リング精紡機とは? わかりやすく解説

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リング精紡機〈/一八九三年、英国製〉

主名称: リング精紡機〈/一八九三年英国製〉
指定番号 100
枝番 0
指定年月日 1999.06.07(平成11.06.07)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 1台
時代区分 欧米 19世紀
年代 1893
検索年代 1893
解説文: 幕末開港後英国からの良質安価な綿糸中国綿、後にインド綿)の輸入増大伴って輸入機械による工場建設始まった。その嚆矢薩摩藩による鹿児島紡績所(慶応三年一八六七>)で、明治維新後も政府奨励策によって明治十八年(一八八五)までに二〇か所ほどの小紡績所が開業した。しかし大部分未熟な技術設備投資等によって経営不振であったその間明治十五年(一八八二)に渋沢栄一主唱により、華族政商・綿関係商を株主大阪紡績会社設立され翌年七月ミュール精紡機一六台・一万五百錘を輸入設置し大規模生産蒸気原動力昼夜交代制によって高配当行い成功した
 一方本機伝来した三重紡績所は大阪紡績会社と同じ明治十五年に三重県三重郡川島村伊藤伝七によって開業されたが、当初困難な経営強いられた。しかし同十九年(一八八六)に渋沢援助をうけ株式会社として再出発し、同二十一年には四日市町新工場建設した。このとき渋沢大阪紡績会社成功を範とするように指導し英国での視察研修終えた技師斎藤恒三決断によって最新式リング一〇台・三四四〇錘を英国プラット社から輸入したその後三重紡績大阪紡績とともにわが国代表する紡績会社へと成長し大正三年一九一四)、両社合併し東洋紡績誕生した
 本機は、三重紡績四日市工場拡充しつつあった一八九三年四月プラット社が発注受けていたことが同社の「外国向け機械受注及び出荷簿」によって判明し、このことは本機銘板によっても確認される。リング精紡機とは、紡績工程のうち前工程開綿打綿梳綿・練条・粗綿)で作った粗糸から所要の糸を紡出する紡績最終工程使用される紡績機械のことであり、糸の品質決める最も重要なのであるプラット社製のリング精紡機は、当時世界精紡機中、最も優秀なもので、後の豊田自動織機の範となった本機三重紡績輸入されてから、まさに紡績産業歩みとともに永年わたって稼働し製造年次および伝来経緯明らかな最古機械として綿糸生産続けた。そして昭和四十三年一九六八)に博物館明治村寄贈され今日至っている。
 長期わたって使用されてきたため、可動部分には修理交換が行われているが、明治・大正・昭和三代わたって稼働し伝来経緯明らかな紡績機械一つとしてわが国近代産業技術発達史上等に貴重である。

リング精紡機

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 21:14 UTC 版)

博物館明治村」の記事における「リング精紡機」の解説

三重紡績所(東洋紡前身1つ)の四日市工場使用されいたもので、1893年イギリスプラット社から購入したもの。日本近代産業史上貴重な資料として、1999年国の重要文化財指定されている。日本機械学会日本工作機械100選認定

※この「リング精紡機」の解説は、「博物館明治村」の解説の一部です。
「リング精紡機」を含む「博物館明治村」の記事については、「博物館明治村」の概要を参照ください。

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