ソ連以外の派生型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:40 UTC 版)
81式 中国製の派生型で、1979年の中越戦争の際にベトナム人民軍から鹵獲したBM-21を元に設計され、1982年から中国人民解放軍への配備が始まった(BM-21が開発された1963年には既に中ソ対立がかなり深刻化していたため、ソ連は中国に対するBM-21の輸出を認めなかった)。土台のトラックが中国製であることを除けばほとんどオリジナルと変わらないが、運転席に防炎シールドが存在する。 BM-11 北朝鮮製の派生型。30連装発射器を日本製のいすゞTW6x6トラックに搭載している。レバノンに輸出されている他、イランやパキスタンでの独自生産型の参考となっている。MRL 122mm M1977 ソ連のウラル-375D・ウラル-4320ベース40連装発射器のBM-21 グラートの直接的なコピー生産に対しアメリカがつけた呼称。 MRL 122mm M1985 40連装発射器をいすゞTW6x6トラックに搭載している。発射機と運転台の間のスペースに予備ロケット弾40発を搭載できるラックを装備。 アーラシュ/آرش イラン製の派生型。レバノンのヒズボラに供与され、イスラエルへの攻撃に使用されている。ヒズボラの保有兵器を併せて参照のこと。射程20.5kmのロケット弾のほか、射程75kmのロケット弾も運用できる。HM20 BM-21のイラン型で、メルセデス・ベンツ 2624 6x6トラックに20発ずつ2分割された40連装発射器を搭載。後期型はMAN製6x6トラックとなっている。 HM23 軽量な16連装発射器(8発ずつ2分割)を搭載したバージョン。 HMxx 北朝鮮のBM-11の30連装発射器をメルセデス・ベンツ LA 911 B 4x4トラックに搭載したバージョン。油圧クレーンを装備した車両もある。 KRL 122 パキスタンのKahuta Research Laboratoriesで開発された派生型で発射器は北朝鮮のBM-11に類似した30連装である。初期型は日本製のいすゞ6x6トラックをベースに使用していたが、後にアメリカReo製のM35 2.5tトラックをベースに使用するようになった。 Sakr-180 エジプト製の派生型。外見上はほとんどオリジナルと変わらない。 RM-70 1972年に当時のチェコスロバキアが自国軍隊のために開発した派生型で、40連装発射器を国産の8輪式タトラ813トラックに搭載している。RM-70は、キャビンに装甲が施されている。RM-70/85 土台のトラックを非装甲のタトラ815に換装したモデルで、RM-85とも表記される。基本的な形状やカタログスペックはRM-70とほとんど変わらない。RM-70およびRM-70/85は、東ドイツ(東西ドイツ統一後、ギリシャに売却)、ポーランド、フィンランド、ギリシャ、グルジア、ミャンマー、インドネシア、スリランカ、エクアドル、ウルグアイ、ベネズエラ、アンゴラ、ルワンダ、ウガンダ、ジンバブエに輸出された。 WR-40 ラングスタ/WR-40 "Langusta" ポーランド製の派生型。ポーランド国産の6輪式Jelcz P662D.35トラックに、40連装発射器と新型射撃管制装置を搭載したモデル。ポーランドは、現有のBM-21を全てWR-40に更新する予定(RM-70については、同様に更新するのか運用を続けるのか不明)であり、さらには最大射程を42kmに延伸した新型ロケット弾(破砕性弾頭)を装備する予定。 APR-21 ルーマニア製の派生型。21連装発射器をルーマニア製の4輪式ブチェジ(Bucegi)SR-114トラックに搭載したが、まもなく後継のAPR-40に取って代わられた。 APR-40 前述のAPR-21の後継であり、40連装発射器を6輪式DAC-665Tトラックに搭載。このシステムは、ボツワナ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、カメルーン、クロアチア、イラン、イラク、リベリア、ナイジェリアに輸出された。 BM-21A ベルグラート/БМ-21А "БелГрад" 425馬力のディーゼルエンジンTMZ-8424を搭載する6x6大型トラックであるMAZ-631705を種車に開発された。増設されたラックに追加のロケット弾40発を搭載できる。1997年に完成され、その後制式採用された。 BM-21М フラードU/БМ-21М "Град-У" ウクライナのAvtoKrAZで開発されたBM-21の後継型。兵器の純国産化を進めるウクライナにおいて、国産6x6大型トラックのKrAZ-6322を種車に製造された。ガソリンエンジンのウラル-375Dに対し、KrAZ-6322はディーゼルエンジンを使用している。KrAZ-6322-121 フラード(КрАЗ-6322-121 "Град")とも呼ばれる。一部の車輌は、車体を延長して40発のロケット弾を追加搭載できるようになった。種車にKrAZ-260を使用した仕様もあり、ともにウクライナ陸軍に配備されている。 GRADLAR イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ(現:IMIシステムズ)が開発した、BM-21や他の122mmロケット砲をアップグレードさせるパッケージ。同社の開発したLAR-160の技術を流用して開発された。ACCULAR-122 イスラエル・ミリタリー・インダストリーズが開発した、GRADLARに精密誘導機能を付加する改修パッケージ。設定した目標地点の10m以内に着弾する性能を持つ。弾頭重量20kg、最大射程40km。 イスラエル陸軍はACCULAR-122に"ロマク"(槍)の呼称を付け、M270 MLRSに搭載して導入している。また、同じくIMIによって開発された装輪式のリンクス 自走ロケットランチャーシステムにも搭載可能である。
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