第4シリーズ / サイレントブラック
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「9番目のムサシ」の記事における「第4シリーズ / サイレントブラック」の解説
宮本慶太(みやもと けいた) S大付属上田原高校2年の高校生、17歳。黒縁眼鏡の少年。無謀な大使館に対する特攻を思いとどまり、慎悟によるトレーニングを受ける。眼鏡を外し、コンタクトに変えた。ロスが捕縛されて後も彼を操った敵の存在に備えて訓練が続くが、黒幕はアフリカにいるということもあり実感がなかった。何も知らないことで彼らに関わったデメリットを自覚できなかったが、地元のヤクザを差し向けられたことで現実を認識した。しかし、慎悟と篠塚の心に影を差す「過去」に対抗意識を燃やし、名前も知らず会ったことすらない「友人」DIVに憎悪すら抱いていた。和樹に勧められて慎悟が友人と暮らした廃村を目指すが、目的地の山の最寄りの駅で中学生の少年・大介と知り合う。当初は裏道を知っていると言われても帰れと拒んでいたが、まだ甘さが残っていて夜道を麓に戻るより自身のそばにいる方が危険だとわからず、情にほだされて大介の同行を許してしまう。村で「異端のD」と出会い、セロをタックルで捕まえて彼らを驚かせた。彼らから慎悟とDIVを巡る「赤い馬」壊滅の経緯を聞かされて激情に駆られ、危険な森に近づきすぎてセレストに捕らえられるもディエスたちの仲間だった大介に救われる。帰京するが、鍛えても一般人の域を出ないため、篠塚に対する大介の抱く恐怖を緊張だと勘違いした。 その後も自身の感情を優先させて暴走し、後悔しても同じ過ちを繰り返してしまう。和樹の母親からの連絡で彼の姿が消えたことを知り、厳重な「UB」の警護を受ける中で密かに抜け出して駆けつけた病院で「JBF」に和樹を誘拐したと告げられ、すでに敵のアジトに送られたと知らずにトレイドたちに捕まる。そのため、慎悟をおびき寄せる餌となり彼が毒殺されかける危機の原因となる。慎悟を目の前で拷問されて「UB」の名を口走り、セロ(DIV)の助けを拒んで再び敵の手中に後戻りしてしまい、慎悟と共にセロに救い出して貰おうとした篠塚の気持ちを無にして彼女と共に「JBF」のアジトに連行される。そこでもヒステリックな言動でトレイドたちに逆らい、篠塚や和樹に迷惑がかかることが理解できない。オークションの夜も部屋を飛び出しては監視のJBFメンバーに連れ戻されて完全な監禁状態となり、篠塚を守るつもりで彼女の足を引っ張ることにしかならない小さな騒動を数回起こした。「UB」と「煌龍」の敵対関係を知らないため、篠塚を落札しても何もせずに帰る結城(張)をいい人だと思い込み、篠塚が否定したにも関わらず、自分たちを助けてくれた彼女の友人だと思い込んでしまい、結城を「男気」があるすごい人と勘違いして感動に打ち震え篠塚を唖然とさせた。警報の正体が篠塚の反撃の一環だと知り、結城も助けてくれるのではないかと期待する。ただし、寝室と続き部屋となっている浴室の猫足バスタブと欧米式の入浴に馴染めず、不満をつぶやく。「異端のD」の攻撃で「JBF」が混乱する中、篠塚の指示で研究棟に駆けつけ先乗りした大介によりバルザックが倒されるが、エンダイブとカーマインに和樹を盾にされて彼らの許に行こうとした際、和樹は「UB」の保護下にありUBメンバーが入れ替わっていたことを知る。一足先に慎悟の元に戻り、彼から篠塚のナンバーを教えられ、生きる世界の違う2人の覚悟を真の意味で悟った。 慎悟に対する爆死偽装を企むDIVと「異端のD」の依頼を承諾した篠塚にメッセンジャーとして利用され、シールを貼った偽のDナンバーの刺青を見せられたりしたが、篠塚が「DIVの死」を慎悟に伝えさせようとしていることに気づいて拒絶した。