ひだ (列車)
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高山本線優等列車沿革
戦前の展開
第二次世界大戦前は優等列車ではないが、1932年10月8日より名古屋鉄道(当時の呼称は名岐鉄道)犬山線から高山本線(当時の呼称は高山線)に直通する列車が運行されていた。「黒潮列車」のような列車愛称が与えられていなかったものの、1945年まで運行されたとされる。1934年10月25日の高山本線全通時に、岐阜駅 - 高山駅間にも準急列車(当時は料金不要)が運行された[17]が、1937年に休止された[18]。
- 1932年(昭和7年)10月8日:犬山線から高山本線へ直通する初の列車が、当時の犬山線のターミナルであった柳橋駅 - 下呂駅間に土曜・休日に限り運行を開始。直通列車にはモ750形(755・756号)を半室畳敷きに改造した車両を充当し、所要時間は約2時間であった。
- 1933年(昭和8年)7月:乗り入れ専用車をトイレなどの特別整備を施したモ250形へ変更する。
- 1934年(昭和9年)10月25日:同日、高山本線が全通。これを機に岐阜駅 - 高山駅間に準急列車を毎日1往復運行。停車駅は那加・鵜沼・美濃太田・飛騨金山・下呂・飛騨小坂であった[17]。
- 1937年(昭和12年)秋:岐阜駅 - 高山駅間の準急列車を休止[18]。
- 1940年(昭和15年)10月10日:毎日1往復押切町駅(柳橋駅と同様名古屋の当時の名鉄ターミナル駅) - 富山駅間に定期列車を新設する。名鉄線内(押切町駅 - 新鵜沼駅間)では鉄道省の客車が押切町駅まで同社の電車(モ700形など)に牽引され、高山本線鵜沼駅 - 富山駅間では岐阜駅 - 富山駅間運転の列車に併結。
- 1941年(昭和16年)8月12日:新名古屋駅(現在の名鉄名古屋駅)が開業し、直通列車の発着駅も同駅に変更する。
- 1945年(昭和20年)戦況の悪化により直通列車は消滅(正確な時期・直接の中止理由は不詳)。最終期は高山本線内各駅停車であった[19]。
戦後・優等列車の設定とその後
- 1951年(昭和26年)
- 1952年(昭和27年)7月19日:この年から「乗鞍」は準急列車となる[18][23]。
- 1953年(昭和28年)9月19日:名古屋駅 - 下呂駅の不定期準急「山鳩」が高山駅まで延長され「飛騨」と改称[18][24]。これ以降、不定期に運行が続けられる[25]。なお、これ以降も名古屋駅 - 下呂駅間の不定期準急を運行した際は「やまばと」を使用した例がある[注 4]。
- 1955年(昭和30年)5月11日:高山本線に初めて夜行普通列車(通過駅あり)運行[27]。下りは名古屋駅発富山駅行[注 5]、上りは富山駅発岐阜駅行の快速運行[注 6]。
- 1958年(昭和33年)
- 1960年(昭和35年)
- 1961年(昭和36年)3月1日:富山駅発岐阜駅行きの夜行普通列車を「ひだ」に格上げ、富山駅発名古屋駅行きに変更[注 9]。
- 1963年(昭和38年)4月20日:名古屋駅 - 金沢駅間の急行「加越」1往復と四日市駅 - 高山駅間の準急「ひだ」1往復が増発される。「加越」は高山本線内の停車駅は最小限におさえられ、途中停車駅は尾張一宮・岐阜・美濃太田・下呂・高山・飛騨古川・富山・高岡・津幡であった[33]。
- 1965年(昭和40年)8月5日:名鉄神宮前駅 - 高山駅間で準急「たかやま」の運転を開始。
- この列車の運行に名鉄側は、国鉄特急形気動車に準じた内装の名鉄キハ8000系気動車を使用する。
- 1966年(昭和41年)
- 1967年(昭和42年)
特急「ひだ」の運転開始以降
- 1968年(昭和43年)10月1日:ヨンサントオのダイヤ改正に伴い以下のように運行列車の系統が変更される。
- 「ひだ」を名古屋駅 - 金沢駅間を東海道本線・高山本線・北陸本線経由で運行する特急列車に昇格。この時点では1往復のみの運行となる。停車駅は岐阜・美濃太田・下呂・高山・富山・高岡で、高山駅 - 富山駅間無停車であった[36]。
- 従来、「ひだ」「加越」など名古屋駅 - 富山駅間等を東海道本線・高山本線経由で運行する急行列車に「のりくら」の名称を与える。この時点では夜行列車1往復を含む下り6本上り7本で運行される。「しろがね」は高山本線内を夜行列車として走っていた1本を廃止。金沢発着の「のりくら」のうち1往復は季節列車として七尾線に直通し穴水駅まで運行される。
- 「のりくら」の名称で運行された大阪駅 - 高山駅間の急行列車は「くろゆり」に名称を変更。引き続き季節列車(不定期運行)とされた[37]。
- 下呂駅発美濃太田駅行の臨時急行列車として「ライン」が運行される。
