《台頭》の正しい読み方
「台頭」の正しい読み方
「台頭」の読み方は「たいとう」である。「台」は音読みで「だい」「たい」であるが、「だいとう」と読むのは間違いである。「台頭」の意味解説
「台頭」の意味は、「勢いを増すこと」「上奏文などで身分の高い人の名前や語を書くとき、敬意を表すために行を改め、他の行よりも高く書くこと」の2つの意味がある。上奏文とは意見や陳情を天皇にいうための文章であるため、現在では「勢いを増すこと」の意味で用いられるのが一般的である。またもともとは頭をもたげるという意味があることから、あまり存在を知られていなかった人物や団体が勢いづいたときに使用されるのが一般的であり、これまで隆盛を誇っていたものがさらに勢いをつけたときに用いられる事例はあまりない。なぜ「台頭」と読むのか・理由
「台頭」を「たいとう」と読む理由は「擡頭」にある。「台頭」はもともと「擡頭」と書いていたが、「擡」は画数も多く定着しづらかったために代用字として簡単で読みが似ている「台」に置き換えられた。「擡」は音読みで「たい」「だい」、訓読みで「もた(げる)」「もちあ(げる)」であり、「頭」と組み合わせることで、寝ていたものが頭をもちあげることを表している。したがって「台頭」は、読み方はそのまま音読みを組み合わせて「たいとう」、意味についても「擡頭」をそのまま引き継いでいるのである。「台頭」の類語・用例・例文
「台頭」の類語は「頭角を現す」「のしあがる」「急成長」などである。人や団体に用い、際立って優れている、他よりも早く高い地位にのぼる、短期間で著しい成長と発展を遂げることをいう表現である。いずれもこれまで目立たなかった人や団体が急に勢いづく様を表している。「台頭」の用例は目立たなかった団体や事物が急に目立つ存在になるという意味で「中国の台頭はアジア全体に大きな影響を与える」「AIやSNSなど新技術の台頭で多くの人が恩恵を受けている」などがある。歴史に大きく影響を与える人物や勢力を語る際に「武士である平清盛の台頭は、それまでの貴族社会に大きく影響を与えた」「彼は織田信長没後、天下人として台頭した豊臣秀吉の家臣となった」などがある。
「台頭」の英語用例・例文
「台頭」は英語で「rise」「emergence」「gain power」などであり名詞や動詞として用いられる。「次世代の台頭を感じる」は「I feel like the next generation is rising」、「新しい形の民主主義が台頭してきた」は「A new type of democracy was rising」、「我々は素晴らしい技術の台頭を見ることができます」は「We can see the emergence of wonderful technologies」である。「新興国企業の台頭」は「Rise of companies from emerging countries」、「勢力が台頭する」は「to gain power」と表すが、この他にも「come to the fore」を用いて「新人の台頭とともに老人は後退する」を「As new figures come to the fore, we old men drop behind」と表現する。《台頭》の正しい読み方
「台頭」の正しい読み方
「台頭」の正しい読み方は、「たいとう」である。「台」は「だい」と読む場合が多いが、「台頭」は「だいとう」とは読まない。
「台」を「たい」と読む例は案外多く、台風(たいふう)、台湾(たいわん)、舞台(ぶたい)、台東区(たいとうく)などがある。
「台頭」の意味解説
「台頭」という言葉には、次第に勢力を増して人や世間に存在を知られるようになるという意味がある。その他にも、上奏文で貴人の名、将軍に関する語が出てくる際に敬意を示すために他の行よりも一段高く書くという意味も含まれている。このように「台頭」には2種類の意味があるが、現代において上奏文を書く人はいない。したがって、「台頭」は一般的に前者の意味で使われることがほとんどである。なぜ「台頭」と読むのか・理由
「台頭」の「台」は音読みで「たい」、「頭」は音読みで「とう」と発音する。そのため、「たいとう」と読まれている。「台頭」の類語・用例・例文
「台頭」の類語として「頭角を現す」という慣用表現が挙げられる。そもそも「頭角」とは、動物の角や頭の先のことを示す言葉。すなわち、「頭角を現す」は、他の人よりも才能が明らかに抜きん出ているという意味がある。一方「台頭」には、才能や器量が他人よりも優れているというニュアンスは全くない。今まで全く影響力を持っていなかったものが活動領域を大きく広げ、世に知られるようになるという意味合いがある。「頭角を現す」は「台頭」と意味合いが少し似ているだけで、同じ意味というわけではない。そのため、文脈などで用いる際は注意する必要がある。「台頭」の例文
・武士が世に台頭するようになったのは鎌倉時代である。
・民主主義に代わって改革派が台頭してきた。
・アメリカ合衆国が超大国として台頭してきた。
・若い人たちが台頭してきたのは非常に頼もしい。
・才能豊かな作家の台頭が文学界を明るく照らし出した。
・若い選手の台頭がチーム全体を刺激した。
「台頭」の英語用例・例文
「台頭」の英語表現は、「rise」「raise one’s head」などがある。「rise」は、「台頭」を名詞として使いたい時に用いられる。そして、「raise one’s head」は「台頭」を動詞の形で使いたい時に用いられる表現。「raise one’s head」の「one’s」の部分には、台頭しているものの所有格を当てはめるのが決まりである。例えば、herを当てはめれば「彼女が台頭する」という意味になる。- 《台頭》の正しい読み方のページへのリンク