真相を知らぬまま「JBF」に捕らわれたため、セロがDIVであることは知らない。 我妻和樹(あがつま かずき) 慶太の親友。中学から続くイジメに彼が限界を迎えたころ、転入してきてイジメを働くグループを徹底的に打ちのめして慶太と親友になった。慶太を庇ってロスの運転する車に撥ねられて意識不明に陥るが、戸垣警部補が帰った後、慶太の呼びかけに「了解」と答えて目を覚ました。意外に早く登校できるようになるが、慶太と彼をイジメていた生徒が仲良しになっているのに驚いた。アレック(カーマイン)の正体を知らず、彼の見舞いとしてトレイドたちと顔見知りになる。カーマインの毒により体調が悪化する。病院に潜入した篠塚に頼み事をされた直後、階段から転落して重体に陥る。「JBF」のアジトの研究棟で昏睡状態が続いており、点滴で栄養を取るのがやっとという有り様だとトレイドが人質の身を顧みない慶太に語った。 実は篠塚の頼み事とはUBメンバーと入れ替わることであり、要塞島に連れて行かれたのはNo.101だった。慶太には伏せられ、密かに「UB」で治療を受けている。 デム・デ・ロス リド王国の大使館に勤務する書記官。信号無視で突っ込んで和樹に怪我を負わせるが、外交官特権に守られる。本国でも武器の密輸を行っており、問題視される人物。慶太を始末して保身を図ろうとするが、クーデターの陰謀を知った皇太子が外交官の資格剥奪を宣言、戸垣に逮捕される。 戸垣(とがき)、田崎(たざき) 警視庁K警察署に所属する警部補とその部下。和樹の事件を担当する刑事。慶太と和樹のために正義を行使したいと願っており、捜査をするなとの署長の命令に背いて大使館に出向きロスの事情聴取を行おうとした。イックの手配により和樹の事件に限定して警視正クラスの権限を与えられ、念願叶ってロスの逮捕に成功する。ロス逮捕の報告をしてイックらのことを「すげぇ奴らがいたもんだ」と何度も呟きながら署に帰った。 皇太子 リド王国の王位継承者。起業家「シノ」として接近した篠塚が正体を明かしてロスの叛逆を知らされたため、警察に白を切ろうとしたロスを資格剥奪に処して日本警察の手に委ねた。 ミスターR リド王国乗っ取り計画の黒幕グループの1人。「異端のD」による攻撃が始まった際、「JBF」の不利を悟り贅沢な生活に溺れ騒ぐだけの仲間を見限り、カダターン人の1人と共に買収したJBFメンバーの手引きで非常事態に備えた隠し港で偶然ダーク・モスと合流して「蛙島」からの脱出を図るが、待ち構えていたドセに阻止され、「UB」の潜水艦に行く手を遮られて捕縛される。 トレイド 暗殺集団「JBF」の主力メンバー。3人組のリーダー格。レイヴンの従弟であり、彼を追って家を捨て3人一緒に「赤い馬」に入った。リド王国乗っ取り計画阻止とそれを企んでUBアフリカ支部に追われる黒幕に依頼され、先発隊と地元のヤクザが失敗したことで自ら乗り込んだ。ホテルで「アンダーソン」と名乗り、長めの髪を首の辺りで束ねる。壊滅した「赤い馬」のヤンと繋がりがあり、組織壊滅の原因になった人物の名を聞き及んでいた。自分達を追放した「赤い馬」壊滅の原因となった2人を捕縛し、その組織を潰すことで「赤い馬」に対する復讐を果たして「JBF」の名を世界に轟かせようと画策する。セレスト捕縛と現状を鑑みたレイヴンの厳命により早急な「シノヅカ」捕縛を余儀なくされる。脅迫材料として確保して手放すつもりのなかった慎悟を奪還されるが、慶太を人質にして篠塚を連行することにかろうじて成功する。慎悟を救出したのは篠塚の部下だと思い込んでおり、全滅したと思っている「D」に生き残りがいて「UB」と協力体制を取っていることは知らない。