ダムの名称とは? わかりやすく解説

ダムの名称

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 17:45 UTC 版)

ダム」の記事における「ダムの名称」の解説

ダムに付けられる名称は通常計画の段階命名される途中で変更になる場合もある。命名については、河川名ダム建設地点地名採用されるケースが多い。この他キエフダム(ウクライナドニエプル川)やクラスノヤルスクダムロシアエニセイ川)など所在都市名採用したもの、中国三峡ダム長江)や三門峡ダム、劉家峡ダム黄河)、日本豊平峡ダム豊平川)のように峡谷名を冠したものなど、多彩である。また、同一河川・水系に建設されダム中には完成順に番号命名されているものもあり、イランにあるカールーン第一第三第四ダムカールーン川)はその一例である。ダムによって形成され人造湖についても同様の傾向見られるが、名称が特に定まっていないものも多い。日本ではダム完成前一般公募によって人造湖の名称を決めケース多くなっている。 特殊な例としては、人名冠したダムがある。これらは該当するダムまたは建設事由である河川総合開発事業において主導的な役割果たした、あるいは国政功績のあった政治家顕彰する意味を込めて命名されている。以下に示したものは、その一例である。 フーバーダムアメリカ):治水ラスベガスなどへの電力供給他を目的計画されコロラド川総合開発事業ボールダー峡谷計画)の中心として1936年完成した高さ221メートル重力式アーチダム建設当時ボールダーダムという名称であったが、1947年第80回連邦議会において第31アメリカ合衆国大統領であるハーバート・フーヴァーの名を冠する議決がなされ、現在の名称に変更された。なお、人造湖であるミード湖は、当時アメリカ合衆国内務省開拓局長であったエルウッド・ミードの名を冠している。 セオドア・ルーズベルトダム(英語版)(アメリカ):水力発電目的として1911年建設された高さ109メートル重力式コンクリートダム完成からしばらくは河川名ソルト川から命名されたソルトリバーダムという名称であったが、1959年に第26アメリカ大統領であったセオドア・ルーズベルトの名を冠した現名称へ変更された。前述フーバーダム同様にダム人造湖双方人名冠した希有な例。 ダニエルジョンソンダム(カナダ):カナダ及びアメリカ東海岸地域電力供給する目的1968年建設されダムで、マルチプルアーチダムとしては世界で最も高い214メートル巨大ダムダム名は建設当時ケベック州知事水力発電事業に力を注いだダニエル・ジョンソンにちなん命名された。なお、彼はダム完成直前死去している。 アタチュルクダム(トルコ):南西アナトリアプロジェクトにおける灌漑・水発電目的としたユーフラテス川総合開発事業中心として、ユーフラテス川本流1992年完成した高さ169メートルロックフィルダムトルコ最大級規模有するダムダム名はトルコ建国の父であるケマル・アタテュルクアタチュルク)にちなみ命名された。 シーナカリンダム(タイ):映画戦場に架ける橋』の舞台となったクワイ川(クワイヤイ川)に、水力発電治水目的とした河川総合開発・クワイヤイ第一計画中心事業として1980年完成した、高さ140メートルロックフィルダム日本円借款および電源開発技術協力建設された。ダム名はタイ国王ラーマ9世の母であるシーナカリン王太后の名が冠され計画自体途中からシーナカリン開発計画改められた。 ホセ・マリア・モレーロスダム(メキシコ):メキシコシティ南西洪水調節灌漑・水発電目的河川総合開発事業として建設された高さ59.7メートルロックフィルダムダム名はメキシコ独立革命英雄で、メキシコ最初の憲法制定したホセ・マリア・モレーロスの名が冠された。1968年完成。 ゾラダム(フランス):南フランス・エクサンプロバンス近郊流れローヌ川支流のアンフェルネ川に1854年完成した高さ42.5メートル灌漑水力発電目的にしたアーチ式コンクリートダム完成から約50年アーチダムとしては世界最高の高さを有していた。ダム名はこのダム設計した土木技師であるフランチェスコ・ゾラの名を冠しているが、彼の息子文豪知られるエミール・ゾラである。 人造湖については先述ミード湖のほか、アスワン・ハイ・ダムナイル川エジプト)の人造湖同事業を強力に推進した第2代エジプト大統領ガマール・アブドゥン=ナーセルにちなんナセル湖命名された例、グランドクーリーダムコロンビア川アメリカ)の人造湖建設推進指揮した32アメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトにちなみルーズベルト湖命名された例などがある。

※この「ダムの名称」の解説は、「ダム」の解説の一部です。
「ダムの名称」を含む「ダム」の記事については、「ダム」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ダムの名称」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ダムの名称」の関連用語

ダムの名称のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ダムの名称のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのダム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS