予報と警戒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 14:26 UTC 版)
夕立の発生を予報し防災に役立てる手段は、大きく2つ考えられる。1つは、夕立が発生しやすい気象状況を予報し周知するもので、数日前もしくは当日に分かるものである。もう1つは、夕立の発生後に雲の状況や移動方向・雨量などを予報し周知するもので、数時間もしくは数十分前に分かるものである。 前者については、テレビ・新聞などでも使用される地上天気図のほか、高層天気図を用いて、全体的な大気の安定度を予測するもので、その日に夕立が起こりやすいかどうか程度の情報を得ることはできるが、具体的にどこで夕立が発生するかというのは、コンピュータの数値予報においてもカオス的な結果しか出ないため、精度の高い予測は不可能である。「大気の状態が不安定」「夕立が起こりやすい」といった情報が発表される。レジャーなどで外出する際には、前日や当日にこういった情報を得て夕立に注意を払うことが可能である。 後者については、日本ではこれまでラジオゾンデやレーウィンゾンデから高層気象の状況を、気象レーダーから高精度の雨量データを集めて夕立の雲の移動や強さを把握し、予想していた。これに合わせて、降水量などに応じて大雨注意報・警報、洪水注意報・警報、雷注意報が発表されていた。しかし、2005年からはウインドプロファイラから高層の風のデータを、2008年からはドップラー・レーダーから広域的・立体的な風速を入手し、予想に役立てている。合わせて2008年から突風の発生を警戒するよう呼びかける竜巻注意情報も発表されるようになった。ただ、現在のところ情報の発表が間に合わない場合があるほか、積乱雲の発達の予測精度が低いという問題もある。夕立の発生後の警戒については、積乱雲が接近してきた場合に建物に退避するなどの行動をとれば、予報の情報が無くても被害を予防することができる。
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