篠塚に対して本能的な恐怖が消えずに緊張を強いられる一方で、依頼人であるリド王国の富を狙った黒幕たちに篠塚処刑と彼女たちが本館で自分たちが別館に置かれることの不満をぶつけられる。UBメンバーの潜入する隙間は無いと豪語するが、すでに島の警護の中にUBメンバーが入り込んでいることに気づいていない。オークションでトレイドはポニーテールにした。静かすぎる、動かなすぎることに篠塚は本当に動けないのかという胸騒ぎは不審船の接近により現実となる。予想外の窮地に後悔に苛まれ、篠塚に対する執着と破滅の恐怖に制御不能になって彼女に危害を加えようとするレイヴンの姿に動揺する。移動を拒む篠塚とダーク・モスの部下を倒したDIVの会話に、「UB」と「異端のD」が協力関係にあることを知る。レイヴンを目の前でDIVに殺され、潜水ポッドに乗って脱出するも抜け殻のようになって「UB」に捕縛された。 エンダイブ 無精髭を生やしている所為で粗野な印象がある。公園で慶太と語らう標的(篠塚)の姿を見つけるが、2人を取り巻く警護に気づいて組織の強大さを悟ったトレイドに制止される。長身とごつい体格と大胆すぎる行動で篠塚を男性だと決めつけてカーマインを嘲笑するが、触れることなく篠塚が女性だと看破したレイヴンに叱責される。それでもオークションの夜に反発する慶太に「あんな男みたいな奴に買い手になる物好きはいないだろう」と篠塚を見下していたが、普段の男性にしか見えない篠塚が美女に化けて言葉を失う。無精髭を剃ったが、再び三日月が巡って来たころには髭面に戻った。レイヴンが篠塚を我が物にしようとする姿に、かつて「赤い馬」時代にレイヴンが蔑まれ追放した「赤い馬」の幹部に激怒して制御不能に陥り、一個小隊を皆殺しにして遺体を橋から吊るしたことを思い出して慄然となる。「異端のD」の攻撃を受けレイヴンの命令で研究棟に向かうが、病院で和樹と入れ替わっていたNo.101に捕縛される。 カーマイン 別名「毒のプリンス」。3人の中で一番年少らしく1人だけ一人称が「僕」であり、軽めの印象があって失敗した者はすぐ始末してしまいメンバーが育たないと注意される人物。交通事故による怪我人という形で病院に潜入して数名の重症患者の容体を急変させ、和樹に接近する。彼を餌に篠塚と慶太を要塞島に連れ帰るが、篠塚に対する恐怖に苛まれて彼女を避けていたが、本館の中で篠塚と慶太の会話を聞き、男性だと思っていた篠塚の真の性別を知って驚愕するが、エンダイブに嘲笑されるもレイヴンにより自身の主張が認められる。昏睡状態が続く和樹と親友を見捨てられない慶太を盾にすれば「伝説」と謳われても何も出来ないとエンダイブと共に篠塚を軽視するが、正体不明の艦船が島を包囲し、世界を動かす「UB」の力を目の当たりにする。我を失い篠塚を永遠に虜囚にしようとするレイヴンや必死に彼を制止するトレイドとエンダイブは何もわかっていないと思い、篠塚は「モンスター」だとなおも恐怖を抱く。「異端のD」により組織が混乱に陥る中、和樹を盾に窮地を覆そうとするが、自分たちが篠塚の策略に踊らされていたことを知る。 コードナンバーは「FRIII(エフアールスリー)」。 セレスト トレイドらと同じ「JBF」のメンバー。左目の下に泣きボクロがある。慶太捕縛の作戦のため、トレイドに呼ばれた。ナイフの達人。自然界のあらゆるものに擬態してターゲットに接近し、相手に視認されることなくナイフで倒すことで「ミミック(擬態する者)」と呼ばれ恐れられており、自身が確かに実行したという証拠にカエルの絵を残す。コードナンバーは「B3XX(ビースリートゥエンティ)」。 慶太を捕らえて敵をおびき出したと思い勝利を確信した直後、ディエスらばかりか大介までもが元「赤い馬」の上級クラスの実行メンバーであり、自身にとって最悪なことに「異端のD」という正体と彼らの思惑に踊らされた事実に凍りつく。