コンピュータゲームにおけるバグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 08:00 UTC 版)
「バグ」の記事における「コンピュータゲームにおけるバグ」の解説
コンピュータゲームも一般的なソフトウェアのひとつであり、同様にバグは存在する。進行やセーブデータ保全に影響するようなものの場合はゲーム雑誌などで告知されたり、影響力が大きい人気ゲームの場合は新聞でも取り上げられたり重大なバグだとメーカーが判断した場合は対策がなされる。ハードディスクなどの書き換え可能なストレージにインストールする汎用PC向けソフトウェアならば公式ウェブサイト上で修正パッチを配布する事でも対応できるが、メディアから直接起動するのが原則であるパッケージ販売の家庭用ゲームソフトのバグは以前はアップデートが困難あるいは不可能であったため、無償で修正版との交換が行われることもあった。近年ではほとんどの家庭用ゲーム機がネットワーク機能に対応し、またパッチデータを後からインストールする余裕のある大容量ストレージを搭載するようになったため、パッケージ販売のソフトでもPCソフトと同様にネットワークを通じて修正パッチを配布して対応されるようになった。しかし、発売後に発覚したバグは再出荷の際にも放置されるゲームもある。 また、ユーザーがバグを裏技や小技として利用することがある。中には『スペースインベーダー』の「名古屋撃ち」等のように、元々はバグにより発生した開発者の意図しない現象であったものが、後に正式な仕様の裏技として認知されるケースもある。 さらに、画面表示が異常になった状態を俗に「バグる」と呼ぶことがあるが、本来はバグ(もしくは他の要因)の結果、表示が異常になったものである。ほかにも、意図的に動作不良を起こさせた状態をバグと呼んだり、異常な形で現れた要素を「バグキャラ」「バグアイテム」等ということもある。これらは、コントローラーや本体のスイッチなど利用者に公開されている操作によって発生すればバグであるが、本体に衝撃を与える、端子を短絡させる、動作中にカセットを挿抜する、電源電圧を不安定にする等して引き起こす現象をバグと表現するのは適切ではなく、英語ではこのような現象を指す場合はbugではなくglitchを用いる。 非電子系ゲーム(ボードゲーム、実際のスポーツ等)をコンピューター上で再現する類のゲームの場合、実際のゲームと異なる動きをする場合にバグと呼ばれることがある。多くの場合そういったものはメーカーは「バグ」という表現を避け、「異なる仕様がある」という説明にとどめる傾向にある。 2次元コンピュータグラフィックスを使った作品(2Dゲーム)は物体同士の衝突判定や画面表示位置などの座標計算処理が比較的簡単である一方、3次元コンピュータグラフィックスを使った作品(3Dゲーム)は次元が1つ増えるだけで空間の複雑度が急激に増加するため、座標計算処理の実装ミスやハードウェアの表示限界などによりバグを引き起こしやすくなり、壁と壁の間に挟まりキャラクターが移動できなくなる、本来表示されるべきオブジェクトが表示されなくなるなどの不具合現象が発生することが多くなる傾向がある。 オンラインゲームでは、参加プレイヤーのスコアをもとにランク付けや報酬分配をしたり、作品内の通貨やアイテムなどを購入するためにユーザーがゲーム本体とは別に追加料金を支払う課金システムを採用したりするものが多い。このシステムにバグが生じることでランキングを不正に操作したり、課金なしで無制限に購入することができてしまったりするなどの不都合が発生すると、ゲームとして致命的な問題になるため、ゲームサーバーを一時停止してでもバグを修正する必要がある。オンラインゲームの中には、利用規約でユーザーがバグを意図的に発生させる行為を禁止しているものもある。これらは不正行為と言われる。 バグによって引き起こされた裏技(バグ技)についてはバグ技も参照。
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