ヴィレブロルトスネルと現代の三角網とは? わかりやすく解説

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ヴィレブロルト・スネルと現代の三角網

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 04:08 UTC 版)

三角測量」の記事における「ヴィレブロルト・スネルと現代の三角網」の解説

現代システマティック三角網の使用は、オランダ数学者ヴィレブロルト・スネル(スネリウス)が1615年アルクマールからベルヘン・オプ・ゾームまでおよそ110 km33三角形を含む四角形連鎖利用して測定したことに始まる。この二つの町はほぼ同一子午線にあって緯度にして1度離れており、この測定から地球円周長を求めることができた。この業績1617年の本Eratosthenes Batavus(オランダエラトステネス)に示されている。スネルは、平面における公式をどのように地球丸みに対応させて修正するかの方法計算した。彼はまた、三角形内側にある点の位置を、その地点において三角形の辺がなす角度から計算する後方交会法示した。これは、コンパスを使わなければならない頂点方位求め方法よりも正確に測定することができる。これにより、まず1次大規模三角網を最初に測量しその後2次的地点1次網の中で決定していくという考え生まれた。ただし、スネル使用した測量器は極めて単純なもので腕木両端に糸を張って見通しをつけただけのものであったため結果はあまり正確ではなかった。 スネル測定した子午線は正確ではなかったが、彼の創案し測量方法優れた方法であることがわかると各国三角測量が行われるようになったスネル方法は、1669年から1670年にかけてパリ子午線上で緯度1度長さパリから北へアミアン近郊のスルドン(フランス語版)の時計塔まで13三角形連鎖により測量したジャン・ピカール引き継がれた。器具改良精度の向上により、ピカール地球半径をかなり正確に測定した最初の人となった18世紀通じて有名なカッシーニ家の人間によりこの仕事はさらに進められた。1683年から1718年までの間、ジョヴァンニ・カッシーニとその息子ジャック・カッシーニパリ子午線ダンケルクからペルピニャンまで測量した1733年から1740年まで、ジャックとその息子セザール・カッシーニ(英語版)は子午線弧の再測量を含む全国土の最初三角測量行い1745年正確な原理に基づく初めてのフランス地図出版した。 この時点までに三角測量技術は、地域的な地図作りに対しては十分確立された。しかし他の国全国土に渡る地図作るための詳細な三角網の測量始めるのは18世紀も末になってからであったイギリス陸地測量部英語版)(オードナンス・サーベイ)は1783年グレートブリテン島基本となる三角測量開始したが、完了したのは1853年のことになった1801年開始されインド大三角測量では、エベレストその他のヒマラヤ山脈山々三角測量地図作ったナポレオン帝政下のフランスでは、ジャン・トランショ(ドイツ語版)によって1801年フランス三角網がドイツラインラントまで拡大され1815年以降になってプロイセン王国将軍カール・フォン・ミュフリンク(ドイツ語版)によって完成された。 この時期有名な数学者カール・フリードリヒ・ガウスによって三角測量には優れた改良加えられ他の方法凌駕することとなった1821年から1825年にかけてガウスハノーファー王国三角測量委託された。当時三角測量には教会の塔など高い建物利用されガウス教会の塔を目標考えていた。しかし、1820年ガウス教会の塔を目印三角測量行おうとしたところ、空が霞んでいたため塔の姿を確認できなかったが、塔の位置は塔の色ガラス反射確認することができた。そこで日光反射によって位置を示すヘリオトロープ回照器)が三角測量用いられるようになったガウスヘリオトロープによる測量方法改良のほか、観測結果整理法として未知数より実測値が多い時に大規模な連立方程式問題のもっとも一致する解を決定する最小二乗法考案した今日測量のための大規模な三角網は1980年代以来確立した衛星測位システムおおむね置き換えられている。しかし初期測量の基準点はなお、1936年から1962年にかけてのグレートブリテン島再三測量のために造られコンクリート製三角点や、1816年から1855年にかけてのシュトルーヴェの測地弧三角測量のために造られた、現在はユネスコの世界遺産登録されている三角点のように、価値のある歴史遺産として残されている。 天文学において地球から星までの距離計測に用いられているが、距離が離れる年周視差小さくなることから1万光年程度限界となるため、他の計測法併用する宇宙探査機通信用アンテナ地球に向け続けるために2つ恒星使った三角測量位置計算しているが、地球近く非常に明るい恒星として太陽カノープス使われている。

※この「ヴィレブロルト・スネルと現代の三角網」の解説は、「三角測量」の解説の一部です。
「ヴィレブロルト・スネルと現代の三角網」を含む「三角測量」の記事については、「三角測量」の概要を参照ください。

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