闇に乗じて逃亡を図るも相手にすらならずにチームは全滅し、自身も大介に一方的に敗れた末に捕縛されて「UB」に引き渡された。 萩原大介(はぎわら だいすけ) ディエスたちと同じ「異端のD」の1人。高校受験を控えて補習で学校に呼び出された中学3年生の少年と偽り、物心つかぬころに両親に捨てられるも育ててくれた祖父のために、慶太の目的地と同じ廃村を目指す同行者を捜していたと身の上を語って中学教師・佐渡に変装したディエスと偶然の出会いを演出し、一般人の中学生を装って慶太の友人という形で彼を警護した。日本人にしか見えず外国人の訛りもないのだが、日本人でもアジア系でもない外国人だと慶太に語る。髪を黒く染めてカラコンを装着し、日本人に変装している。慶太に正体を知られることなく一緒にいたいと願う程に彼に惹かれるが、セレストの暴行に激怒してDナンバーであることを明かして彼を倒す。慶太と共に下山して上京するが、慎悟と入れ違いにやって来た篠塚とはその時が初対面であり、「JBF」のトレイドたちと同様の恐怖を抱き、彼女が部屋を訪ねて来ると怯えてディエスの陰に隠れてしまう。事前に篠塚は女性だとディエスに教えられていたが、恐怖で頭の中が真っ白になり吹っ飛んで忘れていた。DIVが爆死したとされる1年前、山に行かされたとぼやいて慶太を連れ回した。山で何をしていたか詳細は不明。 「JBF」に誘拐された慎悟と慶太の追跡を中断して篠塚の指示に従ったが、慶太を心配して後ろ髪を引かれる思いだった。ディエスたちと共に施設にやって来て、慎悟にDIVのことが露見したことを知る。DIVの爆死偽装を慶太を巻き込んでディエスたちと共に実行するが、DIVに対する慎悟の思いの深さの前に計画は破綻しても「そっかぁ」とさほどショックは受けていない。ディエスが真相を話し始めた際、DIV救助メンバーからチビだという理由で外されたと不満を漏らす。イックやNo.23は裏切りを慎悟は仕方のないことだと理解してくれると言ったが、DIVを追いかけることも彼の頼みで篠塚が生存を隠蔽して動きを封じ、死を偽装するDIVと自分たちの企みにも加担して嘘で塗り固められた「牢獄」に置かれたことに慎悟が深く傷ついていることを察して罪悪感を抱き、慎悟が「空」と呼ばずにDIVとしか呼ばないことに不安を感じる。セクシーな女装姿のNo.7を見て「すげぇ美女!」と呆然となった。要塞島に乗り込み、研究棟でバルザックを倒す。その際、相手を煽り楽しみながら倒したため、慶太に呆れられる。 第5シリーズでは他のDと共に「村」で暮らしている。慎悟と篠塚に逆らえないため、かがりの話し相手になるよう慎悟に言われて断ろうとするが、慶太に言うぞと脅迫されて承諾する。 コードナンバーは「DXVI(ディーシックスティーン)」。 ディエス、ドセ 前シリーズでDIVに対するDコール発令を知り、彼を救おうと篠塚に助力を懇願した「異端のD」。鴨居に頭がつく程の長身。ディエスは眼鏡をかけて前髪を左で分けたショートヘア、ドセは暗い色の肌と後頭部でオールバックにした腰まである暗い色の長い髪を1本に結っている。大介(DXVI)は慶太と共に行動し、一番背が高いセロと3人で行動することが多い。ディエスはセロを「DIVに一番近い男」と称していたが、実はDIV自身だった。D候補時代、生き残るも機械にはなれないと「脱走」という最後の賭けに出ようとした矢先、教官を欺いたDIVの計画により脱走は成功したが、一緒に組織を捨てて自由の身になろうという訴えに耳を貸さずに戻ってしまったDIVに心を痛めた。組織の崩壊をも齎す「Dコール」が自分たちの恩人であり組織に忠実なDナンバーの頂点に立つDIVをターゲットとして発令されたと「異端ネットワーク」に情報が齎され、他の行動可能な仲間と共に情報収集に奔走した。