HDD+DVDレコーダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 15:05 UTC 版)
「DVDレコーダー」の記事における「HDD+DVDレコーダー」の解説
PCと同様、ファイルのやり取りが容易なDVD-RAMの性質から東芝・松下電器産業が商品開発で先行し低価格単体機投入とハイブリッド機の強化により、当時の-RAMと-RWの規格シェアが逆転した。 さらに1年遅れて-RW陣営のパイオニアもハイブリッド機をリリースするが機能面で-RAM陣営に遠く及ばず、-RAMハイブリッドに性能的に追いつくのにさらに1年費やすことになった。その後、HDDの製造コストの低下や大容量化、さらにその信頼性も家電製品として耐えうるものになってきたためHDD搭載型が一般的になりDVDは録画された映像の長期保存、持ち出し等に使用することが多くなった。 複数の記録装置を搭載した機器をハイブリッドレコーダーと呼ぶが、多くの場合はHDD+DVDレコーダーのことを指す。また単に「DVDレコーダー」と言ってもHDD+DVDレコーダーのことを指す場合がほとんどである。 HDDの搭載は家庭のテレビ視聴・録画スタイルに革命をもたらした。以下のような機能はHDD搭載機種ならではの特長である。 録画しながら別の番組を再生する 録画しながら少し前のシーンに戻って再生する(タイムシフト再生) タイムシフト再生しながら早送りして現在の放送に追いつく(追っかけ再生) 電子番組ガイド(EPG)をキーワード検索し、ユーザーの嗜好に合いそうな番組を自動的に録画する(おまかせ録画) HDDに録画し、編集(CM削除、番組分割、番組結合、チャプター作成、プレイリスト作成など)をしてからDVDへのダビングが可能 ※タイムシフト再生・追っかけ再生はDVD単体レコーダーでも可能な機種がある。一方、最近の機種では操作の簡略化と録画予約への特化からタイムシフト関連機能が廃されている物が多い。 HDDのみを搭載するHDDレコーダーも存在し特に米国では普及しているが、日本では「見たら消す」という視聴スタイルが受け入れられず余り普及していない。 HDD+DVDレコーダーが「家電の新三種の神器」と言われるまでに普及したのは、録画の便利さに加えて保存が可能という日本人の需要に合致したためだと考えられる。しかし一方では機能の多さ・メディアの種類の多さなど複雑な取り扱いを敬遠してVHSを使い続ける消費者はかなり多かった。 HDDからDVDへのコピー(ダビングと呼ぶ場合が多い)はそのままの品質でコピーする場合もあるが、ディスクの容量に合わせて再エンコードを行う機能を持つものが多い。機種によっては再エンコードダビング中は録画などの操作を受け付けないことがある。 2003年12月にソニーがPSXを発売したが不人気で、在庫を捌くために他社製品に比べ圧倒的な低価格販売に切り換えた。そこから各社も販売価格を下げて対抗したがソニーを含め各社とも低価格化に対するコスト削減が追いつかず、メーカー側は全く儲けにならないという事態になる。特にDVDレコーダー事業が中核のパイオニアは企業規模を考えると価格競争に強いという訳にはいかず経営上深刻な危機に陥り、ついに2006年6月にはメディア各社が「パイオニアは自社でのDVD機器開発中止に追い込まれた」と報じた。しかしパイオニアはこの時点では報道を否定し、その後DVDレコーダーの新商品を発売したものの後継機種が発売されないまま既存モデルが相次いで生産終了している。現状では三洋電機など体力の弱いメーカーがレコーダー事業からの撤退に追い込まれている。 HDDの容量はどんどん大きくなる傾向にあったが、2006年頃に飽和状態に達した。2007年現在の日本市場では200~600GBモデルが一般的であり、1TBモデルも登場している。 また2006年後半ころから、HDDの大容量化や倍速の進化、操作の簡略化などを目的にDVDメディアへの直接録画が不可能なモデルも出始めた。以下に該当機種を記載する。なおソニーの該当機種はすべてBDドライブ搭載モデルであり、BDへは直接録画可能となっている。 パナソニック:DMR-XP10/XP11/XW30/XW31/XW50/XW51/XP20V/XP21V/XW40V/XW41V シャープ:DV-AC72/AC75/ACW72/ACW72/ACW75/ACW80・BD-HDW15/20 ソニー:BDZ-T50/T70/L70/X90
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