Mi-24シリーズ
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「Mi-24 (航空機)」の記事における「Mi-24シリーズ」の解説
Mi-24(Ми-24) 初期型。A-12.7機銃を搭載している。 Mi-24A(Ми-24А) 初期改良型。1969年に初飛行。テイルローターの取り付け向きにより、前期型と後期型に分けられる。多くの機体がソ連空軍で運用されたが、のちにその一部はベトナム、エチオピア、リビア、アフガニスタン、アルジェリアなどに輸出された。ベトナムでは近年まで稼働中の写真が流布しており、恐らくは現在でも運用中であると見られている。Mi-24B(Ми-24Б) Mi-24Aの派生型。A-12.7機銃にかえ、4銃身のYakB-12.7をUSPU-24ターレットに搭載。試験用に開発された。 Mi-24U(Ми-24У) Mi-24Aの練習機型。前部座席にも操縦装置を追加している。A-12.7機銃は搭載しない。少数のみの生産であったが、ベトナムでは現在も運用中である。 A-10(А-10) Mi-24Aの派生機で、記録飛行用に開発された。 Mi-24VMT(Ми-24БМТ) Mi-24Aから改修した機雷掃海型。 Mi-24D(Ми-24Д) 中期改良型。1972年に初飛行。タンデム式に変更された操縦席など、大規模な機体構造の変更がなされ、初期型の欠点を改善した。固定武装は、Mi-24Bに引き続きYakB-12.7がUSPU-24ターレットに搭載された。しかしながら、動力などの根本的な改善はされなかったため、より全面的な改修型であるMi-24Vまでの繋ぎとして扱われた。生産数は多く、各国へ輸出もなされた。また、Mi-24Vの戦力化後は練習機としても使用され、Mi-24DUに改修されたものもあった。Mi-24DU(Ми-24ДУ) Mi-24Dの練習機型。前部後部座席ともに操縦機能を有している。 Mi-24Dハンガリー空軍のスペシャルマーキング機 Mi-24Dポーランド空軍機 Mi-24V(Ми-24В) エンジンを換装し、システムも更新した後期改良型。ただし、初期型はMi-24Dとほぼ同等の機体である。1972年に初飛行。新型の対戦車ミサイル9M114 シュトゥールム-Vを運用する。なお、ポーランドではポーランド語の言語上の理由からMi-24Wと表記される。Mi-24K(Ми-24К) Mi-24Vの陸軍直協観測機型。ソ連軍のみで使用。現在は、ロシア、ウクライナ、ベラルーシで運用されている。Mi-24VK-2(Ми-24ВК-2) Mi-24Vの発展型。輸出名称Mi-35VN(Ми-35ВН)。 Mi-24V前期型コンゴ共和国空軍機 Mi-24V後期型ソ連空軍機 Mi-24W後期型ポーランド空軍機 Mi-24KhR(Ми-24ХР) Mi-24DおよびMi-24Vの機体から製作された化学・放射能偵察型(電波化学偵察型:Вертолетрадиохимической разведки)。1978年に初飛行。ソ連軍のみで使用。現在は、ロシア、ウクライナなどで運用されている。Mi-24R(Ми-24Р)、Mi-24RKh(Ми-24РХ、ドイツ語方式ではMi-24RCh)、Mi-24RR(Ми-24РР)とも呼ばれる。Mi-24RKhR(Ми-24РХР) Mi-24DおよびMi-24Vの機体から製作された化学・放射能偵察型(電波化学偵察型)。ソ連空軍のみで運用。チェルノブイリ原子力発電所事故でも現場へ投入された。Mi-24R(Ми-24Р)とも呼ばれる。西側では「ハインドG1」というコードネームで呼ばれていた。冷戦後は機体を継承したロシアやウクライナによって国連平和維持活動などにも提供されている。 Mi-24P(Ми-24П) 30mm連装機関砲GSh-30K搭載型。従来の12.7mm機銃では火力に不安があったため開発された。1974年に初飛行。西側では「ハインドE」のコードネームで呼ばれた。Mi-24PK-2(Ми-24ПК-2) Mi-24Pの発展型。輸出名称Mi-35PN(Ми-35ПН)。 Mi-24PN(Ми-24ПН) Mi-24Pの夜間攻撃能力など改良型。1999年に初飛行。 Mi-24PU1(ウクライナ語版、ロシア語版)(Мі-24ПУ1) ウクライナのコノトープ航空機修理工場(ウクライナ語版、ロシア語版)が、既存のMi-24Pを改修した機体。対戦車ミサイルはウクライナが独自に開発したバリエールV(ウクライナ語版、ロシア語版)を装備する。 Mi-24VP(Ми-24ВП) YaKB-12.7機銃に換え、新型のNPPU-23ターレットに23mm連装機関砲GSh-23-2を搭載した。Mi-24Vの12.7mm機銃では攻撃力が不足、Mi-24Pの30mm機関砲では弾数が不足かつ重量過多であったため、そうした問題を解決するため従来戦闘機用の航空機関砲や地上軍の高射機関砲として広く使用されてきたGSh-23-2を搭載する派生型が開発された。1986年に初飛行、1989年より量産に入ったが、新型機銃の不良と冷戦の終結もあり少数生産に終わった。ロシア空軍とウクライナ陸軍航空隊で運用されている。西側では「ハインドF」というコードネームで呼ばれていた。Mi-24VM(Ми-24ВМ) 23mm連装機関砲GSh-23Lを搭載したMi-24VPの改良型。新型の対戦車ミサイル9M120 アターカ-V(ロシア語版、英語版)を運用する。1999年に初飛行。 Mi-24PS(Ми-24ПС) 警察向けに開発された機体。機関砲のかわりに大型の投光器を搭載するなどしている。1997年に初飛行。
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