DIVが暗殺すべく狙っていた「シノヅカ」の恋人(慎悟)を守って渡そうとしない彼と組織との間で軋轢が生じ、Dナンバーであっても脱出困難な養成所に監禁された次代のドンに定められたフランツが救出されて地中海の島にいることを掴む。尋常な相手ではないと気づいた「シノヅカ」にDIVを救う助力を懇願に赴き、彼女が「UB」のエージェントであることを知り、フランツを救い情報を流して「異端のD」を呼び寄せることが「シンゴ」とその友人(DIV)を救う彼女の計画の一環だと悟る。DIVを救う術を与えられて救出メンバーを選出し、慎悟と共にDIVが暮らす山の廃村に赴いた。 慶太を狙う追っ手を倒し、慎悟が暮らした村に入り込んだ。警戒する慶太に敵か味方かを問われて「ビミョー」と答えた。DIVの件での借りを返すべく「UB」と協力体制を取り、慶太の警護と村の警備を務める。特別報酬に目が眩んだ敵の傭兵を罠に嵌めて捕縛し、拷問により得た情報を篠塚に連絡した。慎悟に伝えることを慶太に断られ、木苺のペンダントを手渡すのも自分達でやれと言われて一緒に下山した。念のため、慶太を大介と2人だけにして距離を置いて行動するが、如何にもありがちなチンピラの絡みというベタすぎる展開に不審を抱き、彼らに金を渡して襲わせた「JBF」のメンバーを倒し、セレスト捕縛だけではなく「怖いお兄さん(レイヴン)」のプレッシャーによる敵の焦りを察して篠塚に警戒の強化を進言する。その後、計画通りに慎悟に「DIVは死んだ」と嘘を告げる。敵の手に落ちた慎悟と慶太を救出すべく後を追ったが、慎悟救出に向かったセロ(DIV)を除き、篠塚の指示で計画の準備のための行動に移った。イックに海沿いの施設に呼び出され、DIV自身が別人のふりで「DIV死亡」を信じ込ませようとしたことにより正体を見破っていた慎悟がDIVに対する根深い不信に囚われていることを告げられる。自分たちの失策に気づき、慎悟に「人質奪還作戦」の参加を表明し、騙したことを謝罪しつつ「赤い馬」壊滅の真相を打ち明ける。蚊帳の外に置かれて周囲のすべてが裏切ったことに怒りを隠せない慎悟に対し、DIVのために動く存在として篠塚に呼び出されたことを語り、篠塚も自分たちもDIVが何をしようとしているか知っていながら止めなかったと非難され、ぶつかろうとしなかったにも関わらずDIVは説得して思い留まるような人間ではないと言い訳をした。ドセがわざとソーサー(受け皿)を落として割った音で慎悟に過呼吸を起こさせたため、篠塚とDIVに殺されるぞと大介に呆れられる。DIVと同様に「赤い馬」が滅んでも自分たちは暗殺者ゆえに「UBエージェントの恋人」である慎悟とは敵でしかないと歪んだ思考を持ち、DIVは「慎悟のため」に行動していると彼を支持する。敬語で受け答えするフランツと繋がっており、その連絡で予想通りの展開だとわかり準備を始める。すべてが終わった後、自分たちも望みと篠塚の要望により、彼女の直属の部下となる。 第5シリーズでかがりを安心させるため、ディエスは女装して接した。第4シリーズ最終章でも「信頼で任せるほど甘くはない」とイックに語ったが、かがりの力になりたいと思う慎悟を見て、DIVに「篠塚は甘くない」と冷ややかに語る。 正式なDとしてのナンバーはディエスが「10(テン)」、ドセが「12(トゥエルブ)」。 レイヴン 本部より指令を下す「JBF」のリーダー。貴族出身ゆえにプライドが高く、見下されたりすると怒りのあまり制御不能に陥り残虐な行為に走ることがあり、その時ばかりはトレイドたちも制止するのが困難になる。トレイドたちの「兄」と呼ばれるが、実は従兄弟同士。