予報の歴史とは? わかりやすく解説

予報の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 13:59 UTC 版)

日食」の記事における「予報の歴史」の解説

日食月食予報は、まだ地動説はおろか地球が丸い事さえ知られていなかった時代に既に行われていた。長期にわたる記録整理して、食の発生周期性があるのを発見したためである。 古代において、日食重大な関心持たれていた。中国では、紀元前2000年頃の夏の時代に、羲氏と和氏という2名の司天官が酒に酔って日食の予報怠ったため処刑された、という有名な話が『書経』記されており、事実であれば当時既に日食の予報が行われていた事になって世界最古日食予報になるが、多く学者研究にも関わらず該当する日食がなく、この記事そのもの信ぴょう性疑われている。 中国において1994年存在確認された「上博楚簡」と呼ばれる竹簡中に『競建内之』と称される物があり、斉の桓公皆既日食恐れて鮑叔諫言聞いたという故事載せられている。『史記においては専横敷いていた前漢最高権力者呂后日食目の当たりにし「悪行行ったせいだ」と恐れ『晋書』天文志では太陽君主象徴として日食時に国家行事が行われれば君主尊厳が傷つけられて、やがては臣下によって国が滅ぼされる前兆となると解説しており予め日食予測してこれに備え必要性説かれている。中国日食予報戦国時代ら行われていたが、三国時代編纂された景初暦において高度な予報が可能となったこのため日本の朝廷でも持統天皇時代以後暦博士日食予定日計算し天文博士がこれを観測して密奏を行う規則成立した養老律令儀制令延喜式陰陽寮式には暦博士毎年1月1日陰陽寮今年日食予想日を報告し陰陽寮予想日の8日前までに中務省報告して当日国家行事や一政務中止したとされている。六国史には多く日食記事掲載されているが、実際には起こらなかった日食も多い。ただしこれは日食国政重大な影響与えるとする当時為政者考えから予め多めに予想したものがそのまま記事化されたためと考えられ実際に日本の畿内現在の近畿地方)で観測可能な日食食分0.1以上)については比較正確な暦が使われていた奈良時代・平安時代前期日食予報とほぼ正確に合致している。 1183年治承・寿永の乱水島の戦いでは戦闘中金環日食発生し源氏の兵が混乱して平氏勝った源平盛衰記などの史料記されている。当時平氏公家として暦を作成する仕事行なっていたことから平氏日食が起こることを予測しており、それを戦闘利用したとの説がある。 江戸時代1839年天保10年)には、金環食発生した幕府役人従来中国式予測時刻伝来したばかりの西洋式金環食予測時刻2種類計算行い築地海岸観測行った西洋方法での予測的中し見え位置時刻ともに正確であった以降西洋天文学日本急速に広まっていった。 西洋においてはトルコから西アジアにかけて領土があったメディア王国リディア王国長期にわたり戦争続けていた紀元前6世紀始め頃、ギリシャ哲学者タレス予言していた日食実際に起き両国は和を結んだという話が、ギリシャの歴史学者ヘロドトスの『歴史ヒストリア)』に書かれている日食の戦い)。これも多く天文学者興味をそそり、その日食を特定する試み為され紀元前585年5月28日皆既日食推定された。この日食南アメリカ北端から北大西洋通りヨーロッパ経てトルコ北部からカスピ海の南に達したのであるが、異説もある。タレスは、古代バビロニア考案され予報術を用いたヘロドトス記し、これは次に述べサロスであるとの説もあるが、サロス当時ギリシャでは知られていなかったというのが天文学史主導的見解であり、タレスは、それまで伝えられていた大雑把な法則基づいて日食発生の年を予言したが、月日までは言及できなかったと考えられるタレスの日食英語版))。 最も古くから知られていたのは前述の「サロス」と呼ばれるもので、紀元前6世紀頃にバビロニア発見されていたとされ、またギリシャでは紀元前443年数学者メトンにより「メトン周期」が発見された。

※この「予報の歴史」の解説は、「日食」の解説の一部です。
「予報の歴史」を含む「日食」の記事については、「日食」の概要を参照ください。

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