ペルシャ舞踊の様式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/01 17:30 UTC 版)
以下は、イランにおけるさまざまな民族グループによる、古代と現代のペルシャ舞踊のリストである。 Baba Karam :"王宮の召使いがハーレムの女の子の一人と恋に落ち、彼女と一緒にいられないという悲しみからこの歌を歌った"というスーフィーの物語から生まれた、この踊りは、複数人で踊り、伝統的に男性の踊り手のものであったが、今日では女性によっても踊られ、時にはコンテンポラリーなペルシャのヒップホップダンスを指す言葉でもある。 バンダリの踊り(英語版) :複数人で踊り、しばしば「ペルシャのベリーダンス」と呼ばれ、アフリカとアラビアの音楽と舞踊の影響を受けたイランの南西部の港湾地域に固有のダンスのスタイルを指す。この舞踊では踊り手が「海の上で漁師たちが連携するために手を振る」動作に似た形で、独特な手の振りがあることが特徴的である。 バッセリの踊り :ファールス州の遊牧民のバッセリ(英語版)族が伝統的に踊る。踊り手達は、伝統的な色彩鮮やかな衣装を着て踊る。 ボジュヌールドの踊り :ボジュヌールドはトルコ系の人々が住む、イラン北東にある村である。ボジュヌールドの踊りは男女が別々でも一緒でも踊り、peshkan として知られている方法で指を鳴らして踊る。輪になって踊り、踊り手達は走りながら方向を変えて互いに交互に向き合うようにする。踊り手の男女は dastmal と呼ばれる小さな小さなカラフルなスカーフを振りながら踊る。 Choob bazi :chob bazi、chub-bazi、çûb-bâzî 、 raghs-e choobとしても知られている。イラン中で見ることができ、男たちが棒を持って演じるもので、踊りの名前は「棒遊び」の意味。2つの様式の Choob bazi があり、一つは闘いを模したもので男性達のみ(通常は二人)で、攻撃役と防御役を演じる。音楽のリズムは持たないもので、主に南西イランでよく見られる。もう一つの Choob bazi の様式では輪または列になって踊り、男女が踊る。より社交的な踊りである。 ペルシャ古典宮廷舞踊 :即興のソロでの舞踊で、繊細で優雅な手や腕の動きと、生き生きとした顔の表情は言い難い魅惑をもたらす。ペルシャの古典舞踊は体系立てや成文化されていない。それ故、それぞれの踊り手は自らの様式を生み出し、既知のペルシャ舞踊の動作の枠組みを基に即興を成し遂げる。衣装には、豊かな絹、錦織、長いスカートが特徴的である。 Haj Naranji dance :上半身の動きが強調され、手の動き、胴体のうねり、顔の表情が特徴的である。 Jâheli :著名なペルシャの踊り手 Jamileh によって1960~70年代に大衆化された踊りである。9世紀から10世紀に起源を持つイランのジャーヒリーヤ的なサブカルチャーがあり、そこに起源を持つ。当時はトルコ人とモンゴル人が放牧地や耕作地を求めて東部イランに侵入していた時期であった。それぞれの町や村を守るために各地で独自の防衛組織が形成され、その組織の男たちを jâhel(ペルシャ語で「無知」を意味する)と呼んでいた。この組織には女性も加わり、生活の知恵や精神性を融合した文化や踊りを発達させていた。 ハリージの踊り(アラビア語: خليجي) :即興的に行われる現代的なダンス。結婚式などの特別な祝いの場で自身の楽しみのために女性のペアまたはグループで踊られる。この呼び名は、ペルシャ湾岸地域のハリージ音楽(英語版)も指す。 ケレシュメの踊り(Kereshmeh dance) :ソロの踊り。19世紀のイランのガージャール朝の宮廷舞踊。"Kereshmeh" はペルシャ語で「魅力的」との意味。。 Kharman dance Khorasani dance Latar dance Le’b Guati :イラン東部のバルーチスターンの精神的な踊りで、忘我状態で踊る。 レズギンカ(英語版) :アゼルバイジャン人、コーカサスの人々の民俗舞踊で、地域ごとに様々なスタイルの変化がある。 Luri dance Matmati Mazandarani dance Motrebi dance :ガージャール朝時代にプロの踊り手、時には売春婦によって、或いはパーティの出し物として踊られていた。現代では、安ナイトクラブでみられる踊りである。 Qasemabadi :Ghasem Abadi としても知られている踊りで、カスピ海近くのギーラーン州のギーラーン人(英語版)による米の収穫の踊り。 Raghs-e-Pa :Raqs-e Pa 或いは Pay-Bazi としても知られている踊りで、ズールハーネで見られる「伝統的な脚さばき」の踊りである。 Raghs-e-Pari :ペルシャの妖精の踊り Raghs-e Parcheh :ペルシャのベールをまとった踊り Raghs-e Sharqi :ベリーダンス Ru-Howzi :家庭生活を描くコミカルな演劇で、多少の踊りが含む。 Sama-o-raghs :歓びに関する精神的なスーフィズムの踊りで、詠唱を伴い、踊り手は音楽のリズムに乗って踊り、しばしば恍惚状態に陥るか、疲労で倒れてしまうまで踊り続ける。 シャムシールの踊り :剣を使った戦争の踊りで、Shamshir-bazi としても知られている踊り。通常、スィースターン・バルーチェスターン州で踊られる。 Shateri dance :古典的なペルシャの踊りで、アラビアの踊りに比べて腰の動きがない。 Tehrani dance :Tehrooni としても知られている踊りで、テヘラン風のナイトクラブの踊り。 Vahishta :精神的なスーフィズムの踊り。 Yalli :ハライとしても知られている踊りでアゼルバイジャン人の複数人で踊る民俗舞踊。最初はゆっくりとはじまるが、最後には走るような速さとなる。伝統的に火の祝いのためのもので、火は熱、光、そして暖かい食物の源として大切にされていた。古代では、踊り手は火を女神とみなして崇拝していた。 Zaboli dance :イラン南東部のスィースターン・バルーチェスターン州で複数人で踊る民俗舞踊。 Zār :イランの南部沿岸地域由来の精神的な踊り。イランの人々は悪意を持った風や平穏な風の存在と、それが人々に取りつくと信じている。そのような人々は特定の儀式と踊りによって癒されている。 Zargari dance :Zargari people(英語版)の踊り。
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