- 1969年(昭和44年)
- 10月1日:「おくみの」の越美南線内を普通に変更。
- 1970年(昭和45年)
- 1971年(昭和46年)10月1日:大阪駅 - 高山駅間の季節急行列車「くろゆり」を「たかやま」に名称変更。
- 1972年(昭和47年)3月15日:「たかやま」を定期列車に昇格。また、「こがね」「しろがね」の運行が終了し、高山本線部分については「のりくら」に統合される。
- 1973年(昭和48年)
- 1974年(昭和49年)12月:「ライン」がこの時期を最後に運行が行われなくなる。
- 1975年(昭和50年)
- 7月:名古屋発高山行きの臨時快速列車として「飛騨路」(ひだじ)が運行される。
- 1976年(昭和51年)
- 1978年(昭和53年)10月2日:このときのダイヤ改正により、以下のように変更。
- 1980年(昭和55年)10月1日:特急「ひだ」のヘッドマークが合掌造りの家と飛騨山脈をモチーフとした絵入りの物に変更される。
- 1982年 (昭和57年):急行「おくみの」運行終了。
- 1984年(昭和59年)
- 2月1日:このときのダイヤ改正により、急行「うなづき」・「むろどう」を廃止。夜行の「のりくら」を廃止。
- 7月1日:特急「北アルプス」が夏期の富山地方鉄道立山駅乗り入れを中止。
- 1985年(昭和60年)3月14日:このときのダイヤ改正により、以下のように変更。
国鉄分割民営化以降
- 1988年(昭和63年)7月:大阪駅 - 高山駅間でジョイフルトレイン「ゴールデンエクスプレスアストル」使用の臨時特急「ユートピア高山」を富山駅経由で運転。大阪駅 - 富山駅間は特急「雷鳥」に併結して運行した。
- 1989年(平成元年)
- 1990年(平成2年)
- 3月10日:このときのダイヤ改正により、以下のように変更。
- 8月:大阪駅 - 高山駅間運行の臨時特急「ユートピア高山」の運転を終了。
- 1991年(平成3年)
- 2月7日:急行「たかやま」全車両のアコモデーション改造が完了する。なお、1990年12月末よりアコモ改造が始まり、完了した車両が随時定期運転列車に投入された。
- 3月16日:このときにダイヤ改正により以下のように変更。
- 1993年(平成5年)7月:「飛騨路」がこの年をもって運行が中止される。
- 1994年(平成6年)
- 10月25日:高山本線60周年記念式典が行われ、キハ82系による「メモリアルひだ号」をイベント列車として名古屋駅 - 高山駅間で1往復運転[49]。
- 12月上旬:高山本線全通60周年記念と美濃加茂市制40周年記念の「メモリアル6040ひだ」が運転。高山本線内ではキハ82系最後の運転となる。
- 1995年(平成7年)7月:「北アルプス」と連結される「ひだ」の臨時列車に運転日により、大阪発列車があてがわれる。急行「たかやま」も定期運行されている状況であるが、大阪駅発着の「ひだ」が初めて設定される[注 13]。なお、復路の大阪行きは単独運転[50]。
- 1996年(平成8年):
- 1999年(平成11年)
- 2月:スキー客向けの臨時列車「ワイドビューひだスキー」の運行を終了。浜松駅[注 15]または豊橋駅 - 飛騨古川駅間に往路夜行、復路昼行で運行されていた[55]。
- 12月4日:この日のダイヤ改正により、以下のように変更。
- 急行「たかやま」を廃止し、特急「ひだ」に格上げ。
- 大阪駅発着の「ひだ」は、岐阜駅にて名古屋駅発着列車との増解結を行う。
- 特急「北アルプス」は、定期特急「ひだ7号・18号」との連結運転となる。
- これに伴い、「ひだ」定期列車を8往復から10往復に増発。
2000年代の動き
- 2001年(平成13年)10月1日:特急「北アルプス」廃止。名鉄からの乗り入れ列車運転終了。
- 2003年(平成15年)
- 2004年(平成16年)10月:このとき発生した台風による水害により、高山本線高山駅 - 富山駅間が運休となる(路線の不通区間は高山駅 - 猪谷駅間)。11月より飛騨古川駅までの路線が復旧し、運休区間は、飛騨古川駅 - 富山駅間となる。
- 2007年(平成19年)
- 9月8日:高山本線の全線復旧に伴い、約3年ぶりに全区間での運転を再開。
- 10月6日:「いい旅 ふた旅 ひだ」運転開始。
- 2008年(平成20年)3月15日:「ひだ」の名古屋駅 - 高山駅間の1往復について、下りは午後発車の列車を午前中に、上りは夕方に発車する列車を昼に発車するダイヤに改正される。これにより、下り定期運転の一番早い列車「ひだ1号」が、改正前は午前11時に高山到着であったのが約1時間早くなり、午前10時に高山へ到着するダイヤとなる。
- 2009年(平成21年)
