円借款とは? わかりやすく解説

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えん‐しゃっかん〔ヱンシヤククワン〕【円借款】

読み方:えんしゃっかん

開発途上国経済援助のために、日本政府政府間の合意基づいて行う円建て低金利融資。→政府開発援助


円借款(えんしゃっかん)

日本政府による発展途上国への円資金貸与

発展途上国対す経済協力一環として日本政府が円資金使って融資などをすること。長期かつ低金利という緩やかな条件貸し付ける有償資金協力ともいう。

円借款は、主にアジア地域における発展途上国支援するため、1985年始まった政府開発援助ODA)のうち、贈与無償資金協力)よりも円借款のほうが大きな割合占めている。

円借款の財源は、一般会計からの出資金財政投融資制度からの借入金などから構成されている。円借款による融資残高は、2000年度実績で約11兆円の規模上る

政府間の合意に基づき円借款の実施が決まると、国際協力銀行実施機関となって実際の円借款を行う。

(2004.02.02掲載


借款

(円借款 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/28 18:42 UTC 版)

借款(しゃっかん)とは、国際機関国家間または、それぞれ異なる国家の政府公的機関間における長期間にわたる資金の融資のこと。日本では、「クレジット」とも呼ばれている。英語における正しい表記は「ローン(loan)」である。また、政府と関係の深い民間の金融機関や企業が借款の貸し手・借り手となる場合もある。

円借款

円借款とは、国際協力機構を経由して日本政府から発展途上国政府へ、インフラストラクチャー整備を目的として行われる長期・低金利の資金貸し付け。日本による政府開発援助(ODA)は伝統的に、被供与国の自立を促すため返還の必要の無い無償資金供与ではなく、有償資金協力のうち特に円借款を重視してきた[1]2006年平成18年)に行われた円借款の平均金利は1.03 %、平均返済期限は33年8ヶ月である。1966年昭和41年)から、2006年(平成18年)までに実施された借款の82 %はアジア諸国を対象としている[2]

中華人民共和国へは1979年(昭和54年)から約3兆3165億円の借款が行われた[3]2000年代に入り、日中関係の悪化と中国経済の発展を受けて、中国への円借款の批判が高まり、2007(平成19)年度をもって終了した。無償資金協力(2011年〈平成23年〉当時、累計1544億円)および技術協力(2011年〈平成23年〉当時、累計1704億円)、政府貸付(円借款以外)については対中ODAが続けられていた。これらを含めた対中ODAは全て2021年度末をもって終了する[4]

ジャカルタ都市高速鉄道の工事は、日本の円借款による事業であり、多くの日本企業が参画したが、MRT側の不合理な払い渋りがあり、各企業は軒並み赤字を計上することとなった。第一期工事は予定した時期に本体工事を終了させて開業することはできたが、第二期工事についてはリスクの高さから入札見送りを表明する企業もあり、開業時期などは予断を許さない状況となっている[5]

脚注

  1. ^ 日本国外務省 ODA報告書 2011年版 参考資料集 第7節 有償資金協力 (PDF)
  2. ^ 国際協力銀行 円借款業務における連携のご案内 円借款Q&A (PDF)
  3. ^ 外務省: {ODA} 国別地域別政策・情報 国別プロジェクト概要 中華人民共和国
  4. ^ 日本のODAプロジェクト 中国 対中ODA概要”. 2020年10月10日閲覧。
  5. ^ 日本企業に不満も=「支払い滞り赤字」-インドネシア地下鉄”. 時事通信 (2019年3月24日). 2019年3月24日閲覧。

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