木津川ダム群の中核
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 00:06 UTC 版)
ダムは当初月ヶ瀬ダムの名称であったが、水没する旧・高山村の名称を残したいとする水没住民の意向を受け、現在の高山ダムに名称が変更された。当初は薗原ダム(片品川)と同じ外観の重力式コンクリートダムとして計画されていたが、比較的岩盤が堅固だったこともあって型式を重力式アーチダムに変更して工事費圧縮を図っている。堤高は67.0mであり重力式アーチダムとしては大規模なもので、近畿地方では高山ダム以外には七色ダム(北山川)がある。 目的は木津川・淀川流域の洪水調節、不特定利水(木津川流域の既成農地が取水している既得農業用水の確保)、大阪市・枚方市・守口市といった大阪府及び神戸市・西宮市・尼崎市等兵庫県の人口密集地帯への上水道供給、関西電力が行う水力発電(認可出力6,000kW)の多目的ダムである。名張川筋で初めてのダムで流域ダムの中核的存在を担い、現在は水資源機構・木津川ダム統合管理事務所によって管理されている。 この後名張川流域には青蓮寺ダム(1970年)・室生ダム(1973年)・布目ダム(1991年)・比奈知ダム(1998年)が相次いで完成し、関西圏の重要な水がめとなっている。なお、木津川の左支川・前深瀬川には現在川上ダムが建設中であるが、2005年(平成17年)の「淀川水系流域審議会」の答申により「建設中止が妥当」という判断が下され、機構を所管する国土交通省は治水ダムへの変更を図ろうとしているが、三重県や伊賀市、流域住民や移転住民から計画通りの建設を行うべきと反発を受けている。
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