- 3月14日:富山駅 - 猪谷駅間の車掌業務がJR西日本富山地域鉄道部の担当に変更される。
- 6月1日:全車両全席禁煙となる。
2010年代以降の動き
- 2013年(平成25年)
- 3月16日:車内販売を廃止[59]。
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)3月26日:ひだ8号を高山発から富山発に延長、ひだ18号を富山発から高山発に短縮。前者については東京始発のかがやき503号から接続、名古屋駅乗り換えを含めた東京都心から高山市への利便性も向上するとしている[61][62]。また、大阪発着の特急しなのの廃止に伴い、「ひだ」は寝台特急サンライズ瀬戸・出雲を除き、JR東海の特急列車としては唯一の大阪発着列車になった。
- 2018年(平成30年)
- 3月17日:ダイヤ改正を機に、エル特急指定を解除[63][64]。
- 6月29日:下呂駅 - 高山駅間(一部列車は全区間)で運転見合わせ[65][66]。
- 7月1日:グリーン車で無料Wi-Fiサービスを開始[67]
- 8月11日:平成30年7月豪雨に伴い、高山本線・飛騨小坂駅 - 富山駅間でも不通となったために全区間運休であったが、名古屋駅・大阪駅 - 飛騨古川駅間で運転再開[68]。しかし、坂上駅 - 猪谷駅では不通区間が存在するために高山駅 - 飛騨古川駅 - 猪谷駅間の代行バス運転は継続する[69]。
- 11月21日:坂上駅 - 猪谷駅間の不通区間の復旧に伴い、飛騨古川駅-富山駅間の運転再開[70][71]。全車両で無料Wi-Fi サービスを開始[72]
- 2019年(令和元年)
- 2022年(令和4年)
- 2023年(令和5年)
- 2024年(令和6年)3月16日: 北陸新幹線金沢 - 敦賀間の開業に伴い、「ひだ」は他地方から北陸方面へ直通する唯一の特急になる。
注釈
- ^ 但し、気動車を使用。
- ^ 『JR時刻表』(編集・発行 交通新聞社)の巻頭特急ページ(水色)における、当列車の時刻表は2015年3月号にも、2000年代前半までに定例的な臨時停車を終了した飛騨一ノ宮駅(春季の臥龍桜)・坂上駅(駅近くの宗教団体の祭事)・杉原駅(冬季のスキー)が掲載されている。なお当列車の時刻表には1999年に臨時運行を終了した富山駅 - 金沢駅間の欄があいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道移管直前の2015年2月号まで掲載されていた。
- ^ この臨時特急は1995年から「北アルプス」との併結で運行開始されており、1999年12月4日の急行「たかやま」廃止までは、大阪駅 - 高山駅間の列車は、定期列車が急行、臨時列車が特急となっていた。
- ^ 1957年頃の名古屋駅構内に「下呂温泉方面 準急やまばと号」の横断幕が掲示されていた記録がある[26]。
- ^ 高山駅までは快速運転、高山駅からは杉崎駅をのぞき各駅停車[28]。
- ^ 富山駅発の夜行快速列車は現在の飛騨市内では坂上駅・飛騨細江駅に停車、飛騨古川駅は通過していた[28]。
- ^ 1958年11月時点では大阪駅 - 下呂駅間の「くろゆり」が設定[29]、1959年7月時点では大阪駅 - 高山駅間の「乗鞍」が設定[30]。
- ^ 名古屋駅発の夜行準急「しろがね」は1961年10月1日改正まで飛騨古川駅は通過していた[31][32]。
- ^ この準急「ひだ」は前身の夜行快速列車と同様、1963年4月20日改正まで飛騨古川駅は通過していた(坂上駅・飛騨細江駅も通過)[33]。
- ^ 国鉄から営業政策上、「新名古屋」発着として扱う旨の通告があった。このため、国鉄側が公表するダイヤ等では全て「新名古屋」発着として表記される。ただし、名鉄側では従来通り「神宮前」発着と公表。
- ^ 上り(高山→名古屋)2時間14分
- ^ 上り(富山→名古屋)3時間44分
- ^ この時点では大阪発と名古屋発のいずれかを併結
- ^ 途中高岡駅に停車[52]。
- ^ 1998年1 - 2月は浜松駅発着で運行。停車駅は浜松駅・鷲津駅・豊橋駅・蒲郡駅・岡崎駅・安城駅・刈谷駅・大府駅・金山駅・名古屋駅・尾張一宮駅・岐阜駅・美濃太田駅(上りのみ)・下呂駅(上りのみ)・高山駅・飛騨古川駅[54]。
- ^ 高山駅 - 飛騨古川駅間でグリーン車が連結される列車は飛騨古川駅発着の5号と12号のみ。
出典
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- 1 ひだ (列車)とは
- 2 ひだ (列車)の概要
- 3 高山本線優等列車沿革
- 4 脚注
- ひだ (列車)のページへのリンク