トレイドが報告したと告げた途端にエンダイブとカーマインが蒼白になるという恐怖の対象であり、主力メンバーであろうと目的のためには命を使い捨てにする狡猾で残忍な人物。組織内で自身の命令に逆らった者は死ぬよりつらい目に遭わせられる「地下牢」の生涯幽閉することが知れ渡っている。部下と共に捕縛されたセレストの罪は不問に付すが、罰則に替わる命令として「シノヅカ」を一刻も早く捕縛・連行するようにと命令を下す。敵が強ければ強いほど征服欲が増し、篠塚が「UB」のエージェントだと知った時、歓喜の沈黙の後に改めて篠塚の連行をトレイドたちに命じた。上昇志向が強くて自信満々だが、自分たちが格下の組織だと自覚しており、裏社会の意識を変えて「第2の赤い馬」に成り上がろうと計画を練る。トレイドと同様、外部と切り離して孤立させれば少数では何もできない、敵対する者同士では助けにならないと考え、他の誰かの手に渡すまいという心情が助ける形を取ることが理解できない。 「赤い馬」に在籍していたのは2年という短期間だったが、放逐された際、自身に関する書類をも処分して情報・痕跡を抹消した。そのため、放逐するだけの他のメンバーとは異なり、唯一、暗殺命令の対象となった。散策中の篠塚に接触して「貴方のナンバーとコードネームを教えて頂きたい。さらに上位の方を御紹介願いたい」と彼女の能力と地位を低く見るが、その際、篠塚が女性だと気づく。篠塚と慶太の会話を聞いて同じく女性だと知ったカーマインの言葉を信じようとしなかったエンダイブを叱責し、組織の名を世界に知らしめるために「UBのシノヅカ」を利用しようと裏社会の大物たちに招待状を出す。会場の場所は口外無用、同行者は身元のハッキリした側近一名とし、オークションを承諾した篠塚にも「買い手の寝首を掻こうとしたり逃亡の協力を求めても無駄です。招待客は貴方の組織(=「UB」)と敵対する大物ばかり、その手は通用しない」と告げ、彼女が秘める思惑を知ることなく自身では釘を刺したつもりだった。篠塚の美貌を認識しても女性らしさを強調するバッスルスタイルのローブ・デコルテを選んで渡したり、カーマインに「(商品として)見れるように仕上げただろうな」と確認するなど女性としての評価は低かったため、彼女が予想を上回る美女に化けたことに驚愕した。「オークショニア(競売人)」を務め、瞬く間に1億の大台に駆け上がり20億ドルでイタリアの大物が落札した直後に来ないと思った「煌龍」の結城(張)が現われ、最終入札額を上回る50億ドルで買い受けたいという彼の申し出を断ろうとするが、落札した大物が「煌龍」を恐れて結城に権利を譲り、篠塚とは不倶戴天の敵ながら既知の間柄という事実を披露した結城の手に「シノヅカの一晩」が渡ってしまう。篠塚を「JBF」の宣伝に利用するつもりで逆に「商品」と「買い手」という形を取りながら水面下で2人が結託したため、屈服しなくても篠塚の屈辱に歪む顔を見ることが出来ると楽しみにしていた自身がプライドをズタズタにされ屈辱にまみれる結果となる。 自身を見下した「赤い馬」を恨んで離反し「JBF」を作るが、カリブ海の要塞化した本拠地の島を「赤い馬」に突きとめられDナンバーが迫るもDコールで窮地を脱した運の強さに驚嘆し、用心のためにトレイドたちと共に欧州の海に「D対策」のために築いた新しい要塞島に移った。リド王国乗っ取りに失敗した依頼人を追いつめる敵が「UB」だと知り、指揮を執る篠塚を虜囚とすることに成功するが、のらりくらりとナンバーを明かさず檻の中ですら制御困難な彼女の扱いに苦慮する。それでも「JBF」を「赤い馬」以上の組織にすることが可能だと確信するが、囚われの身でオークションを失敗に追い込まれ「天敵」の力を思い知る。