その後の摂関とは? わかりやすく解説

その後の摂関

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 04:51 UTC 版)

摂関政治」の記事における「その後の摂関」の解説

1156年保元の乱藤氏長者藤原頼長謀反人として敗死没官となり、乱後新興天皇側近政治主導し上皇不在の際にも関白藤原忠通主導権回復できなかった。1159年平治の乱その後政変実力者多く死亡失脚したことで摂関家発言力いくぶん回復し1161年後白河上皇一時失権した後は天皇摂関家合議により朝政進められたが、大殿通に続き摂関近衛基実1166年病死する院政体制復権した。1184年木曽義仲武力院政停止し12歳松殿師家摂政就け朝政主宰させたが、義仲敗死受けて2か月院政に戻る。 若い後鳥羽天皇残して天の後白河1192年崩御し上皇不在となると関白九条兼実朝政主導する。しかし1196年源通親らによる建久七年の政変で兼実は失脚し近衛基通関白復帰する政変後の朝政を主導したのは関白でなく通親で、通親外孫土御門天皇即位させるなどしたが1202年の通親死去後後鳥羽による院政主導権取り戻す。 承久の乱経た鎌倉幕府影響下の朝廷で、摂家将軍藤原頼経の父九条道家四条天皇外祖父として太閤となり、ついで後堀河上皇崩御後に京に上皇がおらず治天が欠けている中で摂政となり、摂関政治再来とも思われた。しかし四条天皇夭折を境に九条家朝廷内で浮き上がり将軍頼経北条得宗対立より道家・頼父子とも失脚した道家失脚後摂関人事権院政戻らず幕府奪われるこの後摂関交代はもはや政治的事件としての重要性失ったまた、閑院流国母多数輩出する一方で摂関家からの入内自体少なくなり、以降確実なところでは(嘉喜門院参照)、1611年近衛前子まで摂関家出身国母存在しなかった。 1272年後嵯峨法皇崩御し亀山天皇が治天となった際、院評定形式そのまま踏襲して内裏議定が行われた。1290年に治天の後深草上皇政務から引退し伏見天皇親政が行われた際も同様である。もはや院が欠けて天皇が院同様の治天として親裁する慣行成立し内覧権限形式的なものとなった。 その後の摂関家は、荘園領主たる権門一角として一定の勢力保持した南北朝時代には正平一統破棄後の北朝再建際し二条良基が元関白として正統性寄与のため働いた近世入って豊臣秀吉が自ら関白就任したことは摂関政治復興させたと言えなくもない。しかし秀吉摂関征夷大将軍代わる武家の棟梁」として位置付けようとしたものであり、旧来の摂関政治復活とは軌を一にするものではなかった。 江戸時代には江戸幕府支援摂関家勢力再興された。しかし幕府介入によって摂関家当主による「合議制」による意思決定義務付けられた事によって、寧ろ逆に摂関政治否定されるになった。もっとも摂関家当主合議朝廷の最高意志決定機関となった事は、天皇権威弱める事でもあり、ある意味摂関家権威高める事でもあった。また禁中並公家諸法度において、摂関席次親王よりも上位とした事も、摂関家権威高め皇室権威下げる事につながった近衛基煕のように、将軍幕閣から政治有職などの諮問受けた摂関家当主もいたが、これは近衛朝廷内において親幕府派として振る舞った事による。もちろん摂関家が常に親幕府であった訳でなく、実際に霊元上皇が親幕府転じると、逆に近衛幕府とは距離をとる方針打ち出した事もある。ともあれ幕府としては、皇室摂関家分断する事によって、朝廷統制利用してきた。 幕末王政復古により、摂政関白征夷大将軍などと共に廃止され関白および人臣摂政以後置かれていないその後大日本帝国憲法および旧皇室典範皇族摂政制度改め定められ戦後の日本国憲法および皇室典範でも象徴天皇国事行為代行者としての摂政規定がある。

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