アインシュタインの手紙とは? わかりやすく解説

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アインシュタイン=シラードの手紙

(アインシュタインの手紙 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/30 02:24 UTC 版)

アインシュタイン=シラードの手紙(アインシュタイン=シラードのてがみ、Einstein-Szilard letter)では、1939年、物理学者アインシュタインからフランクリン・ルーズベルト大統領宛に送られ、アメリカ原子爆弾開発のきっかけのひとつとなったことで知られる手紙について述べる。 この手紙に特に定まった呼び名はなくアインシュタインからルーズベルト大統領への手紙(または書簡信書など)のように説明的に参照されることが多い。 物理学者レオ・シラードの名が付されることがあるのは、この手紙の作成をシラードが依頼したことによる。


  1. ^ Anderson, H.L.; E. Fermi, and H.B. Hanstein (1939). “Production of neutrons in uranium bombarded by neutrons”. Physical Review 55: 797–798. doi:10.1103/PhysRev.55.797.2. 
    Szilard, Leo; and Walter H. Zinn (1939). “Instantaneous emission of fast neutrons in the interaction of slow neutrons with uranium”. Physical Review 55: 799–800. doi:10.1103/PhysRev.55.799. 
    von Halben, H.; F. Joliot, and Lew Kowarski (1939). “Liberation of neutrons in the nuclear explosion of uranium”. Nature 143: 470–472. doi:10.1038/143470a0. 
    von Halben, H.; F. Joliot, and Lew Kowarski (1939). “Number of neutrons liberated in the nuclear explosion of uranium”. Nature 143: 680. doi:10.1038/143680a0. 
  2. ^ ローズ 上 pp.507–514 (Rhodes pp.288–292).
  3. ^ Wigner p.196. ローズ 上 pp.520–521 (Rhodes pp.295–296).
  4. ^ ローズ 上 pp.522–523 (Rhodes p.297).
    “Vision Earth Rocked by Isotope Blast: Scientists Say Bit of Uranium Could Wreck New York”. New York Times (AP). (1939年4月30日). https://www.nytimes.com/1939/04/30/archives/vision-earth-rocked-by-isotope-blast-scientists-say-bit-of-uranium.html 
  5. ^ ローズ 上 pp.555–556 (Rhodes p.315).
  6. ^ ローズ 上 pp.545–546 (Rhodes p.312).
  7. ^ ローズ 上 p.521 (Rhodes p.296).
  8. ^ ローズ 上 pp.539–540 (Rhodes p.308) 引用部は原書より訳出。
  9. ^ ローズ 上 pp.3,28–32 (Rhodes pp.13,26–28). ウィアート pp.21–22.
  10. ^ ローズ 上 pp.528–531 (Rhodes pp.301–303). ウィアート pp.108–109. Wigner p.198.
  11. ^ ローズ 上 pp.531–532 (Rhodes p.303). ウィアート pp.109,116 (資料49). Wigner pp.197–198.
  12. ^ ローズ 上 p.540 (Rhodes p.308) 引用は原書より訳出。
  13. ^ ローズ 上 pp.16–17 (Rhodes pp.20–21). Wigner pp.94–97.
    Dannen, Gene. “The Einstein-Szilard Refrigerators”. Scientific American (January 1997). 
    邦訳:ダネン, G.「アインシュタインとシラードの冷蔵庫」『日経サイエンス』1997年4月号。 要約)。
  14. ^ ローズ 上 pp.532–533 (Rhodes pp.303–304). ウィアート pp.109,117–120 (資料50–52). Wigner p.198.
  15. ^ ローズ 上 pp.533–535 (Rhodes pp.304–305) 引用部は原書より訳出。ウィアート p.110. Wigner pp.198–199.
  16. ^ ローズ 上 p.535 (Rhodes p.305). ウィアート p.110.
  17. ^ ただしウィグナーの記憶はこれとは矛盾しており、アインシュタインはすでにこのとき大統領宛に手紙を口述し、自らがその完全で正確なドイツ語を英語に翻訳したとしている。(Wigner pp.200–201)
  18. ^ ローズ 上 pp.535–537 (Rhodes pp.305–307). ウィアート pp.111.120–121 (資料53).
  19. ^ ローズ 上 pp.537–538 (Rhodes p.307) 引用部は原書より訳出。ウィアート pp.111–112.
  20. ^ ローズ 上 pp.538–539 (Rhodes pp.307–308). ウィアート pp.112,122–129 (資料54–58).
  21. ^ ローズ 上 pp.541,547 (Rhodes pp.308–309,312–313). ウィアート pp.112.131–132 (資料61).
  22. ^ ローズ 上 pp.548,553–555 (Rhodes pp.313–315). ウィアート pp.112.135–137,139–140 (資料64,66).
  23. ^ ウィアート pp.113,144–146 (資料69).
  24. ^ ローズ 上 pp.555–559 (Rhodes pp.315–317). ウィアート pp.112–114,140–144 (資料67–68). Wigner pp.202–204, 引用は Wigner より訳出。
  25. ^ ローズ 上 p.559 (Rhodes p.317) 引用部は原書より訳出。ウィアート pp.148–149.
  26. ^ ウィアート pp.148–150,155–159 (資料74–77)
  27. ^ ウィアート pp.156–157 (資料75).
  28. ^ ウィアート p.150.
  29. ^ ローズ 上 p.644 (Rhodes p.368).
  30. ^ ローズ 上 pp.645–647,661–665,676–678 (Rhodes pp.368–369,377–379,386–388). ウィアート pp.188–189.
  31. ^ ローズ 上 pp.667,681–682 (Rhodes pp.381,388–389), 下 pp.8–12 (Rhodes pp.397–400). ウィアート p.189.
  32. ^ ローズ 下 pp.400–406 (Rhodes pp.635–638). ウィアート pp.235–241.
  33. ^ a b アインシュタイン, A.「日本人への私の弁明」『改造』第33巻第17号、改造社、1952年11月、54-55頁。 
  34. ^ Einstein, A.. “On my participation in the atom bomb project”. atomicarchive.com. 2023年8月3日閲覧。
  35. ^ “Scientist Tells of Einstein's A-Bomb Regrets” (PDF). Philadelphia Bulletin (AP). (1955年5月13日). オリジナルの2006年11月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20061108075927/http://virtor.bar.admin.ch/pdf/ausstellung_einstein_fr/der_pazifist/A-Bomb_Regrets.pdf 
  36. ^ ウィアート pp.235,238.
  37. ^ ローズ 下 pp.401–402 (Rhodes pp.635–636). ウィアート pp.236,257–271 (資料101–102).
  38. ^ ローズ 下 p.402 (Rhodes p.636). ウィアート p.236.
  39. ^ ローズ 下 pp.402–403 (Rhodes p.636). ウィアート pp.237–239.
  40. ^ ローズ 下 pp.403–406 (Rhodes pp.636–638). ウィアート pp.239–241.
  41. ^ ウィアート pp.242–246.
  42. ^ Einstein-Szilard Letter — 1939”. Atomic Heritage Foundation (2017年7月18日). 2023年8月3日閲覧。 “While other efforts were made to push the U.S. government into atomic research, such as the British MAUD Committee Report, there is no doubt that the Einstein-Szilard letter was vital.(イギリスのMAUD委員会報告書のようなアメリカ政府を原子力研究へと押し上げる他の取り組みは他にもあったものの、アインシュタイン=シラードの手紙が決定的 [vital] であったことに疑いはない)”
  43. ^ ローズ 上 p. 539
  44. ^ Smyth, Henry DeWolf (1945年7月1日). “Atomic Energy for Military Purposes (The Smyth Report)”. 2023年8月3日閲覧。
  45. ^ Wellerstein, Alex (2014年6月27日). “A bomb without Einstein?”. Restricted Data. 2023年8月3日閲覧。