トレイドの提案で篠塚の足枷を強固にすべく慶太に和樹との面会の許可を与え、月下の四阿で帰りを待つ篠塚を見て「月の光に溶けてしまいそうな獣」「強大な力を持つ囚われた月の女神」と評して檻を破る前に彼女を殺すか、あるいは我が物としようかとの衝動に駆られる。その矢先、沖合に突如出現した正体不明の艦船が島を包囲し、諸外国の破滅を呼ぶ動きに震撼する。篠塚が「UB」の上位メンバーだろうと推測するも世界中の海軍を動かすほどの大物とは思っていなかったため、アメリカ海軍の知人 (No.7) を介して篠塚が艦隊を差し向けたことを知り、裏社会のトップに君臨する夢が潰える恐怖に襲われる。篠塚に特別な感情を抱いていてオークションで「煌龍」の総帥が彼女の「一晩」を手に入れ共に踊る姿に嫉妬し、名誉と権力以外に敵である1人の女性に執着してトレイドたちを驚かせる。感情も露わに篠塚の肉体の一部を脅迫材料に「UB」に送りつけようとし、その前に手足の腱を切って永遠に虜囚に貶めようとして彼女自身に切り取った髪を提供され逆にあしらわれてしまう。篠塚にそう仕向けられていることに気づかず、彼女の髪と共に送りつけた脅迫状でセレストの解放とリド王国の明け渡しをも要求する。要塞島を制圧され、自爆装置を作動させる直前、篠塚を手に入れようとしてDIVに惨殺される。しかし、遺体は見つかっていない。 イタリアの大物 レイヴンの開催したオークションに出席した招待客の一人。「赤い馬」を惜しんでおり、滅んだ事情を知らないので「どうして滅んだのか?」と不思議がっていた。その一方で「赤い馬はそこら辺の雑魚が名乗れる組織ではない」と惜しむがゆえにこそ、元は「赤い馬」のメンバーであっても「JBF」を雑魚だと蔑んでいる。当初は関心がまるで無かったが、招待状の内容を読んで「商品」がUBメンバーだと知り、部下と共に「JBF」のアジトに赴いた。他の大物たちと同様に真贋を疑っていたが、裏社会で生き抜いている自身の眼で篠塚が本物のUBメンバーだと確信して真っ先に声を上げ、たかが女一人と価値が理解できない部下を退ける。20億ドルで「UBメンバー・シノヅカの一晩」を落札するが、それを上回る50億で買い受けたいという「煌龍」の結城と争うことを避けたいのと彼を捕縛した当事者の篠塚に手を出せば火傷では済まないと権利を譲った。 山川(やまかわ) 特別よみきり「山川君の非日常」で登場したライダースーツの青年。大学生。両親と2人の弟・2人の妹を持つ5人兄妹の長男。数年前に亡くなった祖父の影響で幼いころよりバイクが大好き。進学を諦めて就職するつもりだったが、両親に諭されて猛勉強の末に国立大学に合格したが、過労で倒れた父親が病気を併発して働けなくなった。思い出に「一日ツーリング」に出かけた際に「JBF」の引き起こした騒動に巻き込まれてしまう。 ダーク・モス 「Mission2:episode21」に登場したJBFメンバーの紳士然とした男性。傘に仕込んだ刃物でターゲットを仕留めた。翌日の予定をキャンセルされ、その理由を知り本部に帰還する。 「UB」と「異端のD」による攻撃で「JBF」の滅亡を予感し、同様に不利な状況を察して逃亡を図ったミスターRたちと隠し港からの脱出を図るが、その動きを読んでいた「UB」に捕縛される。 バルザック 「Mission2:episode21」である部隊を壊滅させたJBFメンバーの男性。眉が無い。慶太と和樹に扮したNo.101のいる研究棟に現れた大介と対峙するが、瞬く間に倒されてしまう。 タイガー・リリー 「Mission2:episode21」でターゲットを全滅させたJBFメンバーの女性。チャイナドレスに身を包み、大きな鎌を武器とする。実行部隊ナンバー3の実力者で負け知らずだったが、ディエスに倒される。
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