上方版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 02:06 UTC 版)
タダ酒が飲めるとの噂を聞きつけ、訪ねて来たアホの男。真相は「タダの酒」ではなく「灘の酒」の聞き間違いであったが、人を褒めてタダ酒を飲む方法を教わる。その方法とは、相手に年齢を尋ね、年配の者には若く見える、年若の者にはしっかりして見える、とおだてて酒や肴を奢ってもらい、赤ん坊の場合は、顔をよく見て人相を褒め、親を喜ばせてご馳走になるというもの。 それではと通りに飛び出すと、伊勢屋の番頭に遭遇する。しかしいざ声をかけようとすると、「町内の色男」と逆に褒められ、ご馳走をさせられそうになる。 そこで、近所にある、子供ができたばかりの竹の家を訪ねる。赤ん坊を褒める魂胆であるが、間違って奥の間で昼寝している爺さんを褒める。改めて赤ん坊に臨むが、顔を見ては猿のようだと言い、無理やり挨拶を教えようとしたり、お腹を押してみたり。そのうち、もみじのような手だと初めて褒めたものの、やはり(その手で)祝い金をよく取ったと言ってしまい、あきれられる。 仕方がないので、教えてもらったとおり人相について褒めようとするが、これもなかなかうまくいかない。最後の手段で年を尋ねると、竹が「そんな赤ん坊に年を尋ねるもんがあるかい、今朝生まれたとこや」と言うので、 「今朝とはお若う見える、どうみてもあさってくらいや」
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上方版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 06:08 UTC 版)
番頭、探し疲れて八百屋と間違えて鳥屋に飛び込んでしまう。 昔見た引き回しや、磔の場面を聞かされて、番頭はその場に卒倒してしまう。同情した主人は、番頭を介抱して「天満の青物市場に行けばあるのでは」と教えてあげた。 ワラにもすがる思いで問い合わせると、幸運な事に「ああ、ミカンでっか。おます。」との返事。「へっ!あるんでっか。売ってもらえまへんやろか。」 「よろしおま。」と問屋は番頭を蔵へ連れて行く。 蔵の扉を開け、山積みになった木箱を引きずり出すと、次々と開けていく。だが、箱の中のミカンはことごとく腐っている。番頭は再び絶望のどん底へ。気の毒に思った問屋は「蔵中の木箱あけまっさかい、待っておくんなはれ。」と番頭を落ち着かせる。ついに最後の一箱になる。 「おました!底にたった一つ残ったある。」見れば一つも傷んでいない。 問屋が同情してタダでくれると言うのを、番頭が大店の見栄で「金に糸目はつけない」と見得を切る。そのあまりのしつこさに、問屋もつい意地になって一つ千両とふっかけ、「毎年腐るの承知で蜜柑を囲います。みな腐ってもたら今年も暖簾に入れたとあきらめますが、一つでも残って買い手付いたら、千箱あった蜜柑の全部の値掛けさせてもらいま。商人冥利ビタ一文も損させまへん。」とキッパリ言われる。びっくりした番頭、店に飛んで帰る。 「ああ、番頭どん。さいぜんは無理言うてすまなんだ。つい親心がでてしもて堪忍しとくなされ。」「旦那さん、それどころやおまへんで。ミカンありました。」「何じゃと!」「天満の青物市場にあるんやけど、値が千両。何と馬鹿にしてるやおまへんか。」 一部始終を語ると、この父親も商人だ。 「ウム。青物問屋、そう言うたかい。せがれの命、千両なんて安いもんじゃ。これ!千両箱もっといで!番頭どん、御苦労じゃがその千両箱持って買ってきとくんなされ。」 と言われ、番頭、目を白黒。千両出してミカンを買う。 若旦那は十袋あるミカンをうまそうに食べ、「さ、三袋残ったさかい。これはお父はんとお母はん、そして番頭、お前三人で分けて食べ。」と渡す。 番頭、三袋のミカンを手に考えた。 「金持ちっちゅうんは勝手なものや。こげなミカン一つに千両か。俺も来年暖簾分け、あの渋ちんがくれるのは、どう見積もっても五十両。…このミカン一袋百両、三つあるから三百両…ええいっ!あとは野となれ山となれ!」 ミカン三袋持って逐電した。
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上方版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/02 09:06 UTC 版)
散髪屋で物知りの男の噂を聞きつけ、問答に来たアホの男。「南京虫は脚気になるか」「トンボはめばちこ(物貰い)を患うか」などを聞くが、常識的なことを聞けとたしなめられる。 それではと、散髪屋にあった掛軸の絵の鶴について尋ねると、昔は「首長鳥」と呼んでいたと聞かされ、重ねてなぜその後「つる」と呼ぶようになったかを尋ねる。 そこで、鶴が唐土(もろこし)から飛んで来た際、「雄が『つー』っと」、「雌が『るー』っと」飛んで来たために「つる」という名前になったと教えられる。この男が実は嘘だと言うのも聞かず仕舞いに、今仕入れたばかりの知識を町内に披露しに行くアホの男。 訪れた先で、いざ披露。「つる」の由来について半ば強引に教えるも、「雄が『つるー』っと」と言ってしまったために困り果てる。 一旦物知りの男のもとへ戻り、再びレクチャーしてもらう。 今度は「雄が『つー』っと来て『る』と止まった」と言ってしまったため、苦し紛れに「雌が黙って飛んで来よった」。
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上方版(上燗屋)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/14 14:38 UTC 版)
上方版は、まず立ち飲み屋(上燗屋)での店主と客のやり取りが主となる。演者は泥酔した客を演じ、初めてきた上燗屋の酒や料理を仕切りに褒める。やがて会計の段になり、客は細かい持ち合わせが無かったためにツケにしようと浅い策を練るが、店主にあっさり拒絶される(この最後の場面をサゲとして「上燗屋」という題で演じられる場合もある)。仕方なく客は近くにあった古道具屋に入り、仕込み杖を買って金をくずして支払う。 その後、酔客は家路につくが、せっかく買った仕込み杖を使いたいとウズウズとする。そこであえて家を無防備で留守であるかのように見せる。すると案の定、泥棒が入ってくる。そして泥棒が中の様子を見るため首を伸ばしたところを、スパンと一刀の下に斬る。しかし、泥棒は首が斬れているのに死なず、慌てて家の外に飛び出し首を斬られたとボヤく。すると近所で火事があり、自分の首を提灯のように持ってその場を逃げる。
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