「アインシュタイン=シラードの手紙」の続きの解説一覧

アインシュタインの手紙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 16:41 UTC 版)

レオ・シラード」の記事における「アインシュタインの手紙」の解説

詳細は「アインシュタイン=シラードの手紙」を参照 この時期シラードらはアメリカ政府に対してナチス核開発の危険と研究支援訴えたが、こうした亡命科学者訴えはほとんど反応引き起こすことができなかった。アメリカ政府への核開発働きかけとして現在とりわけ有名なルーズベルト大統領対するアインシュタインの手紙はこうした中で作成されたものであったシラードによれば、この大統領へ覚え書き作られ経緯は以下のようであった当初ウィグナーシラードは、ベルギーコンゴ採掘しているウランナチス・ドイツの手に渡ることを懸念していた。アインシュタインベルギー王太后との交流持っていることを知っていたシラードは、ウィグナーとともにアインシュタイン通じて王太后の手紙を依頼しようとしていた。しかし、頭越し外国接触することをアメリカ政府が嫌うことを懸念したシラードらは、まずアメリカ政府へのコネのある科学者への接触試みることになった。 彼らが接触したアレクサンダー・ザックス (Alexander Sachs) は、当時から抜群知名度があったアインシュタイン手紙書けば直接大統領へ手渡すことを約束した。やがてこの試みにエドワード・テラー加わり事情説明されアインシュタイン協力快諾した。こうして交渉相手アメリカ大統領となり、アインシュタインが元々ベルギー大使館宛に口述していた草案元にしてシラード2つ最終案起草し1939年8月2日アインシュタイン選択し署名した手紙ザックスへと渡された。この手紙では、連鎖反応近い将来実現されるであろうことと、それが強力な爆弾なり得ることを指摘した上でアメリカ政府核エネルギーへの関心喚起当面研究資金支援訴え、さらに核エネルギー研究がすでにドイツ政府レベル行われていることを示唆させる事実指摘していた。 アインシュタインの手紙が書かれたのはヨーロッパで開戦ひと月であったが、大統領届けられたのは10月になってからであったその後ウラン諮問委員会」(Advisory Committee on Uranium) が開かれ、6,000 ドル研究資金直接与えられることが決定された。しかし政府の動き遅く、このわずかな資金を得るためにシラードは再びアインシュタイン手紙依頼しなければならなかった。結局1940年4月2度目委員会決定経て資金得たフェルミシラードは、すぐさま黒鉛中性子吸収に関する実験行い、それが極めて低いものであることを突き止めた核分裂放出され二次中性子制御され連鎖反応維持するためには、中性子速度を落とす適当な減速材が必要となる。実験結果は、黒鉛減速材として用いた天然ウラン自足的連鎖反応が可能であることを示していた。今度はこの結果公表されることはなかった。

※この「アインシュタインの手紙」の解説は、「レオ・シラード」の解説の一部です。
「アインシュタインの手紙」を含む「レオ・シラード」の記事については、「レオ・シラード」の概要を参照ください。

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