ヴァチカン美術館を構成する美術館群
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「バチカン美術館」の記事における「ヴァチカン美術館を構成する美術館群」の解説
ヴァチカンの諸美術館 バチカン絵画館(ピナコテーカ) 元来、絵画収集品はボルジャ家の居室に収蔵されていたが、ピウス11世の命により専用の絵画館が建設された(1932年)。建築家はルーカ・ベルトラーミ。ジョット、レオナルド、ラッファエッロ、カラヴァッジョ等の画家の作品を展示。 近代宗教美術コレクション フランシス・ベーコン、シャガール、ダリ、ジョルジョ・デ・キリコ、ヴェナンツォ・クロチェッティ、フェリーチェ・ミーナ、ポール・ゴーギャン、カンディンスキー、マティス、ファン・ゴッホ等の画家の作品を展示。 ピオ・クレメンティーノ美術館 クレメンス14世(在位1769年 - 1774年)により1771年に設立され、元々古代、ルネサンス期の美術品に特化していた。その後、ピウス6世(在位1775年 - 1799年)により拡張された。今日、ギリシャ・ローマ彫刻を展示する。 布教・民族学美術館 ピウス11世(在位1922年 - 1932年)により1926年ラテラノ宮に開館。1973年、ヴァチカンに移転。アジア、アフリカ、オセアニアなど、世界各地の民族美術を展示する。大部分の展示品は教皇への贈呈品から構成される。 グレゴリアーノ・エジプト美術館 1839年、グレゴリウス16世(在位1831年 - 1846年)により開館。古代エジプトの出土品を展示。 グレゴリアーノ・エトルリア美術館 1836年、グレゴリウス16世によって開館。8つの展示室から構成されるこの美術館では、エトルリア時代(古代イタリア)の重要な出土品の美術品を展示する。ギリシャの壷のコレクション、ギリシャ・オリジナル彫刻の間が隣接する。 ピオ・キリスト教美術館 1854年、ピウス9世(在位1846年 - 1878年)によってラテラノ宮に設置。1970年、バチカンに移転。 グレゴリアーノ世俗美術館 1844年グレゴリウス16世によってローマ市内のラテラノ宮に設置。1970年、バチカンに移転。 馬車博物館 1973年、パウロ6世(在位1963年 - 1978年)により「バチカン歴史博物館」として開館。1985年に博物館本体はラテラノ宮へ移転し、歴代教皇使用の馬車、自動車の展示のみがヴァチカンに残った。 切手・貨幣博物館 ヴァチカン図書館美術館 起源は4世紀にさかのぼるとされる、世界有数の図書館。蔵書は100万冊に及び、聖書などの貴重な古写本やグーテンベルク聖書などのインキュナブラ(初期刊本)を多数所蔵する。 キアラモンティ美術館 美術館の名は、19世紀初めに美術館を創設したキアラモンティ家出身のピウス7世(在位1800年 - 1823年)に由来する。アーチ型の広大な展示室からなり、その側面には古代彫刻、石棺、フリーズなど1,000点あまりが展示されている。新館には、プリマポルタのアウグストゥスのような著名な彫刻が展示されている。キアラモンティ美術館の古館には、3000点以上から成る石碑を収蔵・展示しており、世界一の石碑コレクションを誇る。しかし、研究等を目的とする見学には、事前の請求が必要である。 教皇宮殿内のギャラリー 石碑ギャラリー 新館「ブラッチョ・ヌオーヴォ」ギャラリー 燭台ギャラリー 綴れ織りギャラリー 地図のギャラリー幅6m、長さ120mの大ギャラリーの壁面にイタリアや教皇領の地図がフレスコで描かれる。1580年-1583年に描かれたものである。 教皇宮殿内の礼拝堂 システィーナ礼拝堂 シクストゥス4世により1477年-1480年に建設された。ミケランジェロの天井画『創世記』(1508年-1512年)と祭壇壁画『最後の審判』(1536年-1541年)で知られる。側壁のキリストとモーゼの生涯をテーマにした壁画は、ペルジーノ、ボッティチェッリ、ギルランダイオらの作。 ニコラウス5世の礼拝堂 13世紀に建造され、ベアート・アンジェーリコと助手(ベノッツォ・ゴッツォリを含む)により1447年から48年頃にフレスコ装飾を施された礼拝堂である。教会宮殿のなかでも最も古い、インノケンティウス3世の塔の内部、ラッファエッロが装飾した教皇居室の近くに位置する。元来、ニコラウス5世の居室内の私的礼拝堂であった。 ウルバヌス8世の礼拝堂 教皇宮殿内の居室および広間 ビーガの広間 聖ピウス5世の居室 ソビエスキの広間 無原罪のお宿りの広間 ラファエッロの間「ボルゴの火災の間」「署名の間」「ヘリオドロスの間」「コンスタンティヌスの間」から成る。これらの部屋にはユリウス2世(既出)の命でラファエッロが1508年 - 1524年にかけて壁画を制作した。「署名の間」の『アテナイの学堂』はラファエッロのと言うよりは西洋古典絵画のもっとも著名な作品の一つであろう。 ラッファエッロの開廊 キアロスクーロの広間 ボルジャ家の居室 (ボルジアの間)スペインのボルジア家出身の教皇アレクサンデル6世が1492年から1503年まで居住した。ピントゥリッキオが壁画装飾を担当している。
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