主な常連監督
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:46 UTC 版)
落合正幸(1990年 - 2003年、2012年) 様々な監督が撮ってきた番組の中で歴代36作品を演出してきたのが落合正幸である。主にホラー系を作ることが多く、世にも奇妙な物語を代表するホラーの名手ともよばれ高い評価を得ている。 彼が恐怖系作品を作る時は、人々が潜在的に不安を抱いていることをエンターテインメントのフィクション空間(奇妙な世界)に投入することを得意とすることで、大衆が気付いてはいないが、実は心の中に持っている不安や恐怖を、一歩先回りしてホラーの題材にしている。 1990年から数年間は主に君塚良一とのコンビで作品を制作していた。君塚とは「王道じゃなくて、ひねったやつをやろう」という合意があり、「自主映画を作るようにやってた」と後に回想している。 ホラー専門の演出家と思われがちであるが自ら脚本も手掛けた「時の女神」や「最期の瞬間」のような感動作品の評価も高い。しかし、2000年放送の「心臓の想い出」、2001年放送の「おばあちゃん」はそれを逆手に取った手法を取っている。 共同テレビを退社した2003年放送の「影が重なる時」を最後に番組からは離れていったが、2012年秋の特別編の「ヘイトウイルス」で9年ぶりに演出しファンの話題を呼んだ。 星護(1990年 - 現在) 星護の演出の大半が世にも奇妙な物語のイメージに、僭越的なユニークな映像が繰り広げられているという印象を付けたといっても過言ではない。 一般的な演出家がリアリティさをどれだけ出すことの工夫を凝らしているが、星は反対にリアリティのない映像を求む。人間の生活感がある現実の街並みではなく、どこか別世界であるような廃墟などをロケ地に選ぶ。それは特に脚本を兼任した「望みの夢」「トラウマ」「トカゲのしっぽ」によく表れる。 2007年時点で監督数30本と、その演出本数は落合に次いでいる。本編では2007年放送の「ヴァーチャルメモリー」以来関わりがなかったが、2018年放送の「幽霊社員」で11年ぶりに作品に携わることとなった。また、2008年のSMAPの特別編の際の新規ストーリーテラーの演出は星が担当している。 鈴木雅之(1990年 - 現在) 記念すべき第一話である「恐怖の手触り」から番組に携わっている鈴木は、当初ホラードラマの色が強かったこの番組に初めてコメディ要素を取り入れた。 彼は独特の世界観を作り出すためデフォルメされた絵作りをする。例えば出演者のアップ画や遠方・多方向からの撮影、TVドラマでは珍しいカメラ目線、場面転換の際のトリッキーな演出など、変わった映像を作り出す。 近年では泉昌之原作の三作品(「夜汽車の男」「理想のスキヤキ」「耳かき」)を全て演出した。 小椋久雄(1990年 - 現在) 今でも使われている番組の代名詞であるCGを使ったOP・EDは全て小椋久雄をチーフとしてフジテレビスタッフと一緒に作り出したものである。今でこそCGを使ったドラマのタイトルバックは珍しいものではないが1990年当時はかなり斬新な試みだった。 若いころ『北の国から』の演出で知られる杉田成道の助監督をしていた経験から、世にも奇妙な物語では非常に多くのリハーサルを重ねて、一度のシーンに20回以上のリテイクを出すことで有名である。 2012年現在でもファンから最高傑作との呼び声が高い「懲役30日」などから始まりラストに恐ろしくも感動するも何か含みを持たせるような演出をすることが多い。 2003年以降は監督としてではなく、プロデューサーとしての参加がメインとなったが、2015年に共同テレビを退社してからはストーリーテラーの演出を手掛けている。 植田泰史(2002年 - 現在) 1990年に一度助監督として参加している植田は2002年放送の「声を聞かせて」で初演出。声だけの篠原みゆき役に当時人気絶頂の声優林原めぐみを起用したことは話題を呼んだ。 そこから1年も抜けることなく毎年参加し、2012年現在の監督数は15作。さらに、2004年秋の特別編から2009年春の特別編まで10回連続参加という快挙を成し遂げている。 「追いかけたい」「イマキヨさん」「殺意取扱説明書」のようにブラックな題材にもコメディ要素や小ネタを入れることが多く、“ピザ小僧”というピザチェーン店は植田作品を代表するものでいくつもの作品に出ている。 2018年からは小椋同様、プロデュースを手掛けるようになった。
※この「主な常連監督」の解説は、「世にも奇妙な物語」の解説の一部です。
「主な常連監督」を含む「世にも奇妙な物語」の記事については、「世にも奇妙な物語」の概要を参照ください。
- 主な常連監督のページへのリンク