張って練習してる」と言い返したが「そんなふうに言ってるけど。ここは、ゆっくりと休むところなんだ。今はゆっくりとしてるところなんだよ。だから、自分で頑張ってやるんだ。大丈夫、できるから。試合は見に行くから」とフグはさらに平らを諭した。
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